初春の松浦鉄道周遊録③海沿いから陶器の街へ | 風かおる 鉄の路

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主に私が乗車した乗り物関連(鉄道中心)、その他気になったことを綴っていきます。稀にお絵かき。

たびら平戸口駅から松浦鉄道の旅を続けます。

乗車するのは伊万里行き。

 

佐世保行きの列車とほぼ同時に発車しました。

 

 

東田平到着前、遠くに海が見えました。

 

 

松浦鉄道の駅待合室にはこのように地元の子供達が描いた壁画があって目を楽しませてくれます。

 

御厨に停車。

2020年3月に開業し、開業記念臨時特急まで運行されるはずだったのにCOVID-19のせいで中止となったかわいそうな東海道本線の駅と同名です。

 

松浦鉄道のほうは長崎県最北の駅であることで知られています。

 

御厨駅を出ると、やがて大きな煙突を始めとする発電所群が見えてきました。

 

 

迫力のあるこちらは九州電力松浦発電所。

2つの発電機からなる石炭発電所です。

 

その発電所名から採った松浦発電所前に停車。

松浦発電所開所とほぼ同時期にできた駅です。

 

松浦発電所前を発車すると今度は別の大きな発電所が。

こちらは電源開発松浦火力発電所。

ほぼ隣に2つの火力発電所があるのですね。

 

志佐川を渡るとまもなく松浦市の中心・松浦駅に到着です。

 

松浦駅はJR九州時代に急行「平戸」も停車した主要駅。

松浦鉄道では珍しい有人駅の一つです。

 

旅行時は知らなかったのですが、松浦市はアジフライの聖地だそうで、旅行後の3月には駅前に「アジフライの聖地」モニュメントが設置されたり、松浦鉄道MR-614号車のつり革に食品サンプルのアジフライを取り付けたりとさまざまな施策を行い始めたようです。

 

 

 

アジフライつり革面白そうですね…

運行は2022年3月までだそうなので乗る機会…あるかなぁ?

 

松浦の隣は調川。ここは日本一のアジ・サバ水揚げ量を誇る松浦魚市場が近くにあることからその旨が駅名標に書いてあったりします。

 

 

その次の前浜を出ると車窓に海が広がりました。

ここが松浦鉄道で一番海に近い区間です。

 

向こうに見える島は元寇でおなじみ鷹島。

長崎県の島ですが、陸路では佐賀県のみと結ばれている島。

私が幼い頃、ここの鷹島モンゴル村に行った記憶がありますが…現在は休村しておりこうえんとしてのみ利用できるとか…

 

 

 

その鷹島の玄関口・鷹島口に停車。この近くの今福港より鷹島汽船で向かうことができます。

 

その次の「今より福の生ずる処」こと今福駅は長崎県最後の駅。

 

その次の福島口より佐賀県に入ります。

 

浦ノ崎に停車。

ここはホームに桜の木が立ち並び、「桜の駅」として知られています。

春には撮影スポットとして人気になるとか。

 

まだ2月下旬なので桜は見られませんでした…

 

代わりに待合室には桜と列車のイラストが描かれていました。

 

浦ノ崎を出ると再び海岸線へ。

向こうに見えるのが「福島(長崎県松浦市)」です。

 

使われていない線路の上に菜の花が咲いているのがきれい…

 

菜の花の帯は久原駅まで続いていました。

ここからは山城富士が見えるそうなのですが…

 

あれでしょうか?

 

東山代に停車。

ホーム上にあるのは駅舎…ではなく、実は民家。旧駅舎を転用したものだそうです。

 

列車は有田川を渡ります。

終点の伊万里まではもう少し。

 

有田方面への線路が近づいてきました。

 

 

松浦鉄道の車両が留置されているところを通り過ぎ、列車は伊万里駅3番線へと入っていきました。

 

ここで下車します。

 

伊万里牛と焼き物で有名な街・伊万里。

その玄関口である伊万里駅は松浦鉄道西九州線・筑肥線が乗り入れる駅です。

ホーム上の駅名標にも筑肥線の隣駅・上伊万里が書かれています。

でもその方向を見ると…

 

車止め。

筑肥線との間の線路は分断され、直通はできません。

 

どうしてそんなことになってしまったのか…その理由は松浦鉄道の駅舎をくぐり抜けた先にあります。

 

 

それがこちら。なんの変哲もない道路が横たわっています。

佐賀県道240号線伊万里停車場線です。

 

松浦線が第三セクターに転換されたあとも伊万里駅はそのまま残り、筑肥線と松浦鉄道は線路でつながっていました。

しかしながら両線を直通する列車は消滅。

そんな中、鉄道によって南北に分断されていた市街地の利便性を向上するため2002年に線路を分断。

西側を松浦鉄道が、東側を筑肥線が使用する形に改め、中央部分には線路があった場所を横切る形で県道が整備されました。

市街地をつなげるために線路を分断。直通列車がない以上当然の判断ではありますが、二度と松浦鉄道と唐津方面の直通ができなくなってしまったのは残念です…

 

ちなみに松浦鉄道とJRの駅舎はペデストリアンデッキで結ばれています。

 

今回は筑肥線には乗らないので松浦鉄道側に引き返します。

 

次に乗車するのは有田行き。

松浦鉄道は伊万里駅で完全に系統分断されており、全線を直通する列車はありません。

佐世保行きと同時発車の有田行きは先ほどとは逆の方向に発車しました。

列車は有田川沿いを走っていきます。

 

夫婦石に停車。

名前の由来となった石は有田川にあるそうです。

 

 

 

蔵宿に停車。ここは1913年に建てられた古い駅舎が残っています。

 

その次の黒川に停車。

この駅と次の三代橋との間には1996年の一時期、(臨)世界焱博という臨時駅が存在していました(当時は黒川駅は未開業)。

世界・焱の博覧会という地域博に合わせて使用されたそうです。

 

三代橋に停車。次はいよいよ終点の有田です。

 

佐世保線の線路が近づいていき…

 

17:28、終点の有田に到着しました。

松浦鉄道全93.8kmを完乗です。

ちなみにnimoca使用で車載機で精算したため、改札口で渡すようにと精算済票を頂きました。

 

 

 

松浦鉄道と佐世保線の乗換駅・有田。

ホームの隣にはコンテナがたくさんありますが、ここには貨物列車は来ないのです。

有田オフレールステーションといって、鍋島駅との間にトラック代行便が設定されています。

 

コンテナの中に北海道オホーツクと書かれたものが。

これはUV19A形コンテナのうち501-568を北見地域農産物輸送促進協議会が保有し、このような塗装を施したもの。

2015年から導入されています。

つまりこれは北海道からじゃがいもや玉ねぎを運んできたということ。

北海道のコンテナが九州で見られるとは…

 

有田は有田焼が有名ということで、1番線にはなにやら庭園みたいなものが。

「白磁のあかり・たけのこのオブジェ」 というらしいです。

 

改札口を抜けて外に出てきました。

世界・焱の博覧会に合わせて建て替えられたそうです。

有田陶器市のときは賑わうんでしょうね…

今年(2021年)は中止されたのが残念です。

キハ66系の指定席付き快速有田陶器市20・21号…

 

駅前をぶらぶらしていると何やら二重天井のレトロ調バスに遭遇。

こちら、有田町コミュニティバスだそうです。

 

陶器の街、有田を散策したいのは山々ですが、もう17時を過ぎていて寂しさを増してきているので次の特急で帰ろうと思います。

再び駅に戻ってきました。

 

 

松浦鉄道の窓口の隣りにあるのは有田銘品館。

有田の名物や駅弁を売っているお店なのですが…残念ながら休業中。

 

ここの名物が駅弁の有田焼カレー。

有田焼の器にカレーを盛り付け、上からチーズをかけて焼き上げた駅弁なのか疑わしくなるような本格派焼きカレーです。

食べ終わったら器を手元に残せるのも嬉しいですね。

 

 

いつか食べてみたいのですが、なかなか機会に恵まれず…今日も休業だし

食べれる日は来るのでしょうか?

 

JRのみどりの窓口で帰りの特急のきっぷを購入。

ここにも有田焼です。

 

有田焼カレーが買えなかった代わりにこんなものを見つけたので買ってみました。

"当店"って…

 

みどり26号に乗車します。

 

夜の帳が降りようとする頃、入線してきました。

 

車内で先ほど買った「やまや飲むおだし うまだし」を飲んでみます。

缶に入ったおだしは珍しいですね。

…上品な味なのですが、ちょっと薄くてもの足りないかも。

 

 

朝に通った武雄温泉駅を再び経由します。

次にここを通るときは西九州新幹線が開業する前か、後か…?

 

博多に戻ってきました。

 

今回の旅で、松浦鉄道全線をゆっくりめぐることができました。

河津桜に日本最西端の駅に美味しい海鮮丼に…乗り鉄と観光を両立でき楽しい旅になりましたね。

再訪するときは平戸島突入か、それともアジフライかな…

 

それでは。

 

 

前回

 

最初から

 

★乗車データ

松浦鉄道西九州線 348D 普通 伊万里行き たびら平戸口(15:50)→伊万里(16:55) MR-610
松浦鉄道西九州線 638D 普通 有田行き 伊万里(17:03)→有田(17:28) MR-606
4026M 特急みどり26号 博多行き 有田(18:14)→博多(19:34)③ 783系 CM12編成

※すべて2021年2月24日乗車