尾小屋鉄道、という1977年に廃止された非電化ナロー(ナローゲージ)の私鉄を1976年12月25日に訪れたもの。やっぱり廃止直前に慌てて行ってますね、、、

 

ただ、当時、地方の私鉄なんかに興味は全くありませんでした。今から考えると惜しいことをしたと思いますが、、

1.車両、も2.風景も抜群です。まあ「風景」と言ってもカレンダーの表紙になるようなきれいな風景、ではなくて「ザ、日本の田舎」という意味での風景ですが、、

確か、非電化のナロー(軌間が日本の標準1067mmより狭い762mm)の日本で残っていたものの最後だったと思います。高校の同級生、T君に誘われて行きました。行くまで全く知りませんでした。

ナローの魅力、それはやはり、ボロさ。そんな言い方をしてはいけないなら、か弱さかと思います。軌間が狭いので車両も華奢でよく、線路も細い。路盤も弱い。よくゆれる。なぜナローなのかというと、いろいろ理由はあると思いますが、コスト削減のためにナローにするわけで、人間も貨物もそんなに見込めないからナローにするのかと思います。自然環境も厳しいところを走っている。

T君の計画に乗って終点尾小屋の駅前旅館に泊まったのですが、前日には何もなかったのに一晩明けたら雪で真っ白でした。

前の日

次の日

雪国ではこんなこと珍しくないと思いますが、雪が全く積もらないところに住んでいたのでえらく感激したのを覚えています。

旅館(民宿だったか)の窓から見た尾小屋鉄道

 

もっと昔は小さな機関車に引かれた客車列車も走っていたようですが、もうこの時は廃止寸前の末期でキハ3と呼ばれた小さな気動車がずっと一両で往復していたような感じでした。

元は(確か)遠州鉄道奥山線のキハ1803で、「180」のところを塗りつぶして使っていたものの消しきれずに見える、みたいなゆるさで好きでした。

 

180が雪で目立っています、、(フイルムを巻き取るときに光が入ったらしいです。見苦しくてすみません)

こちらのエンドは180を塗りつぶしてませんでした。

 

終点の尾小屋駅遠景

 

 

夜景

 

終点の尾小屋駅は実に雰囲気のある(なんて表現したらよいのか分からないが)いい駅でした。

そんなこともあってか、廃止後、某大学鉄道研究会が買い取って?たまに動態保存した気動車を動かしたりしていて、一回つてがあって訪れたこともあるのですが、やっぱりこの時に感じたような雰囲気は感じられませんでした。今どうなっているんでしょうか、。

尾小屋を教えてくれたT君とはその後何度も撮影旅行に行きましたが、高校卒業を境に没交渉となってしまい、卒業後、ついぞ一回も(確か同窓会でも会ったことなかった)会うことなしに50歳をすぎてしまっていました。ある日、高校の同窓会から連絡が来て、T君が50代の若さで亡くなったとのこと。沢駅での彼の後ろ姿の写真を上げさせていただきます。

 

結局尾小屋鉄道の現役時代にはこの1回しか行かなかったのですが、好きな路線(鉄道)の5本の指に入る鉄道です。まあ廃止されてしまったから順位が下がりようがないんですが、、

そんなわけで今回写真多めです。

いい思い出しかありません。

尾小屋駅近くを走るキハ3

今見ると相当に線路際で撮っていて、今なら迷惑な撮り鉄と後ろ指さされそう、、

まだおおらかな時代でした。(でもごめんなさい)

 

おまけ

探したら出てきました。1990年にこの辺の廃線跡を探索した時の尾小屋駅の写真だと思います。動態保存はもうやっていなかったようですが、車両が保存されています。

 

 

背景の杉か何かの木の形から、SLが格納されているところが元駅舎でしょうか。

 

最近は廃線跡めぐり(たどり)も1ジャンルとして認識されているようです。廃線跡めぐりを鉄道趣味の一つに数えるかは微妙かなと個人的に思うのですが(どちらかと言うと廃墟巡りに近いのでは)、現役時代に行ったことのある鉄道の廃線跡はとても感慨深いものがあります。またいずれ。

最後までありがとうございました。