2021年7月15日。北アルプスは霞沢岳に向け出発。

百名山を終え、単身赴任も終え、さらにはお金もないので普段は近所の低山歩きばかりしているけど、年に一度は華々しい山行がしたい。

そして今年登ることに決めたのが霞沢岳である。

 

朝起きるとまさかの雨。しかもかなりの大降りである。「え~!雨予報でしたっけ???」と思い返すと松本の天気予報ばかり見ていて関西の天気予報を全く見ていなかった。「嫌だなぁ」と思いながらザックにカバーをかけ、傘をさして川西池田の駅へと向かう。そして「ありゃ~しくじった!」

ブユの襲来に備えて購入していた蚊取り線香を忘れたのである。幸い時間に余裕があったので家に一度帰宅。香取線香をザックに入れて再び駅へと向かう。駅まで半分以上歩いたところで「うわぁ~下手こいた~!!!」

アホなことにマスクをしてくるのを忘れたのである。このご時世、マスクなしで外に出歩くのはパンツいっちょ・・・いや、もはやフルちんで歩いているのに等しい。取りに帰ろうと思うももう引き返している時間はない。う~む、今はコンビニでもマスクは売ってたよな???口元フルちん状態で川西池田のセブンイレブンへ駆け込む。「ごめんさいねぇ。すみませんよぅ。」と口を手で覆いながら急いでマスクを購入。合わせて朝飯も購入した。

 

今回も去年の北穂同様大阪発の特急ひだで高山に向かう。上高地への到着は14時半だ。

夜行バスだと朝一から行動できるのでそちらの方が時間を有効に活用できる。しかし仕事が確実の終わるかどうかわからんし、途中で人に任すにしても非常に気持ちが悪い。百名山をやってた頃ならそれもやむなしだったが、もうぎゅうぎゅう詰めの山行をする必要はない。4日間で霞沢岳だけを登る。全く焦る必要はない。

本気でやれば2日で片付けられる行程である。しかし今回はテントを担いでのんびり行くことにした。そして何より僕は鉄ちゃんである。大阪から高山まで乗り換えなしで行ける特急の旅は非日常で非常に魅力的である。当初、計画段階では上高地に14時半についてそのまま頑張って徳本峠まで登ってやろうかと考えた。しかし登山道の状況があまりよろしくないこと、クマがウロウロしていることを鑑み「無理することないじゃん」と判断し初日は小梨平でキャンプをすることにした。上高地についてそのままキャンプ。贅沢な時間の使い方である。 

ホームに降りると7時18分発の快速の木津行きが停まっていたんだが中を見るとかなり混んでいる。まぁ平日の通勤時間なので当たり前なんだが木津行きだと尼崎で乗り換えなければならない。というわけで7時21分発の大阪行きの快速に乗ることにした。木津行きほどではなかったが当たり前だがそれなりに混んでいる。そこへ60Lのでかいザックを持ち込むわけで「へいへい、ごめんなさいよぅ」と心の中で謝りながらドア付近へ陣取る。これ、関西・・・特に宝塚線だから出来ることかな。東京の山手線だとか京浜東北線だとかなり厳しいと思う。

さて高山へと向かう特急ひだは大阪発が7時58分である。そして今僕が乗っている快速電車は大阪に7時41分に到着する。エリア的にICOCAが使えないので大阪で一度改札を出て入場記録を消し、今度は切符で改札を通るのである。

列車は伊丹に向け走る。その時スマホがブルブル震えた。  続く

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