新神戸駅前に賑わいは生まれるか。駅前広場の再整備で歩きやすい空間に

2024年度完成予定

神戸市が、JR新神戸駅の駅前広場を再整備する基本方針案をまとめました。駅前広場を人と公共交通優先の空間に改造します。

広告

新神戸駅前広場再整備

JR 新神戸駅は1972年に山陽新幹線の新大阪~岡山間の開通と同時に開業。当初は「ひかり」が毎時2本停車するだけでしたが、現在は山陽新幹線の全列車が停車。1985年には地下鉄も開通し、神戸の玄関口として、重要な交通結節点となっています。

ただ、布引の山裾、生田川上に駅が設けられたこともあり、駅前が賑わっているとはいえません。駅前広場は殺風景なうえ、徒歩でのアクセスがわかりにくく、バス乗り場が点在するなど機能的でない構造になっています。

そこで、神戸市では、新神戸駅の駅前広場を再整備し、人と公共交通優先の空間に改造することを決定。「新神戸駅前広場再整備の進め方(案)」をとりまとめました。

新神戸駅前再整備
画像:神戸市
広告

公共交通を2階に集約

公表された方針案によりますと、現在は1、2階に点在しているバス乗り場を、改札口のある2階に移設して集約。タクシー乗り場とあわせて、2階を公共交通機関の乗降場所とします。路線バスの停留所は、将来的な神戸空港方面へのBRT構想もあることから、連節バスに対応する長さに。このほか、シティーループ、高速バスも発着します。

新神戸駅前再整備
画像:神戸市

現在2階にある一般車の乗降場所は1階に移設。2階の駐車場も廃止し、1階のタクシープールの跡地に広い駐車場を設置します。要は、1階と2階で一般車と公共交通を分離したうえで、タクシープールを縮小してバス乗り場を充実させるわけです。

新神戸駅前再整備
画像:神戸市

2階には駅前広場を横断する歩行者デッキを新設。新幹線改札から駅前広場南側の生田川公園にかけて、一体となるような徒歩空間を整備します。

新神戸駅前再整備
画像:神戸市
広告

駅舎改修は未定

供用開始予定は2024年度。ひとことでいえば、イマドキの新幹線駅前の雰囲気になるようで、これまでよりは賑わいが生まれそう。とはいえ、新神戸駅は、駅自体の古さも否めないので、再整備をするなら駅構内の改修も期待したいところです。

実際のところ、今回の再整備には肝心の新神戸駅舎の改修は含まれていません。ただ、駅前広場の再整備は、将来的な駅舎改修を見据えて設計されるとのこと。となると、そう遠くない将来に、駅構内も含めた「新・新神戸駅」が誕生するのを期待したいところです。(鎌倉淳)

広告
前の記事鉄道混雑率ランキング2020年度版。新型コロナで通勤ラッシュはどう変わったか
次の記事「四国たびきっぷ」が8月販売終了。ワイド周遊券『最後の後継者』が姿消す