梅雨明けの足音が近づきつつありますが、皆様は体調などいかがでしょうか?季節の変わり目なので、風邪など引かぬようご自愛下さい。
さて今回で第3弾となる今シリーズは、東京の地下鉄車両に焦点を当ててみたいと思います。
東京メトロ9路線(180駅)と都営地下鉄4路線(106駅)の計13路線(286駅)が都心を交錯する東京の地下鉄、そんな地下鉄を走る車両もバリエーション豊富です。
役目を終えた地下鉄車両は、地方私鉄が譲り受けるケースが増え、日比谷線03系の一部は熊本電気鉄道・長野電鉄・北陸鉄道で活躍しています。
都営地下鉄大江戸線は鉄輪式リニアモーターを使用するミニ地下鉄
地元路線に乗り入れる副都心線の車両が一番馴染み深いのですが・・・
相互直通運転のエリアも拡大し、都心から郊外へのアクセスを担う地下鉄車両、果たして私の独断と偏見で厳選した車両は・・・
では、どうぞご覧下さい。

【東京都交通局10-000形】
まず1本目は、都営地下鉄新宿線で活躍していた“東京都交通局10-000形”です。
元京王沿線民の私にとって、昔ながらのよく跳ねる座席がたまらない車両、ハイフンが入っていますが、10000形と呼ばれています。
そんな東京都交通局10-000形は、地図式車内案内表示装置を世界で初めて採用した車両で、1971年に全電動車構成・セミステンレス車体の試作車4両が登場、1997年まで28編成224両が製造されました。
1978年から都営新宿線(岩本町~東大島間)開業に合わせて量産車の投入が開始、運転最高速度は新宿線内が75km/h、京王線内が110km/hと高速運転にも対応。
登場年度によって仕様の変更を繰り返しているほか、更新改造を行った編成や、一部の中間車両は新製した10-300形タイプの先頭車(10-300R形)を連結していました。
1997年に導入された最終増備車両は、外観や内装が初期車と大きく異なります。車体側面の波板がコルゲート加工からビードプレス加工となりスタイリッシュな姿に。
10-300R形は先頭車のみ新製
右側が新製した先頭車、左側が10-000形中間車
後継車両の10-300形導入に伴い廃車が進められ、2018年2月11日の運転をもって全車両が引退・解体されました。
10-300形も製造年度によって仕様が異なります。
京王電鉄 若葉台車両基地・北館林荷役所で全車解体されました。(写真は若葉台にて)


【営団地下鉄01系】
01系は銀座線の老朽車置き換えとイメージアップを図るため、機能性・明るさ・シックさをコンセプトに設計、1983年から1997年まで、6両編成38本228両が製造されました。
当時としては珍しいドアチャイムや路線図式車内案内表示器が乗降ドア上に設置され、利用者から好評だったそうで私もその1人でした。
これが最大の選定理由です。
16m3ドアのアルミ車体で当初の車両は冷房非搭載で登場したため、後に冷房化工事が施工されましたが、新製時から冷房を搭載している編成とは異なり、暖房については搭載されませんでした。

後期に登場した編成は行き先表示機がLEDとなり、最終増備車は制御装置がチョッパ制御から省エネタイプのVVVFインバータ制御に変更となっています。
利用客から好評だった01系をベースに丸ノ内線02系が設計・製造されました(こちらは18m車)
2016年6月11日から熊本電鉄に譲渡された第36編成へ「くまモン」ラッピングが施され、東京メトロでも2017年1月1日から第30編成に「くまモン」ラッピングが施されました。
2012年からは後継車両1000系による置き換えが開始。2017年3月10日に全車が引退しました。
2017年3月12日に銀座線01系は引退、地下鉄博物館で銀座線01系第29編成の先頭車両の一部が保存展示されています。

【東京メトロ16000系】
東京メトロ16000系は、2010年から2017年にかけて37編成370両が製造された、東京地下鉄(東京メトロ)千代田線用の通勤形電車です。
2010年11月4日に営業運転を開始した16000系は、後述のPMSMを採用し省エネ性能を向上させた事などが評価され、2011年鉄道友の会「ローレル賞・」を受賞しました。
私も同じ理由でこの車両を選定したのです。
16000系は、1971年から千代田線で使用していた6000系(上写真)の代替車両として、2010年から2017年にかけて10両編成37本を製造、車両のデザインはフェラーリのカーデザインで知られる奥山清行が担当し「環境への配慮」を掲げて設計されました。
日本国内の新製車両としてはJR東日本E331系に続き、2例目となるPMSMを採用することで、従来の三相誘導電動機(モーター)よりもエネルギー効率を高くすることができ(従来の92%を96%まで向上)、さらには全密閉構造とすることで低騒音も実現させました。
試作的要素満載の連接車両「JR東日本E331系」は2006年に登場。故障が多く長期間車庫で休んでおり、ニートトレインと呼ばれていたが2014年に廃車となりました。
PMSMを採用することで、従来の三相誘導電動機を使用する10000系(上写真)と比較して消費電力を10%削減しています。
川崎重工 兵庫工場で出場を待つ第31編成、16000系は川崎重工業兵庫工場(上写真 / 1・2・5次車)と日立製作所笠戸事業所(3・4次車)で製造されました。
川崎重工から甲種輸送される第31編成
千代田線と、乗り入れ先のJR常磐緩行線、小田急小田原線で運用され、小田急江ノ島線には乗り入れません。
2018年のダイヤ改正で小田急多摩線への直通運転が廃止されました。
1次車となる第1~5編成の前面にある非常用貫通扉を中央に設置しましたが、運転士達から右側の前方視界が見づらいとの指摘があったことから、2次車となる第6編成以降では非常用貫通扉を350mm車掌台側にズラしたデザインとなりました。
第06編成以降は貫通扉の位置が変更されました。
第17編成からは、帯色が変更され白色が消え、黄緑色がより強調されています。

今回は以上です。
東京メトロと都営では、新車導入による置き換えを進行中で、今年は特に新車ラッシュといえる時期に入っています。置き換え車両の記録はお早めに。
東京メトロ有楽町線・副都心線7000系(上写真)は、2022年度までに10両編成(4M6T)6本と8両編成(3M5T)15本を導入する「17000系」によって置き換えられる予定です。廃車進行中で、10両編成1本・8両編成14本となりました。
2021年2月21日にデビューした東京メトロ17000系、西武池袋線内でも見かける機会が増えましたブルー音符
東京メトロ半蔵門線8000系(上写真)は、2025年までに10両編成19本導入する「18000系」によって置き換えられる予定です。
2021年8月に営業運転開始予定の東京メトロ18000系、通院ついでに甲種輸送を撮影しただけなので、ベールを脱いだ姿を見た事がありませんぐすん
都営地下鉄浅草線5300形は、今年度までに8両編成27本導入する「5500形」によって置き換えられる予定です。残り3本となりました!
2018年6月30日にデビューした都営地下鉄浅草線5500形
都営地下鉄三田線6300形初期車を置き換えるため、6500形8両編成13本導入する予定です。
注意自粛しているため6500形の写真はありませんイラッ
都営地下鉄三田線では、2022年度下期に相互乗り入れしている東急目黒線とつながる新路線「東急新横浜線」・「相鉄新横浜線」が開業する予定で、大きな変化の時期が近づいています。
東京の地下鉄が、さらに便利で快適な存在になる事でしょう。
水際対策がザルと言われる空港から来日した外国人が、隔離スルーでJRや私鉄を介して地下鉄を利用する昨今・・・くれぐれも感染症対策に気をつけてご利用下さい。
そしてバッハとコーツは被爆地「広島」・「長崎」に行かないで下さい!!
美辞麗句を並べて、日本人の怒りを倍増させたいのですか?
緊急事態宣言が発出される東京から不要不急の外出は辞めて下さい。
それとも五輪貴族は特別だからお構いなしですか?
オリンピックを正当化するパフォーマンスは不要です。

暴言を失礼いたしました。
地域によって今週は猛暑が続きますが熱中症に十分お気をつけ下さいトロピカルカクテル今週も皆様にとって素敵な1週間となりますように風鈴

今回も最後までご覧下さり、ありがとうございました。

鉄道コム