2021年 ローレル賞、E261系「サフィール踊り子」とN700S新幹線

鉄道友の会は2021年5月26日(水)、毎年1回、前年度に日本国内で営業運転を開始した鉄道車両に対する表彰「ブルーリボン賞」と「ローレル賞」の2021年度表彰車両を決定しました。このうち「ローレル賞」は、JR東日本E261系電車「サフィール踊り子」とN700S新幹線電車が受賞しました。

 

JR東日本E261系電車「サフィール踊り子」は、伊豆エリアに向けた新たな観光特急列車サフィール踊り子」用の車両として導入された。

トータルデザインは奥山清行が率いる「KEN OKUYAMA DESIGN」が担当した。外観のデザインコンセプトは「伊豆の圧倒的で雄大な自然」で、外装色の紺碧色は「伊豆の海と空」、白色は「伊豆の砂浜が太陽の光を受けて金色に輝く様子」、グレーは「溶岩地形である城ヶ崎海岸の黒々とした岩石」を表している。全車グリーン車で、その内1号車にはJR東日本初のプレミアムグリーン車、2・3号車にはグリーン個室、4号車にはカフェテリア(ヌードルバー)を連結している。

「サフィール踊り子」は、東京・新宿~伊豆急下田間の伊豆方面へ向かう観光列車として2020年3月14日(土)にデビューしました。「大人のIZU 本物のIZU」をコンセプトに、プレミアムグリーン車、グリーン個室、グリーン車、カフェテリアで編成された、全席グリーン車仕様の列車です。車内には天窓が設けられ、開放的でゆったりとした空間が特徴です。

「サフィール」の名は、宝石のサファイヤのような青く輝く美しい伊豆の海と空をイメージ、上質・高級で優雅な旅を楽めるよう、「サファイヤ」を意味するフランス語から名付けられました。

JR東日本・E261系の運転台

↑東京駅〜伊豆急下田駅を1往復する特急サフィール踊り子。他に土・日祝日+特定日運行の臨時便が1往復走る

 

 

JR東海N700S新幹線電車は、2020年7月1日に営業運転を開始しました。

N700系から約13年ぶりのフルモデルチェンジとなるN700Sは、「Supreme」(スプリーム)をコンセプトとし、安全性、安定性、快適性、環境性能などすべての面で最高の車両であるとの意味が込められています。

JR東海の所有する東海道新幹線向けの営業用新幹線車両としては0系100系300系700系N700Aに続く第六世代となる車両で、2016年6月24日量産先行車の制作が発表された。 JR東海とJR西日本の共同開発だったN700系と異なり、300系以来となるJR東海単独での開発車両である。従来の16両編成だけではなく、基本設計をそのまま用いて12両や8両など、海外輸出を意識した様々な編成を構成させることを可能とする「標準車両」を目指して制作される。N700Sの「S」は、英語で「最高の」などを意味する "Supreme(スプリーム)" の頭文字から採ったもの。

高速鉄道では世界初となる大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載、停電時でも、最低限の自力走行が可能です。

また、グリーン車はフルアクティブサスペンションを搭載、普通車でも全席にコンセント、多目的フックの設置や座席リクライニングの改良など、今までにない上質な乗り心地と、さらに快適な空間を実現した“最高の新幹線”となっています。

N700S新幹線電車

 

鉄道友の会は、受賞の選定理由として、「サフィール踊り子」は最新技術を取り入れ、付加価値の高い移動空間と輸送ネットワークを提供する極めて完成度が高い車両として評価しました。

N700S新幹線については、技術、サービスの向上で日々多くの乗客を快適、安定的に輸送する車両としてローレル賞に選定しました。

 

 

 

2021年ブルーリボン賞は近鉄特急「ひのとり」に 「しまかぜ」以来7年ぶり9回目

近鉄80000系電車「ひのとり」が2021年「ブルーリボン賞」を受賞した。

2020年3月14日から営業運転を開始した「ひのとり」は、「くつろぎのアップグレード」をコンセプトに、都市間輸送の新たなスタンダードとして開発された車両。

日本で初めて全席にバックシェルを採用。プレミアム車両では電動式フルアクティブサスペンションを設置し、全席本革の3列シートで座席間隔を日本最大級の130cmとするなど、車内の快適性を追求した。

2021年5月現在、大阪難波~近鉄名古屋間では平日に15往復、土休日に19往復運転している。

「ブルーリボン賞」は日本の鉄道車両の進歩発展に寄与することを目的として1958年に制定された賞で、「鉄道友の会」が前年に日本国内で営業運転を開始した新造および改造車両から、「最優秀」と認めた車両を選定している。

「名阪特急列車は広くゆったりした快適性を実現し、高品質で高機能な移動空間を提供してきた。『くつろぎのアップグレード』をコンセプトとする80000系は、これらをさらに追求している。ビジネス、観光、お出かけなどの多様な利用用途に対応し、車内からの眺望を楽しむことができる一方、悠久の歴史を育む沿線の伝統的景観とも調和しており、完成度が極めて高く魅力あふれる車両である。」(鉄道友の会)

 

 

by   GIG@NET

 

イベントバナーイベントバナー