都営地下鉄ネタをもう一発。

まずは冒頭の2点の写真をとくとご覧あれ。

2点とも、都営地下鉄三田駅の出口と地上の案内地図なのですが、2枚目の紺色の線、これ都営三田線を表しているのですが、このカーブ加減が凄いと思いませんか?

 

何しろ、第一京浜国道(国道15号線、R15)を舐めるようにかするだけで、真下にはいかないんですから。勿論R15の真下には都営浅草線が走っているんですけど。

 

で、なぜこのような形態になっているかというと、三田線の建設の経緯と関係しています。

当初三田線は、浅草線と同じ規格(標準軌)で建設される予定でした。それによって車両と西馬込の車庫を共用できるメリットがありました。

しかしその後、東急と東武が乗り入れを表明し、当時の行政当局の指導もあり、都交通局は三田線を標準軌から狭軌に変更、西馬込の車庫の共用も諦めます。

それなら何も、三田線の三田駅をこんな離れた場所に置かずともよいはず。にもかかわらずこのような形になったのは、東急との相互直通運転のために、そのまま五反田方面へ伸ばして泉岳寺へ、さらに泉岳寺から先は東急が建設する「東急泉岳寺線」と接続させる計画だったからです。つまり三田から泉岳寺までの間、三田線は浅草線と並行する計画だったから。

その後、東急との相互直通運転の計画は反故にされ、さらに東武にも袖にされてしまい、三田線は「どことも相互直通運転をしていないのに架線式」という奇妙な状態が続きます。

 

しかし、天は三田線を見捨てなかった。

路線計画の変更により、三田-白金高輪間をつなぎ、白金高輪-目黒間は7号線(史実のメトロ南北線)と共用する形で、目黒から東急線へ乗り入れることになりました。一度は反故にされた東急との相互直通運転の計画が、ここで復活することになります。ただし、当初計画は池上線から田園都市線方面への直通でしたが、再度の計画は目蒲線から武蔵小杉、さらに港北ニュータウン方面への直通ですから、当初計画とは全く違ってしまいましたが。もっとも、港北ニュータウンへの直通は、横浜市営地下鉄グリーンラインの開業で実現し、三田線の列車の直通はかなわないままでした。

 

さて、話を戻すと、三田から白金高輪につながなければなりませんから、一度R15に近づいたにもかかわらず、またカーブを描いて高輪方面へ逃げるという線形になりました。前述した「R15を舐めるようにかする」というのはそういう意味です。

 

R15を舐めるようにかする三田線の線形を見ていると、相互直通運転の計画などに色々と振り回された過去が見えてくるかのようです。

 

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