番外 西鉄GPで最後に残存西工S型架装車「火の鳥塗装」6台&「最後の特異車」日野セレガR3台紹介 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 西鉄グループの西日本車体(西工)S型高速車と言いますと、既に「火の鳥塗装」・「新高速色」の営業用としては残念ながら全廃となっておりますし、最後までスクールバスでも見られておりましたは「新高速色」をまとう車も全廃となっておりまして、かつての西鉄高速バス・特急バスを支えていた車は見られなくなってしまっております。

 
 かつては、中距離・短距離の主力車両として、昭和時代よりスタイルを変えまして、多くの車が西日本の事業者を中心に導入されておりまして、西鉄グループでも車内を様々な形にしまして導入されてもいましたが、各事業者でも相次いで姿を消しまして、営業用では西鉄グループでは全廃となりましたし、あと九州事業者で営業用として見られておりますのは一般路線バスとして使用されております大分交通のみとなっております。
 
 そんな西鉄グループでは、「火の鳥塗装」をまといました、上の画像1のように西鉄バス3713(三菱KL-MS86MP)、画像2の3909(形式同)が最後に残った営業用車両でしたが、この2台は一度離脱しておりました。しかし、使用車両の車両補填のために奇跡の復活を果たしまして、福岡~熊本線「ひのくに号」で運行されてもいましたが、新たな新車の導入もありまして運用を離脱・廃車となっておりました。
 
 この他にも、西鉄バスの西工S型では平成17年の最終導入グループ(4015~4018)にもあたりました4015(形式同)や、最後は亀の井バスに移籍しておりました4016こと大分200か・929、そして元4017・4018でありましたそれぞれ412号・413号も令和になりましてからも見られておりましたが、これらも全て廃車となっておりまして、最終導入グループまで姿を消すに至っておりました。
 
 (4015)
 
 (亀の井バス、大分200か・929(元4016))~末期はLED改造も施されておりました
 
 (日田バス412号(元4017))
 
 (日田バス413号(元4018))
 
 
 さて、ここまで全廃となりました「火の鳥塗装」の西工S型架装車に関しましてご紹介しましたが、今回ここからご紹介しますのは、西鉄グループにおきまして西工S型架装高速車の「最後の特異車」でもありました、平成29年に残念ながら全車廃車となっております、日野セレガR3台に関しまして皆様にご紹介してまいります。
 

 この日田バスの日野セレガR3台は、平成16年に西鉄バス福岡高速営業所に新製導入されました車でありまして、当初は福岡~熊本線「ひのくに号」として運行されておりまして、西鉄社番は7901~7903の社番が名乗られておりました。
 
 (「ひのくに号」運行時代の7902)~平成18年撮影
 
 この車の特徴は、ご紹介しておりますように3台しかいなかったと言う西工S型架装の日野セレガRであったのが特徴でありまして、形式も純正車両と同様のKL-RU4FSEAでもありましたが、この車の導入の経緯は、ちょうどこの頃はこれまで多く導入されておりました、冒頭の車も該当します三菱ふそうのリコール問題が起こった頃でありまして、それに伴い買い控えを行った事から、このような日野セレガR架装の特異車が誕生したとも言われております。
 
 また、この車の装備は、従来のS型「火の鳥塗装」高速車とは同等の装備でありまして、4列シート・後部トイレ付きでありますが、運転部分に関しまして、ミッションがフィンガーコントロールを採用しているのが大きな特徴でもありました。そのため、ギアをチェンジする独特な音もこの車で聞く事もできておりました。
 

 その後、このセレガR3台は以下画像にありますように福岡~大分線「とよのくに号」として西鉄観光バスに管理委託として転属、さらに西鉄高速バスに移籍しまして「とよのくに号」に加えまして福岡~佐世保線「させぼ号」にも使用されておりました(その後西鉄バス本体に復帰)。
 
 【いずれも「とよのくに号(西鉄観光バス管理委託)」時】
 (7901)~平成22年撮影
 
 (7902)~平成19年撮影
 
 (7903)~平成20年撮影
 

 しかし、この3台も平成25年に「ひのくに号」に新車を8台も導入した事に伴いまして、西鉄バスとしましては定期運用を離脱しまして、3台とも日田バスに移籍しまして運行されておりました。
 

 日田バスでの姿が以下画像であります。これら車は、福岡~日田・湯布院・黒川温泉の路線において運行されておりましたが、以前はさらに別府・大分や長崎までも足を運んでおりまして、距離的には少々楽にはなっているようではありましたが、それでも連日高速道路を走る分、引き続き酷であった事には変わりはなかったようでありますし、いずれの車も平成29年夏までの時点では元気な姿も見せてもいました。
 
 (421号(元7901) 福岡200か10-13→大分200か・612)
 
 (422号(元7902) 福岡200か10-14→大分200か・615)
 
 (423号(元7903) 福岡200か10-15→大分200か・614)

 422号の後方に見られておりました錆であります。この錆を見ますと、高速道路と言う酷な中を連日走行していた事がお分かりいただけるのではないかと思います。それにしても、結局は画像にあります錆を修復も行わなかった事から、結局は運用を離脱する時までそのままであった事が離脱へのシナリオであったのかと思ってならない所でもあります。
 

 結局、西鉄バスより西工E-III架装車(画像は476号、日産デPKG-RA274RBN)の移籍導入がなされておりまして、その結果が全車運用離脱・廃車につながった訳でもありましたので、世代交代を思うと仕方なかった所ではあったでしょうか。

 この西工S型架装の日野セレガRも、平成16年に導入されていた事から、13年で離脱・廃車と言うのは正直早いと言う印象でもあります。まさに乗用車並みと言う印象につながってしまった事に関しましても残念にも思いますが、実際に同年式の日産ディーゼル車も廃車へ至っていた事を思いますとそうなってしまった事も残念なのではないかとも思います。
 

 冒頭ご紹介しましたように、西鉄グループ内の西工S型は全廃へと至ってしまいましたが、全廃へと至った事に関しましては正直残念にならない所であります。しかも、その分三菱エアロエースや日野セレガ・いすゞガーラと言った新車導入に至っておりましたので、その分世代交代も進んでいる事を思いますと致し方ない所ではないかと思いますが、今回ご紹介しました日野セレガRに関しましても、西鉄グループでは3台しか導入されなかった分、特異車であるがゆえ逆に早くに廃車となる運命でもあったのではないかと思いますと、残そうにも残せなかった事が残念としか言えようがない所でもあります。