2021年7月2日~7月10日 舞浜アンフィシアター・星組公演
●RAY'S Special Show Time「VERDAD!!-真実の音-」 作・演出/藤井大介
“VERDAD”とはスペイン語で“真実”を表す言葉。魂のこもった“真実”の歌・踊り・演技を追求し続け、常に前へと進んでいく礼真琴の魅力を詰め込んだ“REY(王)”のスペシャルショー。
舞浜では2018年に花組「Delight Holiday」以来二度目の公演で、作品が発表になった時には、コロナの感染状況からして、関東でコンサート形式の公演なんて大丈夫なんか?とかなり不安でしたが、国の五輪やりたい政策に巻き込まれながらも、とりあえずは開催となりました。
しかし7月3日に豪雨により土石流が静岡県熱海市で発生。新幹線も運転見合わせや遅延が発生し、どうやって行こうかと悩みましたが、なんとか新幹線も平常運転されて安心しました。しかし車内からチラッと見えた土石流の災害現場は、酷い惨状でした。
7月6日11時公演、1階6列目で観劇。友会で取れた席は6列目ですが、Aブロックのほぼ真横からの席・・・。視線的には舞台袖から見てるみたいで、若干の置いてけぼり感はありますねぇ。
※ネタバレ注意。
●ACT1 Amour Verdadero-真実の愛-
第一部は星組歴代の主題歌メドレー。
◆プロローグ
まずはボレロのリズムで「愛!」を礼真琴がセリ上がりで黒いラメ燕尾で歌い、出演者全員でシックながらも熱いプロローグで始まります。そして「熱情」「ザ・スター」と真帆志ぶきの名曲が続きます。この時代からの曲からピックアップで、最近までとなると膨大な数の主題歌がありますが、プログラムを見ると今に近づくほど、そのトップ時代の曲数が減ってます。うーん、古い曲もたしかにいいけど、先日の寺田瀧雄コンサートでかなり聞いたので、今のファンからすると最近の曲の方がいい気がしますがね。若干食傷気味の選曲もあります。
◆星組メドレー①
鳳蘭時代の主題歌集。
ベタな「ハロー・タカラヅカ」を瀬央ゆりあが歌い、続けて「祈ろう愛を」。そして少しPOPな曲調で「愛の宝石」を礼、舞空瞳で。その後の礼の「マイ・ハイ・スイング」の「スキャット」はなかなかのものでしたよ。先日ツレちゃんでもこの歌を聞きましたが、歌詞が殆ど「ダバダ・・・」とかですが、音程も難しく音域とかなりの声量がいりますからね。 そして聞き飽きた「セ・シャルマン」「セ・マニフィーク」。瀬央が女役になって、礼と踊ります。その後のMCタイムでは礼・瀬央同期コンビが、「眠れない男・ナポレオン」新人公演舞台稽古の失敗談を、漫才のように笑わせてくれます。瀬央のしゃべりがホントおもしろい。
◆星組メドレー②
お次は瀬戸内美八時代の主題歌集。
前半は若手たちが「ファンシー・ゲーム」「愛のクレッシェンド」「魅惑のサンバ」を元気よく歌い、そして音咲いつきが「ストーミー・ラブ」を。音咲ってガテン系娘役になりましたよね。
そして最後は峰さを理の「ボンジュール宝塚」を礼が歌い、MCで峰の追悼を捧げます。
◆メモリアル
峰さを理追悼主題歌集で、ここから後方モニターに、その主題歌の公演映像が流れます。これがねぇ、映像を見てると舞台が疎かになるし、生徒を見てると映像も見たいし・・・と忙しい場面が続きます。
最初は礼も二番手全ツでやった「アルジェの男」の主題歌を。コレ峰さん、お披露目公演で東京のみで、その昔はツレちゃん時代の新公でやったんですね。その後は「コルドバの光と影」「愛の祈り」「花吹雪」「レビュー万歳」と続きます。柴田作品は最近でも再演されてますが、いかに80年代宝塚のオリジナル作品が素晴らしかったのかが分かります。
◆星組メドレー③
ここから日向薫、紫苑ゆう、麻路さき、稔幸、香寿たつき、湖月わたる、安蘭けい、柚希礼音、北翔海莉、紅ゆずる・・・そして今現在となりますが、各トップの曲数が1~2曲は少ない。ホント、この時代の主題歌の方が聞きたい。
ネッシーのお披露目「Too Hot!」を全員で歌い、シメさんお披露目「ワンナイト・ミラージュ」を瀬央。そしてこのあたりからは私も見始めた時代に突入し、「パパラギ」の挿入歌でやしきたかじん作曲の名曲「心はいつも」を舞空が澄んだ歌声を聞かせてくれますが、映像の白城あやかがキレイで気になって(笑)
阪神大震災の年に元気の出るマリコさんのショー「ジュビレーション!」、ノルさんの「美麗猫」と名曲「青い星の上で」。紅の初舞台公演「LUCKY STAR!」、草野作品で90周年だった「カリビアン・ナイト」・・・ホント全曲懐かしくて、全部歌えます(笑)
さらに礼も舞台に立ってからの作品となり、「夢舞台」「Étoile de TAKARAZUKA」「THE ENTERTAINER!」「Killer Rouge」なんて、ほんとついこの前って感じですがね。礼が客席に登場し、ゴンドラで通路を巡りますが、感染症対策で透明のアクリル板で囲まれてました。そしてコロナ禍時代となって「Ray-星の光線-」で一旦締めます。
最後はスータンの名曲「アマール・アマール」でもう一度締めて、昨年亡くなったスータンを追悼し、次のノバボサコーナーに繋げます。
◆「ノバ・ボサ・ノバ」メドレー
これが50年も前の作品で、この歌詞や曲調は時代を越えての名作だと、何度聞いても思います。ラストの「シナーマン」を礼の迫力ある声で堪能し、あの衣装でないのに名場面が蘇った気がしました。
◆愛
そして初っ端の「愛!」でラストを締めます。
いや~1部50分でしたが、あっという間でしたね。かなりのボリューム満点でした。真横からの視線もさほど悪くなく、大劇場や小劇場でも見えにくい後列の若手や、トップコンビの後姿や、セット後ろの階段からスタンバるところなども見えて、面白かったです。
●ACT2 Sueno Verdadero-真実の夢-
第二部はポップスやロック、ミュージカルナンバー。ポップス系はコンサートでよくやりますが、カラオケ大会になりがちな場合が多々あるのでねぇ。
◆Prologue
主題歌「VERDAD!!-真実の音-」で、まずは礼が踊って振りに合わせて、後ろの炎の映像が動くのですが、真横からだとそれがさっぱり分かりません。こういう点では真横席はダメですね。
第二主題歌「AVANZER!!-いざ進め-」で、第二部のプロローグを盛り上げますが、この言葉が私は劇場横のホテルの「アンバサダー」に聞こえて、「ホテルのCM曲?」と思ってしまいました(笑)
そしてMCコーナーでは礼と100期生の二條華と希沙薫が、礼にゼスチャーゲームで公演名と名台詞を当てさせるという企画を持って登場。これがね、めちゃくちゃ面白くて、「阿弖流為」「エル・アルコン-鷹-」「ロミジュリ」の三作品から出題。今の生徒って物怖じしないというか、ホント舞台度胸があるなと感心します。
◆Interlude
舞空を中心にNiziUの「Poppin' Shakin'」。うーん、なんか音程というかリズム感が違う気がするなぁ。
◆カラオケボックス
内輪受けのコントコーナー。こういうのホントいらないです。なんでこんな設定なのか、何が面白いのか私的には理解不能。劇場に行くときに舞浜駅から藤井大介と一緒になったんですが、帰りだったら文句言ったかも。コンサート系では毎回こういうの入れてくるけど、こんなん初日と千秋楽だけでいいです。
◆Trendy
全コーナーのキャラのまま瀬央が金爆の「ローラの傷だらけ」。これもキャラでなく普通に歌って欲しかったです。そして礼、瀬央ら男役でAdoの「ギラギラ」、三代目の「starting over」「R.Y.U.S.E.I.」。やっぱJ-POP系は礼が歌うとしっくりくるんですが、他の生徒はなんか違う。振付はカッコよかったです。
◆Mysterious
戦隊モノみたいな天寿光希と、ジュディオングみたいな音咲が、ちょっとぶっ飛んだ氷川きよしの「限界突破×サバイバー」を。藤井大介は氷川きよし好きやなぁ。
礼が登場して、娘役を侍らして音咲とMISHAの「砂の城」。かなりハードな振りでしたね。
◆Dreamy
夢の国メドレー。こういうのは宝塚らしくて好きですが、映像化で著作権が心配になります。
まずは舞空が「リトルマーメイド」の「Part of Your world」を白いドレスで歌います。実写版アリエルみたいで、かわいいです。
続いて「美女と野獣」から「Beauty and the Beast」をトップコンビが歌い、野獣ではない王子様の礼が凛々しくてね。同作「Be Our Guest」を楽しく歌い、昔やったキムシンの「バラの国の王子」もこんな楽しかったらなぁなんて余計なことを思い出してしまいました(笑)
最後は「アナ雪」の「Let It Go」で礼の美声に聞きほれ、リプライズで舞空も負けじと美声を。
◆Emotional
ミュージカルメドレーで、またコントのキャラで礼が出てきて超オンチで歌うも、雷に打たれて歌が上手くなるという展開。このためのネタフリコント???おもんないわぁ。普通に歌ったらええやん。
スカピンの「ひとかけらの勇気」を礼が歌い、コントキャラ総出で「炎の中へ」。その後はレミゼ、オペラ座、ウィキッドと続きますが、オペラ座の怪人の「The Phantom of the Opera」で礼とデュエットした、都優奈の歌声が素晴らしかったです。この名曲を相手役でない都にさせるのはなんか意味があるのか!?
◆Life
「RENT」より「Seasons of Love」を舞空、瀬央で。これこのご時世に泣ける曲で、なんだかすごくこれからの時代に希望を持たせてくれる感じで、ちょっとウルッと来ましたね。
そして礼がYOASOBI の「夜に駆ける」を階段上でスタンドマイクで熱唱。前の曲もそうでしたが、こんな時代でなければ・・・と何度も聞きながら思いました。
◆Finale
主題歌でのフィナーレ。
コントやJ-POP系に不満はあったものの、全体的にはすごくいいコンサートでした。メンバーも上級生が礼、瀬央、天寿、音咲ぐらいであとは若手ってのも良かったです。これ以上スター級が揃うと、それぞれに見せ場を作らないといけないし、そうなる主演のコンサートではなくなり、別箱星組ショーになってしまいますもんね。まぁ星は今回は三分割されてるので、自然とそうなった節もありますが。
会場もおしゃべりは多少あったものの、全ツの愛媛なんて比べ物にならないぐらい静かでしたよ。ただ終演が15分も押したので、後の予定が狂いそうで困って、舞浜駅まで走りましたがね(笑)