東武東上線の乗車記(池袋→寄居、下り快急利用)

記事上部注釈
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東京から群馬に向かう際の交通機関として、何が思い浮かびますか。多くの人は新幹線、そして節約派は高崎線でしょうか。しかし、それより安い移動方法があるのです。その方法を紹介するとともに、東上線部分の車窓を紹介しましょう。

写真1. 東上線末端区間では「昔の塗装」の車両も運行されている

東上線を利用した群馬県への移動方法概要

まず、東上線を利用した移動方法の概要を紹介しましょう。

東京-群馬の移動方法(東上線利用)

・運賃:1584円(ICの場合)

・経路:池袋-寄居-高崎
 ※寄居-高崎はJR線です

・本数:おおむね1時間に1回(日中時間帯は2時間以上間隔が開くこともある)

・所要時間:2時間30分程度

東上線は池袋-寄居の路線です。寄居-高崎はJR線を利用する必要があります。東上線は少なくとも1時間に2本確保されていますが、八高線は1時間に1本程度しかありませんので、あらかじめ時刻を調べないと、待ち時間だらけになってしまいます。また、所要時間は2時間30分程度と高崎線(1時間40分程度)よりも長いです。

なお、運賃は1584円とJR高崎線経由の1980円よりも400円近く安いです。ともかく、所要時間や運転本数を犠牲にして400円程度の価格を選択するルート、それが東上線ルートです。

実際に東上線に乗って移動する

実際に東上線に乗って移動してみましょう。今回は、休日にしか運転されない、地下鉄からの快速急行に乗って移動しました。

第1走者:準急(池袋-和光市)

東上線の速達列車の一部は地下鉄直通です。その列車には東上線池袋から乗ることはできません。とはいえ、そう焦ることはありません。必ず、接続用の準急が用意されており、和光市で接続できるからです。

写真2. 東上線の改札

東上線の改札です(写真2)。南側の改札は独特の風情がありますが、休日の早朝なので人が少ないです。

写真3. 東上線の準急が停車中

東上線の準急が停車中です(写真3)。30000系という車両ですが、どの車両でも4ドアロングシートであることには変わりません。どうしてもクロスシートが良ければ、川越特急か上り快速急行かTJライナーに乗るしかありません。

写真4. 準急川越市行きの表示

準急川越市行きの表示です(写真4)。休日の早朝なので、車内は空いていました。東上線の池袋駅では地下鉄からの速達列車に接続する旨の案内がないので、準急を無条件で見送る人もいそうです。

写真5. 豊島区の住宅街を走る

池袋を出ると、北池袋を通過し、JR線からわかれます。その付近には高いマンションが建っています(写真5)。このあたりは「下板橋」という駅もありますが、板橋区になく、豊島区にある駅です。

写真6. 中板橋を通過

中板橋を通過します。ちょうど上りの普通が急行の待ち合わせをしていました(写真6)。この写真ではわかりずらいですが、9000系による運転です。9000系は地下鉄直通運用に入ることが多いので、この区間で見かけるとちょっとレア感がありますね。

写真7. 和光市手前で畑が見える

準急は最初の停車駅の成増を出ると、各駅にとまります。その成増を出て少し走ると、畑が見えます(写真7)。なお、池袋-和光市では準急、急行、快速ともに停車駅は同じです。

写真8. 和光市に到着

和光市に到着しました(写真8)。当該の準急はふじみ野で後の快速急行に抜かれます。

第2走者:快速急行(和光市→小川町)

地下鉄から東上線への直通電車は基本的に北限は森林公園とされています。しかし、休日だけ地下鉄直通電車が小川町まで運転されます。その快速急行に乗ってみました。

メトロ10000系(和光市)

写真9. メトロ車がやってきた

快速急行にはメトロ車がやってきました(写真9)。個人的な所感ですが、7000系がやってこなくて良かったです。7000系は窓が小さく、どうしても閉じ込められている感じがあって好きではありません。

写真10. 和光市を発車!

和光市を発車しました。このまま直進すると引上線に入りますので、転線します(写真10)。

写真11. 複々線を快走

複々線を快走します(写真11)。地下鉄直通の速達列車が運転され始めたのは2016年3月からですが、それまでは速達列車を外側線に走行させていました。しかし、地下鉄直通の速達列車と東上線池袋発着の準急をその原則通り走らせようとすると、和光市で平面交差が発生して運転上の障害になります。そこで、地下鉄直通の速達列車は内側線を走らせています。このことで、和光市での平面交差を避けることができました。

複々線終端の志木では平面交差が発生しますが、朝霞(や朝霞台)の通過の有無で通る時間に差が生じるので、和光市ほどダイヤ作成の不都合になっていません。

写真12. 朝霞台を通過!

朝霞台を通過します(写真12)。ここは川越特急はとまるものの、快速急行は通過します。東上線の速達列車にはTJライナー、川越特急、快速急行がありますが、池袋-川越で停車駅が異なっています。この3つのうち2つ以上がとまる駅がないのです。

写真13. 志木が近づいてきた

快速急行は志木に停車します。その志木の2番線には先行の普通志木行きが停車しています。このままではスムーズに停車できません。と思ったら、1番線に入ります。通常の地下鉄直通の速達列車(日中時間帯の急行など)は志木では内側のホームに発着するので、地下鉄直通の速達列車が志木の外側線に入るのは珍しい光景です。

写真14. 志木に停車!

志木に停車します(写真14)。余談ですが、志木駅は新座市にあり、志木市にはありません。

写真15. 志木を発車!

志木を発車しました(写真15)。右にあるのは志木の北側にある引上線です。

写真16. 住宅街を走る

志木を過ぎても、急に景色が変わるわけではありません。住宅街を走ります(写真16)。高架化されている区間が全くなく、地域との近さを感じさせるくらいの違いです。

写真17. ふじみ野を通過!

ふじみ野を通過します(写真17)。写真がブレているので、それなりに速度が出ていることに気づくでしょうか。川越特急が設定されるまでは、ふじみ野を通過する下り列車は休日の快速急行だけでした(平日に下り快速急行の設定はありません)。

写真18. 川越に向けて坂を上っていく

川越に向かって坂を上ります(写真18)。このあたりは直線が続きます。JR川越線よりも開業が古いので、久喜や古河のように東武がJRに合わせてカーブする必要はなかったのです。

写真19. 川越に停車

川越に停車します(写真19)。ここで多少の乗り降りがありました。休日の早朝下りとはいえ、利用もそれなりにあるのです。客層は日常利用と山歩きの行楽利用の双方があり、前者のほうが多い印象です。

写真20. 川越市に停車!

川越を出ると、続けて川越市にとまります(写真20)。ここで普通(準急)に連絡するので、停車は必須でしょう。

写真21. 川越市を出ると田園風景も広がる

川越市を出ると、田園風景が展開します。入間川付近に水田が広がっているのです。

写真22. 入間川を渡る

その入間川を渡ります(写真22)。ここを渡る道路は少なく、東上線が運転見合わせになると、入間川を渡る道路は渋滞します。

写真23. 坂戸に停車!

そうしているうちに、坂戸に停車します(写真23)。坂戸は全列車が停車する駅ですが、坂戸では緩急結合はできない配線です。反対のホームに上りの急行の姿も見えます。

写真24. 緑が多くなる

緑が増えてきます(写真24)。

写真25. 越辺川を渡る

越辺川を渡ります(写真25)。この後に停車した東松山は地方都市の香りを感じました。

写真26. 小川町に到着!

坂戸からは緑が多い印象がありました。そうして、小川町に着きました。この快速急行到着を待たずに、八高線が発車しました。会社が異なるとはいえ、接続が悪いのはどうかと思います。この時間帯の八高線は20分程度で続行便がくるので、そこまで実害は大きくないのかもしれませんが…。

第3走者:普通(小川町→寄居)

東上線の運転系統は小川町で分断されています。池袋-小川町が東京の通勤電車で10両編成が基本(地下鉄副都心線直通電車の一部に8両編成がある)、小川町-寄居がローカル線の風情があり、ワンマンの4両編成による運転です。とはいえ、日中時間帯でも毎時2本の乗車チャンスが確保され、最低限の利便性はあります。

東武8000系(小川町)

写真27. 小川町に停車中の寄居行き

小川町-寄居は8000系に統一されています。ワンマン運転に対応した車両です。東武鉄道のローカル線といえば、この車両ですね。その8000系が同じホームの向かい側に停車していました(写真27)。

写真28. 小川町を発車!

小川町を発車しました(写真28)。左に見えるのは引上線、右に見えるのは八高線で、東上線そのものは単線です。

写真29. 八高線と並走する

少しだけ八高線と並走します(写真29)。八高線は日中時間帯に2時間以上間隔が開くこともありますが、東武側は毎時2本確保されています。同じ単線であっても、利便性は格段に違います。

写真30. 緑の中を走る

緑の中を走ります(写真30)。山がちなのでトンネルもありそうですが、東武鉄道にはトンネルは2か所しかなく、その1か所は地下鉄との接続区間の押上-曳舟です。東上線には1か所もありません。

写真31. 緑が深くなってきた

緑が深くなってきました(写真31)。このあたりにみなみ寄居がありますが、工場が立地していなければ、駅があることが不思議に感じるくらいです。

写真32. 男衾に停車!

小川町-寄居は意外と駅が多く、平均駅間距離は1.8kmです。ここで上り列車とすれ違います。男衾は「おぶすま」と読みます。

写真33. 鉢形に停車!

鉢形に停車します(写真33)。休日の朝は意外と本数が多く、毎時4本程度が確保されています。

写真34. 上り列車がやってきた

その多くの上り列車とすれ違うために、鉢形では少々停車していました。そうして、上り列車がやってきました(写真34)。

写真35. 荒川を渡る

荒川を渡ります(写真35)。このあたりの荒川は赤羽付近のそれとは異なり、川幅はそこまで広くありません。

写真36. 荒川の表情

荒川の表情です(写真36)。ここは東上線でも景色が良いポイントのように思います。可能であれば、この区間はクロスシートのほうが旅情は出ますね!

写真37. 寄居に近づいてきた

寄居に近づいてきました(写真37)。右に八高線がありますが、東上線と八高線で向きが異なります。小川町方面から寄居駅に接近する際に、東上線は東側から、八高線は西側から接近しているのです(図1)。そのため、乗りかえの際に方向感覚が失われますので、注意が必要です。

図1. 寄居あたりの地図(googleマップより引用)

写真38. 寄居に停車中の様子

東京よりも心持ち涼しい印象がありました。自宅からそれなりに電車に乗りましたが、まだ8時前で涼しい時間帯だからかもしれません。

写真39. 8000系の顔を拝む

8000系の顔を拝みましょう(写真39)。8000系の標準塗装ではありませんが、以前はこの塗装でした。大手民鉄がこのような「下塗り」感のある塗装だったのです。今となってはこのような塗装はかえって新鮮に感じます。

東上線を全線走破してみて

東上線は日常的に使っている路線ですが、末端区間に乗る機会が少なく、ここであえて乗ってみました。群馬県に行くのに高崎線を使うのが常識ですが、たまには異なるルートを活用することも面白いでしょう。私が見た限り、池袋から寄居まで乗り通していた人は少なく見え(小川町で乗りかえた際に先客が多かった)、全線通しの運転系統がないこともある程度妥当なのかもしれません。

東上線の末端区間は、地元の人の割合も多いように見え、それなりに役割を果たしているのは事実でしょう。

前後を読みたい!

さて、前後ではどこに行ったのでしょうか?

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八高線の乗車記(車窓も収録、寄居→高崎、21年)(次)→

※それぞれ別ウィンドウで開きます。

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