『観光列車アーカイブ』で、内装・サービス・運行区間の変遷を1つの記事で紹介しようとしましたが、内容が多く見づらくなったので、外観・内装に関してはこちらの記事で紹介します。「きらきらみちのく」のサービス・運行区間の変遷に関しては『観光列車アーカイブ【北東北編・第1回】「きらきらみちのく」』をご覧ください。※『観光列車アーカイブ【東北編・第3回】「リゾートあすなろ」』は2021年8月30日午前6:00に公開しました。



きらきらみちのく
Jrejt48kirakiramichinoku
車両:キハ40系3両
種別:快速
運行開始:2002年7月
運行終了:2010年11月 ※2011年4月より「リゾートうみねこ」として運行。
運行区間:八戸~大湊など(東北本線、大湊線)
車内販売:ワゴン販売
画像出典:ウィキメディア・コモンズ Rsa様撮影 CC BY-SA3.0
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Jrejt48kirakiramichinoku.jpg?uselang=ja
※「きらきらみちのく」の外観塗装は青森県各地の「夏祭」をイメージした赤色が使われている。

リゾートうみねこ
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※画像右の車両、左は「東北エモーション」
車両:キハ40系3両
種別:普通(八戸発は3号車、久慈発は1号車が指定席。その他の車両は自由席)
運行開始:2011年4月 ※2010年11月まで「きらきらみちのく」として運行
運行終了:2020年9月
運行区間:八戸~久慈など(八戸線)
車内販売:なし(車内販売を行っていた時期もあったようです)
※「リゾートうみねこ」の外観塗装は、上部の水色が空、下部の青色が太平洋、帯のオレンジ色が水平線から上る太陽をイメージしている。

 2002年7月にデビューした「きらきらみちのく」は2010年11月に運行を終了しましたが、外観の塗装を変更した上で、2011年4月から「リゾートうみねこ」として運行開始しました。なお2020年9月をもって「リゾートうみねこ」は引退しています。「きらきらみちのく」と「リゾートうみねこ」の内装は基本的には同じです。外観・車内の画像は出典のあるものを除き、2018年3月の「リゾートうみねこ」乗車時に撮影しました。


側面ロゴマーク
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「リゾートうみねこ」のロゴマーク。上のは乗降口付近、下のは運転台付近にそれぞれありました。

車内
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1・3号車は2+1の座席配列のリクライニングシートです。モケットは「こぎん刺し」をイメージしたものだそうです。

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1列の席は座席を斜め45度で固定して車窓を楽しむことができます。

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2号車は4人掛けのボックスシートとなっています。内装は通路部分が木目調、座面部分は畳で座布団が敷いてあります。当時の写真と見比べると座布団が異なります。構造としては「とれいゆ つばさ」の12~14号車と似ていると思います。

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2号車にはフリースペースも存在しました。津軽三味線の生演奏会はここで開催されていました。「きらきらみちのく」時代は「津波警報が発令された場合のお願い」が書かれている部分に42インチのプラズマモニタとスピーカーが置いてあり、観光VTR(ねぶた祭りのDVDなど)が流されていました。

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2号車のフリースペースには自動販売機も設置されていました。「リゾートうみねこ」では使用されていませんでしたが、「きらきらみちのく」では使われていたようです。

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1・3号車には展望スペースもあったので、ここから前面車窓を楽しむことができます。

リゾートあすなろ(リゾートあすなろ下北/さんりくトレイン宮古)
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車両:HB-E300系2両
種別:快速(全車指定席)
運行開始:2010年12月
運行区間:リゾートあすなろ下北:八戸~大湊(青い森鉄道線、大湊線)
     さんりくトレイン宮古:盛岡~宮古(山田線)
車内販売:なし
運賃・料金:乗車券2,530円(八戸~大湊)+指定席券530円=合計3,060円
      乗車券1,980円(盛岡~宮古)+指定席券530円=合計2,510円
青春18きっぷでの利用:△(別途指定席券が必要)
三連休東日本・函館パスでの利用:△(別途指定席券が必要)

 「リゾートあすなろ」は2010年12月に大湊線・津軽線向けの観光列車としてデビューしました。現在は主に大湊線の「リゾートあすなろ下北」と山田線の「さんりくトレイン宮古」で使用されています。車両名の「あすなろ」とは青森県の木である「青森ヒバ」の別名です。「あすなろ」は漢字だと「翌檜」や「明日檜」と表記し、明日への希望をイメージさせる名称として付けられました。
 車内の画像は2020年8月と2021年4月の「さんりくトレイン宮古」乗車時に撮影しました。

外観
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外観の塗装は
・夏の祭りの熱気を表す「赤」
・下北半島の菜の花をイメージした「黄」
・青森県の豊かな自然をイメージした「緑」
の3色で構成し、車両中央の「赤」と「黄」のストライプは2つの動力源を使用するハイブリッドをイメージした配色となっています。


側面ロゴマーク
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「リゾートあすなろ」のロゴマーク。デビュー当時、乗降口の号車番号は書かれていませんでした。

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車体中央には“RESORT HYBRID TRAIN”の文字が書かれています。2010年に製造されたHB-E300系に共通して見られる特徴です。


車内
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天井や窓枠のオフホワイトと床のコルク調が特徴的な車内です。「リゾートビューふるさと」「リゾートしらかみ」(2代目青池編成)も同様の内装となっています。

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座席。肘掛にはテーブルが収納されています。

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車内にはモニターがあり、前面展望の映像が流れます。

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各車両には荷物置き場があります。

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2号車デッキ付近の洗面所と荷物置き場。

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トイレは他のHB-E300系と同じく車いす対応です。

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展望スペース。上が1号車(HB-E302)、下が2号車(HB-E301)です。1号車と2号車で若干レイアウトが異なっています。



参考資料
「リゾートあすなろ」パンフレット
『新車ガイド1 「き・ら・き・ら みちのく」』,鉄道ファン2002年8月号,P114~117
『新車ガイド HB-E300系』,鉄道ファン2010年9月号,P61~66