toremorの旅手帳

鉄道と旅行と温泉と。大学生の放浪の様子をご覧ください。

【表定速度80km/h超】えちごトキめき鉄道で急行型車両の圧巻の走りを体験する!

土休日に運行されるえちごトキめき鉄道の「観光急行」

f:id:toremor:20210718173121j:plain

観光急行に使用される413系・455系。

えちごトキめき鉄道では、土休日に急行列車が運転されています。

使用している車両は413系・415系で、元を辿れば国鉄時代の急行型車両に起源を持つ貴重な車両です。

 

今回えちごトキめき鉄道を走る「急行型車両で走る急行列車」に乗車します。

想像を超える高速走行が楽しめます!

 

 

旧北陸本線に急行列車が帰ってきた!

f:id:toremor:20210718173213j:plain

「急行」と書かれた電光掲示板。

えちごトキめき鉄道の観光急行は、日本海ひすいラインの直江津ー市振間1往復(急行1号・2号)、直江津ー糸魚川間1往復(急行3号・4号)で運行されます。

日本海ひすいラインは旧北陸本線の市振ー糸魚川ー直江津間が第三セクター化された路線で、かつては多くの特急・急行列車が走行していました。

 

第三セクター化された後に普通列車中心のダイヤが組まれ、優等列車のほとんどが姿を消してしまいました。

今回の急行列車の復活で、土休日のみではあるものの久々に優等列車が走ることになります。

 

ダイヤは以下の通りです。

  • 急行1号…直江津11:26→糸魚川12:20-34→市振12:52
  • 急行2号…直江津14:31←糸魚川13:28-42←市振13:10
  • 急行3号…直江津15:03→糸魚川15:51
  • 急行4号…直江津17:08←糸魚川16:40

 

特筆すべきは急行4号のダイヤ。

直江津ー糸魚川間38.8kmを28分、表定速度82.5km/hというかなりの高速運転です。

今回登場した「急行列車」がちゃんと急行らしい運転をしているということが分かります。

 

その他のダイヤも途中駅で長時間の運転停車をするので、実際に走行している速度は意外と早いです。

 

また、すべての急行列車で車内販売が行われ、一部の列車では直江津駅で駅弁の立ち売りがあります。

f:id:toremor:20210718173927j:plain

ホリデーツアーパスと乗車記念証。

急行料金は大人500円で、休日のみに利用できるトキ鉄ホリデーツアーパスを購入すると追加料金なしで乗車できます。

車内では急行券を補充券で発売してくれます。

f:id:toremor:20210718173907j:plain

車内で購入できる急行券。

これは特別な対応ではなくむしろ好意的に発券してもらえ、追加で記念に購入することもできます。

(筆者もホリデーツアーパスを買っていましたが、追加で記念に急行券を購入しました)

至るところに残る急行型の面影

413系・455系にはいたるところに急行型車両の面影があります。

413系のボックスシート、窓側の腕かけが無くなっていますが相当古いタイプの急行型のシートではないでしょうか。

f:id:toremor:20210718172607j:plain

f:id:toremor:20210718172612j:plain

413系のボックスシート。取っ手に注目!

この取っ手のタイプは多分(?)これが最後だと思います。

一方455系はかなり色濃く急行型の面影が…

f:id:toremor:20210718172824j:plain

f:id:toremor:20210718172847j:plain

455系の車内。

こちらは一部がロングシート化、デッキが撤去されたほかは急行型のままに近い状態で保たれていると考えられます。

f:id:toremor:20210718172955j:plain

455系のボックスシート。

座り心地はこちらの方がずっしりとした感じで、乗車していると快適で眠りに落ちそうです。

こちらの座席は窓側の腕かけが残っていますね~

 

トイレも洗面台も現存していて、痰吐付洗面器もちゃんと残っています…

これはもう文化財ですねぇ~

f:id:toremor:20210718172734j:plain

今や貴重、痰吐付洗面器。

どの車両でも急行らしさを感じますが、455系の方が乗車率が高かったです。

モーターがあるのは413系の方ですので、楽しみ方に応じて車両を変えるといいかもしれません。

急行1~3号は写真撮影や観光を、4号は圧巻の走りを!

えちごトキめき鉄道の急行列車は、運行される急行そのものに愛称があるわけではなく、ダイヤ順に急行1~4号と付番されます。

 

比較的ゆったりとしたダイヤで運行される急行1~3号は、景色の良い箇所や筒石駅付近での徐行運転や、途中駅停車中に写真撮影ができる(改札外には出られません)ように設定されています。

運転停車の際もドアが開いて、撮影や見学ができる

f:id:toremor:20210718175256j:plain

f:id:toremor:20210718175231j:plain

名立駅に降りることができる。

筆者は2号・3号に乗車しましたが、2号は名立駅、3号は能生駅で停車がありました。

急行2号は名立駅では待避線に入りますが、3号は通過線を走ります。

f:id:toremor:20210718175334j:plain

名立駅に残る、北陸線時代の看板。

一方の能生駅はカーブがちょうどよくて、写真撮影に向いています。

いずれも停車中にサボを交換してくれたり、ファンのツボを押さえたサービスをしてくださいます……分かってくれています!

f:id:toremor:20210718173121j:plain

能生駅は撮影しやすい。

f:id:toremor:20210718175521j:plain

納入時に付けられたサボをつけてくださった。

デッドセクションで電気が消える…あの経験をもう一度!

旧北陸本線では途中、直流区間と交流区間で電化の方式が変わる場所があります。

この区間を通過する電車には特殊な「交直流両方に対応する車両」が必要で、急行列車で運行される413系・455系はそれに該当します。

 

えちごトキめき鉄道のえちご押上ひすい海岸ー梶屋敷間に直流と交流が変わる箇所があるのですが、この切り替えを行う際に、車内の電気が消えるのです。

f:id:toremor:20210718172717j:plain

f:id:toremor:20210718172721j:plain

デッドセクション通過時は車内の電灯が消える。

一方で現在この路線に導入されている普通の車両はディーゼルカーなのでこの体験は出来ません。

交直流車両って高価なので導入のハードルが高いんですよね~そのために架線があってもディーゼルで走っている路線は意外と多くあります。

急行1・2号は親不知を抜けて市振まで走行

急行1・2号は糸魚川を超えて、親不知海岸の脇を通りながら市振まで運行されます。

景色の良い区間なので、観光という意味ではこちらまで乗車された方が楽しめるかもしれません。

f:id:toremor:20210718175749j:plain

親不知付近を通過する急行列車。

市振駅周辺には道の駅があり昼食をとることができますが、急行1号の折り返しの急行2号は到着から約20分で出発するので、注意が必要です。

f:id:toremor:20210718173340j:plain

市振駅停車中。

急行4号で圧巻の走りを堪能

急行列車として一日の最後に運転される急行4号。

表定速度82.5kmという高速走行が楽しめるのはこの列車です。

 

糸魚川出発前には時間があり、ご厚意で幕回しをしていただきました。

乗客の数は時間の都合か意外と少なめでした。

f:id:toremor:20210718173031j:plain

幕回しもやっていただいた。

筆者は最も急行型車両の形をとどめている455系に乗車しましたが、この圧巻の走りはモーターのある413系に乗った方がより楽しめるかも……

糸魚川を出発するとすぐにトップスピードまで加速していきます。

 

グイグイと加速する割に乗り心地が良いのは、流石急行型車両というところでしょうか。

交直流を切り替え、トンネルを高速で走り続けていきます。

f:id:toremor:20210718180007j:plain

トンネルも高速で通過する。

モグラ駅の筒石駅も一瞬で通過し、名立駅も通過線を高速通過。

 

www.toremor.work

 

f:id:toremor:20210718180025j:plain

名立駅は通過線を走る。

途中駅を通過し続け、あっという間に直江津に着きます。

f:id:toremor:20210718180041j:plain

途中駅を高速通過。

これぞ急行列車、至高の走りを堪能できました。

皆様もご乗車の際は、ぜひ急行4号まで乗ってみてください!

 

貴重な車両を本来の走りで保存しているえちごトキめき鉄道、時代を乗り越え乗って残していきたいですね~

f:id:toremor:20210718180352j:plain

直江津のホテルα1の客室から撮影した413系・455系。

 

www.toremor.work