7月31日 (土曜日) 晴れ

 

本当は今日は出勤の予定でした。でも、昨日と交換して今日は休みになりました。

さて、ネットのニュースを見ていたら、ある大物ミュージシャンの記事が気になりました。

“ある大物ミュージシャン” とは、福山雅治氏。長崎県出身であるのは有名な話ですが、福山氏がパーソナリティを務めるラジオの番組で、リスナーから、つい最近まで長崎を走っていたキハ66・67系というディーゼルカーの話になり、 「キハを買い取るなら買い取っても良いよ。置き場所があって、長崎の有志がきちんと手入れをしてくれるということなら、車両の購入土地代は (自分が) 持つ」 とある種の “爆弾発言” をしたそうです。ホントに実現したら、そりゃ凄いことだけど、このやり取りで、些か疑問に思ったことがあります。

 

 

これが長崎時代のキハ66・67系ですが (画像は再掲です) 、福山氏はこんな風に話してたとさ。

 

「子どもの頃、キハ66でばーちゃんちに行っていた」

 

先程も申したように、福山氏は長崎の出身。そして私と同い年の1969年生まれ。そして、キハ66・67系は1975年に北九州地区向け登場した車両です。長崎に転配されたのは民営化後の2001年とのことなので、合わないんですよ。2001年って言えばね、福山氏は普通に上京して、普通に芸能活動して、普通に人気があった頃。

福山氏のおばあさんが博多を含む北九州、あるいは筑豊地区にいたというのなら解りますが、もしかして福山氏は何か勘違いしているんじゃないかって気がしてなりません。

続けて福山氏は

 

「自分にとって、 “ベージュと朱色のキハ” こそが 「弓なりに続く線路」 を走っていた汽車」

 

「弓なりに続く線路」 とは、 「道標」 という福山氏の歌のワンフレーズだそうなんですけど、そりゃ、確かに登場時のキハ66・67系はベージュと朱色でしたけど、民営化後は 「JR九州色」 と呼ばれる、白に青い腹巻きに変わっています。だから、福山氏の子どもの頃の 「ベージュと朱色」 って、キハ58系を指しているのではないかと思うんですね。

 

(画像はイメージです)

 

でも、 「自分にとってキハは 「ベージュと朱色」 」 というのが何ともニクいんですが、一瞬、福山氏は鉄道ファンなのかと思っちゃいました。違うようです。

長崎だったら急行 「出島」 か 「弓張」 といったところ?

それに、 「ベージュと朱色」 は当時の国鉄気動車の標準色。キハ58やキハ66・67以外にもその標準色を纏ったのは数多あるし、島原鉄道だって似たような色のディーゼルカーを走らせていたしね。

 

(画像も再掲です)

 

まぁ、ミレニアム記念でキハ66・67系はオリジナルである 「ベージュと朱色」 に塗り替えられはしたけど、やっぱり福山氏は別の車両と混同しているような気がします。

 

で、この 「キハを買う」 というのが瞬く間にSNSに取り上げられて話題になっているようですが、 「車両の購入費用と土地代は自分が持つ」 と言っているのを聞くと、福山氏は相当お金持ちなんだなと思います。でも、理想と現実はね、あまりにもかけ離れているような気がして、よしんば、車両を購入したとしても、地元の有志がキチンと維持をしてくれるかどうかですよね。現実的に考えれば、JR九州が門司港にある九州鉄道記念館で保存をするか、長崎県や長崎市辺りが1編成買い取って、何処かに展示するかの方が理想的です。個人にはあまり売らないでしょう。維持費だってバケモノ的な金額ですし、プラスアルファで確か、キハ66・67はアスベストが盛り込まれていると思うので、その除去費用がハンパないのだそうです。

今風に言えば、クラウドファンディング方式でお金を集めるという手法もありますけど、やはり、例えそれが長崎に思い入れのある著名な芸能人だとしても、一個人が鉄道車両を買い取るというのは想像以上の壁が立ちはだかると思います。

 

実現したら、それはそれで凄いことだと思うし、そうなれば地元の有志がキチンと維持することでしょう。その後の展開を期待します。