レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

3つの新幹線に乗車する青森往復乗り鉄旅(2)

 前回の記事からの続きです。

 新青森に到着してからは、次の特急「つがる」号の発車時間まで約1時間あったため、駅の1階で昼食を済ませたり、買い物をしたりしました。その後、在来線ホームに移動して「つがる」号に乗車し、次は秋田を目指します。

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つがる号で使用されているE751系秋田駅浪岡駅 2021/7/30

 上の写真は、秋田駅到着後の「つがる」号を撮影したもので、下の写真は、列車の行き違いのために数分間停車した浪岡で撮影したものです。車両はE751系で、車体上部は白、車体下部は朱色を基調として、窓上部には黄色の帯が、窓下には青の細帯が配されています。先頭車両の形状を見ると、「いなほ」号や「しらゆき」号で使用しているE653系(元「フレッシュひたち」号)にそっくりで、前照灯や愛称表示器の位置などに違いはあるものの、まるで兄弟のような存在です。それもそのはず、少し調べてみると、E751系E653系をベースとしつつ、直流区間への乗り入れを想定せずに交流専用車両として設計・開発されたものだそうです。

 ここでE751系の歴史を遡ると、元々は東北新幹線の八戸延伸前に、盛岡-青森で運行されていた特急「スーパーはつかり」として営業運転を開始した車両です。デビュー当時は、東北本線を走る名門特急である「はつかり」の名を冠した特急列車の運用を担い、6両編成で運行されていましたが、東北新幹線の八戸開業、そして新青森開業によって活躍の場を奪われ、現在は4両に短編成化された上で、定期列車としては、青森-秋田間を奥羽本線経由で結ぶ「つがる」号として、また「弘前さくらまつり」号など、青森地区で季節運行される臨時列車として使用されています。東北本線の“花形特急”としての役割を退き、中間のモハユニットを抜かれたE751系は、表現は悪いですが“流浪の転落人生”を送っているような気さえしてしまい、何だか気の毒というか、切ない気持ちになりました。

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 続いて車内です。E751系は秋田寄りの1号車が半室グリーン構造で、2号車から4号車はすべて普通車です。今回は普通席を利用しましたので、グリーン席の車内は撮影していません。E751系の車両の外観は、E653系にそっくりだと紹介しましたが、車内の雰囲気もE653系にそっくりで、モケット柄は「いなほ」や「しらゆき」と異なっていますが、座席そのものはE653系と同じもののようです。

 僕が利用した2号車の指定席は見てのとおりほぼ空席で、自由席の3号車の様子も見てみましたが、窓側でも空席がある状態でした。

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こまち号で使用されているE6系秋田駅 2021/7/30

 「つがる」号で秋田に到着後、今度は秋田新幹線E6系「こまち」号に乗車します。秋田新幹線は、山形新幹線と同様、新幹線と在来線を乗り換えなしで結ぶ新在直通運転を行う“ミニ新幹線”で、秋田-大曲間では奥羽本線を、大曲-盛岡間では田沢湖線を走行し、盛岡からは東北新幹線に合流して東京までを結んでいます。東北新幹線区間では、基本的にE5系/H5系「はやぶさ」号と併結されており、日本の旅客営業列車としては最大となる17両編成での運転が行われています。

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 続いてE6系についてですが、僕は以前、磐越西線を走る臨時快速列車「あいづ」に乗車する乗り鉄旅の際に、那須塩原→郡山の短区間E5系E6系で運転される「やまびこ」号を利用し、一度だけE6系に乗車したことがありますが、今回の乗車はそれ以来の約2年半ぶりとなります。車体上部の赤色(茜色)は実に鮮やかで、側面全体の白色(飛雲ホワイト)は併結相手となるE5系との協調が感じられるカラーリングとなっています。また、“ミニ新幹線”用の車両ということで、車両限界などの制約が多い中、フル規格の新幹線車両であるE5系に勝るとも劣らない走行性能やデザイン性を兼ね備えた車両を設計・製造するのは、並大抵のことではなかったのではないかと推察します。

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 E6系普通車の車内です。E6系は、東京寄りの先頭車が11号車、秋田寄り(ただし大曲-秋田間は逆向き)が17号車の全7両編成で、このうち11号車がグリーン車、12号車から17号車までが普通車です。また「はやぶさ」号と同様、全車指定席となっています。普通車の座席は、他ではあまり見かけない黄系色のモケット柄で、茜色のビビッド感ある外観とは、また違った印象が伝わってきます。

 E5系E7系もそうですが、最近のJR東日本の新幹線では、グリーン車だけでなく、普通車の座座席にもヘッド部分にピロー(枕)が設置されています。僕はこのピローが好きで、リクライニングしながら頭をピローに預けて足を延ばす体勢は、リラックスできる至福のひと時です(もちろんあまり見苦しくならない程度に気を付けています)。東海道新幹線の普通車の座席にはピローがありませんが、是非とも導入してほしい装備のひとつです。

 「こまち」号には、約1時間30分の乗車で盛岡に到着しました。ここで次の新幹線に乗り換えることになりますが、時刻表上では乗り換え時間が6分しかありません。万が一、秋田新幹線に遅延が発生すると、次に乗車予定の「やまびこ」号に間に合わないおそれがあり、行程作成時からちょっと気になっていましたが、実際には同じホームでの対面での乗り換えだったため、問題なく乗り換えることができました。ここから東京までは、いよいよ待望のグランクラスに乗車します。

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やまびこ号で使用されているE5系盛岡駅一ノ関駅 2021/7/30

 帰路で乗車する「やまびこ」号も、往路で乗車した「はやぶさ」号と同じE5系です。盛岡発の「やまびこ」号は、仙台までの新幹線各駅に停車し、仙台から先は福島、郡山、宇都宮、大宮、上野に停車するパターンが基本となっており、途中駅では「はやぶさ」号の通過待ちのため、数分間停車することがあります。今回も一ノ関駅での通過待ちの時間を利用して、ホーム上から写真撮影してみました。

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 そして、今回乗車したグランクラスの車内です。グリーン車よりも上位に位置し、それまでの新幹線にはなかった、いわばファーストクラスに相当する新たな特別車両です。「グランクラス」という名称は、フランス語で「大きな」という意味を持つ「Grand」と英語の「Class」を組み合わせた造語ということですが、その言葉の響きからも、最高のサービスが提供される車両であることがよく分かります。

 今回は、僕にとって初めてのグランクラスへの乗車となりましたが、車内に足を踏み入れた瞬間、その圧倒的な存在感と美しさに一瞬、息を飲んでしまいました。これまでにもE261系サフィール踊り子号のプレミアムグリーン席や、近鉄80000系ひのとり号のプレミアムシートを利用したことがありますが、グランクラスは、これまで乗車した他のどの列車とも違う、まるで自分が生活する世界とは別次元のような空間です。それでは、僕の感想を含めて、グランクラスの特徴を紹介したいと思います。

 まずは、グランクラスの概要ですが、E5系新幹線の場合、編成端部にあたる10号車に設定されています。そのため、グランクラス以外の乗客が通路を行き来することはありません。定員は、たったの18名(3席×6列)で、車内には、1+2配置の座席が1,300mmピッチで並んでいます。床敷物はウールカーペットで、荷物棚は航空機のような蓋付きのハットラック式となっており、乗客の手荷物などが視界の妨げにならないよう配慮されています。

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 次に、グランクラス最大の特徴であるシートについてです。本革張りの上質な座席を包み込むかのようなシェル構造となっており、どれだけリクライニングしたとしても後ろの乗客に圧迫感を与えることがなく、また、半個室に近い状態になることから、十分なプライベート感が確保されています。シートのリクライニングはすべて電動で、手元のコントロールパネルで簡単に操作することができます。もちろん、LED式の読書灯やモバイル用コンセントも完備されており、不自由に感じることは何一つありません。

 世界に目を向けると、それぞれの国々でどのような特別車両が運行されているのか、僕は全く承知していませんが、正直、グランクラスの座席の完成度は相当高く、日本が世界に誇れる最高水準のシートと言ってもいいのではないかと感じました。

 なお、グランクラスには、専任アテンダントが乗務し、乗客に対して軽食や飲料を無料で提供するサービスが行われるものと、そうしたサービスが省略されたシート営業のみのものとがありますが、僕が今回利用したのは後者の方だったため、軽食や飲料などのサービスはありません。しかし、シート営業のみであっても、グランクラスの魅力を十分に感じ取ることができたと思います(ちなみに乗車日時点では、グランクラスアテンダント新型コロナウイルス感染が確認されたため、飲料・軽食の車内サービスは中止されていました)。

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 今回の乗り鉄旅で使用した乗車券類をすべて紹介します。使用した順に、豊橋→東京、東京→新青森新青森→秋田、秋田→盛岡、盛岡→東京、東京→豊橋です。豊橋-東京間の東海道新幹線区間は、いつものようにJR東海ツアーズの旅行商品である「日帰り1day 東京」を利用しました。その他の区間は、すべて「えきねっと」で購入したもので、先に紹介したとおり、東京→新青森の「はやぶさ」号のグリーン車、盛岡→東京の「やまびこ」号のグランクラスは、「お先にトクだ値スペシャル(50%割引)」で手配しました。新青森→秋田の「つがる」号にも、普通車指定席限定で「お先にトクだ値スペシャル(50%割引)」が設定されていたことから、これを利用しました(グリーン車には設定がありませんでした)。そして秋田→盛岡の「こまち」号でも、普通車限定で設定されていた「えきねっとトクだ値(15%割引)」を利用しました。

 ちなみに、今回の乗り鉄旅で購入した乗車券類の総額は、

 豊橋-東京間の乗車票(グリーン券を含む)(往復分)13,600円
 東京→新青森の乗車券・特急券・グリーン券 11,090円
 新青森→秋田の乗車券・特急券 2,940円
 秋田→盛岡の乗車券・特急券 3,820円
 盛岡→東京の乗車券・特急券・グリーン券 10,550円  合計42,000円

でした。参考までに、豊橋から新青森まで、東海道新幹線東北新幹線グリーン車を乗り継ぐ場合の正規運賃・料金は、片道で32,500円となるため、今回は随分とおトクに乗り鉄旅を楽しむことができました。僕がこれまで経験した日帰りの乗り鉄旅の中でも、移動距離はトップクラスだったと思いますが、乗り応え十分で、しっかりと“鉄分”を補給できたと思います。いよいよ8月を迎えることとなり、猛暑日が続くことも予想されますが、体調にも気をつけながら、次の乗り鉄旅も楽しんでいきたいと思っています。