※近鉄12200系は2021年11月20日に引退しています
近鉄12200系は、1970年に開催された、大阪万博での万博輸送増強のため12000系の改良増備車として1969年に登場し、1976年までに168両,56編成という大所帯が製造され、2020年3月にひのとりがデビューするまで長い間近鉄特急の主力として活躍していました。恐らく近鉄特急=スナックカーと思い浮かべる人は少なくないんじゃないでしょうか？
デッキ
デッキは1990年代に21000系に準じた内容に更新されているので登場年次をあまり感じさせません。寧ろ非常に設計の良い21000系がベースとなっているので、現代の下手な車両と比べたらこちらの方が良いかもしれません。
洗面台
また、12200系の車内の大きな特徴として、洗面台がドアのすぐ近くに設置されています。これは乗降に支障をきたしそうですね。
照明
照明は、天井中央の間接照明+荷棚下の直接照明の半間接照明となっています。高級感と明るさが両立され、正直、1970年代に登場した特急電車とは思えないです(笑)
車内1(※2021年7月時は現存せず)
車内2
車内は近鉄21000系に準じた内装に更新されているので、コンセントの有無や窓枠等の一部の設備を除けば全く年代を感じさせず、現代の車両と見比べても全く遜色の無い洗練された内装だと思います。(車内1と2は座席が違うのみですので、詳細は座席の方で)
座席1
リクライニング時
スナックカーは更新時期の違いによって座席1の簡易リクライニングタイプと座席2のバケットタイプの2つの座席が存在していました。座席1の方は2021年7月現在、廃止されている事と、12400系列と16000系列で現存しているので、当記事では後述の座席2のみを取り上げます。
座席2
リクライニング時
座席2は2006～2008年にB更新が行われた編成に存在し、22000系(更新前)の座面と21020系に準じた背もたれを合わせたフリーストップ式のバケットシートとなっています。一見、両社を足し合わせただけのキメラシートに思えるかもしれませんが、意外な事に前述の2系列の座席と比べて快適です。全体的にかなり柔らかめで前述の2者の座席の欠点が上手い具合にかき消されています。ただ、座席中央にひじ掛けが無いのと、柔らかめな座席ですので、ホールド性があまり無いように感じ、個人的にはあまり快適な座席では無いように感じました。(余談ですが私は座席1の方が好きです)
乗り心地ですがこれはかなり良かったです。100km/h以上の高速走行でもしっかり安定して走行していました。また、シュリーレン式台車のおかげか、現在主流のボルスタレス台車には無い独特の安定感があります。ただ、多種多様な連結をする近鉄特急独自の欠点と言いますか、連結した相手によっては、モータ出力等のパワーや制御装置やMT比等のトラクション性能の違いからか、かなり揺れる事がありました。(運転士の技量にもよるかも？)
静寂性ですが、床が厚いのか、デッキ等の遮音が良いのか分かりませんが、抵抗制御の車両にしては最高速時でも非常に静かに感じました。ただ、ほぼ同様の設計であるサニーカーのモータ音はかなり煩く感じたので、もしかしたら、吸音材等の量や質かモータ等がサニーカーとは違うのかもしれません。(個人的に前者の可能性が高そう？)
走りについてですが、定格180kwの1M1T組成であるため、低速から高速域まで近鉄特急らしくトルクフルに加速していきます。モータ出力も含め、正直抵抗制御の車両とは全く思えない見事な走りっぷりで、下手なVVVF車よりはるかに加速,高速性能が高いです。
2021年2月に営業運転を終了した近鉄12200系ですが、このブログで何度も記載した通り、現代でも充分通用するくらいの見事なつくりとなっており、車両の登場年次を考えるとある意味オーパーツとも言える完成度だと思います。
ただ、残念な事に営業運転では2021年2月に引退し、イベント列車も11月20日の運転で完全なラストランとなりました。ラストランの撮影記はコチラに ↓
スナックカーはうp主が小さい頃からお世話になってきた車両ですので、非常に寂しいですね...
ただ、定期列車ではありませんが、12200系は、主に臨時用で使用される15200系あおぞらⅡ号として転用されているので、もしスナックカーに乗りたいと思っている方は、あおぞらⅡ号に乗車される事をオススメします。