JR九州のDD200 | 鉄道きさらんど

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JR貨物のDD200はすでに貨物専業の京葉臨海鉄道、貨客兼業の水島臨海鉄道等に導入されたが先日JR九州がDD200を導入したことが報じられた。JR旅客会社、旅客専業会社での導入は初めてとなる。

JR旅客会社でJR貨物開発の機関車を導入した事例は電気機関車だとJR東日本が貨物と概ね同じスペックのEF510を導入し、JR九州がななつ星牽引専用として貨物会社の仕様とはかなり違うとはいえとはDF200を導入していた。DD200はJR九州としては2形式目の投入となる。

 

東日本のEF510が導入から短期間でJR貨物に譲渡されたのはは震災による運用計画の変更が引き金となったがもともと貨物に売るのが導入の前提だとも聞く。実際にJR東日本の機関車牽引列車の寝台列車や観光列車、工臨はEF510を保有していた短期間以外は国鉄型機関車で牽引され、機関車老朽化を見据え機関車牽引列車は削減していく前提だった。客車寝台列車は全廃され、観光列車も電車・気動車の割合が大きくなった。工臨・配給等は機関車(と貨車)を新型気動車や電車で置き換え、蒸気機関車以外の機関車は全廃の日が近づいている。

 

客車列車を全廃し工臨も気動車化したのはJR東海(牽引車もない)だが、それ以外のJR他社が機関車をどう置き換えるかが注目されていた。JR西日本は機関車同然の見た目と仕様・用途とはいえラッセル機関車の代替にキヤ143を導入したように、牽引やラッセル用にもJR旅客会社は機関車の新形式を置き換えないものと思われていた。

そこで工臨、配給の用途で機関車を持っているJR九州はどうするのか注目されていたが、まさかのDD200の導入。DE10の運用にななつ星の補機や筑肥線の電車の工場への配給があり工臨をキヤで置き換えるより牽引車で貨車を引っ張ったほうがいいという事なのだろう。そして牽引車もキヤ143のような機関車風気動車ではなくやはり機関車でないとけん引力が物足らないという事でもあろう。

 

結局機関車や貨車で担っていた運用を気動車に置き換えると貨車もリプレースし、運用をシステムチェンジする必要があるためそういう事を一挙にやれるのはJR東日本や東海くらいなのだろう。他は貨車まで置き換えるよりは手持ちの貨車を使えて、貨車が老朽化しても他社から中古を安価に買い置き換えることができる牽引用機関車のみの置き換えが経済的なのだろう。名鉄が工臨を電車や気動車にせず古典電関をEL120に置き換えたのも同様の理由と推測する。