【青い顔】相模線向けE131系500番台が落成!G-01編成が新潟地区で試運転

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相模線電化以来使用されてきた205系の代替として製造が進められてきたE131系500番台。

トップナンバーとなるG-01編成が2021年7月12日に総合車両製作所(J-TREC)新津事業所を出場し、新潟エリアで試運転を実施しています。

電化後初!相模線の世代交代

相模線では、1991年の電化に合わせる形で新製車となる205系500番台を4両13編成投入しました。

205系は国鉄分割民営化以降もJR東日本で多く投入された車両ですが、同社では新造時点で唯一番台区分をされた車両となっています(このほかJR西日本の民営化後のマイナーチェンジ車として1000番台・改造車では多数の番台区分が存在)。

この205系500番台では、前面形状が大きく見直されており、非対称の前面デザインで従来車と印象が大きく異なる点が特徴的です。

山手線の205系をE231系500番台に置き換え・205系を転出させて各地の老朽化した国鉄形電車を淘汰した大転配も実施されていますが、相模線は運用数の大きな増減もなく転入・転出の動きは現在まで発生していません。

E235系の投入とそれによる転出で各地の旧型車両の代替が予想されるなか、労組資料では相模線についての記述がなく、どのような動きとなるのか注目されていました。

JR東日本管内の205系置き換えが進められていくなかで、相模線は再び新造車両の導入となりました。

落成したE131系500番台を見る

今回出場した車両は、国府津車両センター所属となるE131系500番台G-01編成4両です。

プレスリリースで示されていたように、従来の0番台と比較すると青色となった前面が目を惹きます。前面ドット柄も0番台やリリース済みの600番台と異なり、さざなみをイメージしたデザインとなり表情が変わりました。

リリース画像では前面だけを見ると暗い印象も受け、視認性への懸念の声が上がりそうでしたが、比較的明るい色合いで大きな問題とはならないという判断でしょうか。

側面帯についても従来の相模線カラーに比べて彩度が高く、同線の205系以上に仙石線の205系に近い印象を受けます。

スカート(排障器)の色は黒色となりました。E131系0番台でもイメージ画像でグレーだったところ、落成した車両は黒色とされていました。電気連結器がないことから0番台とは形状が異なり、E235系と同一品が採用されたものと見られます。

保安装置表記はATS-Pのみとされています。ATS-Snが省略されているのも0番台同様です。(新潟エリア試運転ではATS-Ps仮設)

このほか、全車両側面に安全確認カメラの設置が目立ちます。E531系の改造・E131系0番台の新造で取り付けられている設備で、既に労組資料で示されているように、将来的なワンマン運転の実施を前提とした車両であることが見て取れます。

1号車:クハE130-501

茅ヶ崎駅寄りの先頭車となります。従来のクハE130-0と同様の設計と見られます。

編成向きが従来の相模線と車両が逆向きとなる格好ですが、国府津車両センターの他形式・横浜線E233に合わせた変化と考えられます。相模線の205系は投入時に豊田電車区(現在の豊田車両センター)に配置されており、同所の201系などと同じ編成向きで投入されていました。

新形式投入にあたって編成向きを逆順に変更する例はかなり少なく、最近では相鉄の編成向きで投入された11000系・JR側の向きに変更された12000系の事例が有名どころでしょうか。

2号車:モハE130-501

基本的な機器構成はクモハE131に寄せられている印象です。E129系やかつての105系などと同様に、2両編成2本をつなげたものと基本設計を同一とするのは最も合理的です。

形式がモハE131ではなくモハE130とされているところが意外に思えます。

E131系ではこの他にも日光・宇都宮線向けの600番台が製造されていますが、こちらの中間電動車で0.5M0.5T設計(電動台車が片側のみ)のモハE131が挿入されることとなります。

ユニット構成形式の単独動力車や6扉車(209系・E231系)など、どちらかと言えばマイナーな区分・一般的な設計に変更があるような車両が枝番や末尾-1とされることが一般的です。

将来的なE131系の展開として(確実視されている鶴見線など)3両編成の方が多くなることを見越していて、中間車の基本となるのは0.5M設計の中間電動車……といった背景ゆえでしょうか。

なお、従来の2号車はモハ205-500が連結されています。

3号車:サハE131-501

こちらもE131系としては初登場の中間付随車です。基本的な機器構成は0番台・500番台で連結されているクハE131に寄せられている印象です。ただし、4両で1個で足りる機器が一部無くなっていることで、比較的スッキリした印象です。

従来の205系ではモハ204-500が組成されている3号車では、引き続き弱冷房車とされています。

4号車:クモハE131-501

先頭電動車が八王子駅側となります。基本的な構成は0番台と同様に見られます。

E233系以降は機器二重化の一貫で片方の電動車に予備パンタグラフを設ける構成ですが、E131系500番台では0番台同様に全ての電動車が1基搭載とされています。今後登場するE131系600番台やE129系も霜取り用での追加搭載に留まっており、輸送密度に応じた投資であることが伺えます。

デビューまでのシナリオとその後

通例であれば営業日(平日)なか3日を挟んで首都圏方面へ輸送が実施されるパターンが多く、16日ごろ国府津車両センターへ輸送されるものと思われます。その後は他路線向け同様に試運転・乗務員訓練などが予想できます。

公式発表で2021年秋のデビュー・一部報道で冬までの代替とされており、集中的に投入が進むものと考えられます。

気になる点は従来のJR東日本と比べると短い落成からデビューまでの期間ですが、完全な新形式ではないためか、0番台や近年の他路線形式に比べると短めな印象です。

特に相模線は1921年9月28日の開業からまもなく100周年となり、ここにデビューを重ねられると盛り上がりそうです。これまで相模線100周年を記念した行事等が催されていないことを考えると、目玉に据えていることも想像できる一方で、落成から2ヶ月のデビューは難しそうにも思えます。

車庫や駅での展示イベント辺りが現実的でしょうか。

置き換え両数が少ないことから、205系の代替は急速に進行しそうです。編成数が1編成削減となることから、次回ダイヤ改正まで1編成の予備車残存が行われるのか否かが注目ポイントでしょうか。

8月には日光線・宇都宮線向け600番台も出場予定

今後の動きとしては、2021年度は日光線向けのE131系600番台が製造されています。

既に最初の落成となるであろうトップナンバー車両が工場内で目撃されており、検査表記から8月の落成となります。E131系600番台のプレスリリースにて8月19日に宇都宮で報道公開を行う旨が記述されているため、お盆明けまでのどこかのタイミングで出場試運転・小山車両センターへ輸送されることが確実な動向です。

このほか、6月末に発表された「移動等円滑化計画書」により本年度の車両新造数が示されており、本年度はE235系の投入はなく、E131系の導入に専念することが伺えます(過去記事)。

一方で、600番台の営業運転開始は2022年春とされており、こちらは車両数や運用の変動があることからダイヤ改正を以ての投入となりそうです。

そのため、最初の数編成を各種試験用に製造しつつ、秋〜冬は500番台中心・冬〜春は600番台中心の車両投入となりそうです。

デビュー前ならではの動きを楽しみにしつつ、現行車両の置き換えも急速に進行しますので、乗車・撮影などは早めに済ませておきたいですね。

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記事内掲載写真はMaxはと様(@tomoGVe400)より掲載許諾を頂いています。

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