世の中、好むとか好まざるとか、それぞれの思い入れや拘りがあって、それはそれで悪いことではないのですが、誰が何と言おうと、 「新幹線=0系」 と信じて疑っていないクチです。速さを求める余り、100系以降は先頭形状がより鋭利なものになってしまいましたが、そうなると、時代の最先端をいっていた0系は徐々に時代に取り残されつつも、柔和な愛嬌のある顔に見えてきました。今もなお、 「この団子っ鼻が好き」 という人もいます。

 

ここは山陽新幹線の相生-岡山間の吉井川橋梁だと思うんですが、数ある新幹線撮影地の中でも、特に有名な場所なんですよね。

16両がピタリと収まっている、見事な写真です。

1984年に撮影したとのことなんですが、この頃はまだ100系は登場しておらず、東海道も山陽も100%0系の時代。

0系は昭和39年から昭和61年まで、実に3,200両以上が製造された、文字通り、 「新幹線の “顔” 」 なわけですが、国鉄時代は基本的には奇を衒わない、 「標準化」 を信条としていましたから、気がついたら同一形式でもの凄い数になってしまったのも少なくありません。

 

漏れているものもあるかもしれませんが、下記に示すのは国鉄電車の製造数ランキングです。

 

 1位:103系 3,447両

 2位:  0系 3,216両

 3位:113系 2,977両 (111系含む)

 4位:115系 1,921両

 5位:101系 1,535両

 6位:205系 1,461両 (JR化後に量産された車両も含む)

 7位:485系 1,453両 (グループ全体の両数)

 8位:100系 1,056両 (JR化後に量産された車両も含む)

 9位:201系 1,018両

10位:415系   880両 (グループ全体の両数)

 次点:165系   834両 (     〃       )

 

さすが、1~10位、次点まで “歴戦の強者” が勢揃いしています。
因みに、電車以外では・・・

 

【蒸気機関車】

 D51形 1,115両

9600形   770両

【電気機関車】

EF65形   309両

ED75形   302両

【ディーゼル機関車】

DE10形   708両

DD51形   649両

【気動車】

キハ58系 1,823両

キハ20系 1,126両

【客車】

   50系   953両

   24系   536両 (グループ全体の両数)

【貨車】

ワム80000形 26,605両  

     ワラ1形  17,367両

・・・etc

 

旧型車両については、出自が曖昧な車両が多く、広義も狭義も 「何処から何処まで?」 なのが多いため、ここでは割愛します。72・73系電車が500両超えで、旧形客車は35系や43系辺りがトータルで2,000両を越えているはずなんですけどね。

 

さて、JRに目をやると、ダントツで多いのがJR東日本のE233系が3,297両。今後、中央線快速用のグリーン車も増備されることが決まっています。そうなるとその数は確実に増えますので、増備如何によっては103系の記録が抜かれる可能性はゼロではありません。

そしてJR東海の313系が541両、JR西日本の223系がグループ全体で927両でその会社の代表的車両ですが打ち止めになっています。

そして新幹線はというと、やはりN700系がN700S含めれば現段階で3,184両。N700Sは今後も増えますので、それを合算すれば0系の記録を抜くのは時間の問題かなと思います。N700系これだけの数ですから、旧来の700系を含めたらその数は4,500両を突破してしまい、名実ともに700系グループは現行新幹線の代表的車両ということになります。

 

103系にしても、0系にしても民営化後も抜かれない記録だと思っていただけに、E233系とN700系の増殖は恐ろしいものがあります。

 

でもね・・・、

JR以降は技術革新の関係からか、次々に新型車両が登場していますし、新幹線車両は酷使し過ぎ。だから比較的早い段階で次世代へバトンタッチしています。そこへいくと、国鉄形車両は “標準型” であるのと同時に、極めて頑丈に造られています。そのためJRになっても長い期間使われまして、0系や101系、165系は既に鬼籍に入りましたが、他の車両は今もなお活躍中ということで、これは凄いことだと思います (注:485系は団体用に数両残っているだけで、 「今もなお現役」 とは言い難い) 。

 

あとね・・・

0系全盛期って、ビュッフェや食堂車もちゃんと営業してて、速さに加えてホスピタリティも充実していました。それが100系に受け継がれたわけですが、そこへいくと、今の新幹線は完全なビジネスライクな路線になってしまい、 「ただ、走っているだけ」 で何にも面白くありません。東京-新大阪間や新大阪-博多間なら、あっという間に到着するので 「まぁ、しゃーないな」 とは思うんですが、東京-博多間だったら、供食設備や 「グランクラス」 みたいなハイグレードなレイアウトを配した車両を連結しても損は無いと思うんですけどね。全体的に東京-博多間を通しで乗る人が少ないからなのかもしれませんが、中央リニア新幹線が開業したら、鉄車輪を使う新幹線にもホスピタリティ重視の車両を連結した列車が復活するかな・・・?

 

 

【画像提供】

い様

【参考文献・引用】

ウィキペディア (国鉄0系新幹線など)