皆様こんばんは。ブログおよびホームページ管理人の神@北見です。

 

先月Tomixさんから発売されたキハ81系「つばさ」は、EF71との連結機構が目玉となっており、常磐無線アンテナについてはあまり話題になっていません。しかしこの「つばさ」時代のキハ81に常磐無線アンテナが付いていたかどうかは、私の中で非常に大きな疑問となっていました。

 

何度もおさらいですが、キハ81の登場からの運用の変遷を見てみると、

 

1960年に「はつかり」用として登場 尾久配置 常磐線経由

1966年より常磐無線アンテナ使用開始

1968年9月に、ダイヤ改正前に一足早く「はつかり」は583系電車化。「はつかり」用の車は多くが尾久配置のまま「つばさ」に転用される。

1969年10月改正で「つばさ」はキハ181系化され、キハ81は秋田に転じて特急「いなほ・ひたち」に使用される。「ひたち」では再び常磐無線アンテナを使用する。

1972年10月改正で「いなほ・ひたち」は電車化され、和歌山に転じて「くろしお」に使用される。常磐無線アンテナは本体が撤去され台座と配管が残る。

 

というのが大まかな流れです。つまり「はつかり」時代の1966年にアンテナを使用開始したものの1968年9月以降は「つばさ」運用となり一旦常磐線を通らなくなり、翌年1969年10月以降は「ひたち」の運用を受け持ったことから再びアンテナを使用し始めることになります。

 

この1年余りの「つばさ」転用により常磐無線アンテナが無くなったかどうかは確固たる証拠が無いのが現状です。しかしながら国鉄時代はこのような装備品はいつまで経っても付けっぱなしのイメージがあるので、この1年間だけわざわざ台座も含め綺麗さっぱり外したというのはあまり考えにくいというのが私の考えでした。

 

そこへ、来訪者様から「1978年の特急気動車特集の鉄道ファンに、アンテナが付いて無さそうな「いなほ」時代のキハ81の写真がある」という情報を頂き、早速これの検証をしてみることにしました。

 

しかし最近はミスが多いのでご勘弁願います…。

 

 

↑情報を頂いたその日に特急気動車特集の鉄道ファンをヤフオクで発見!! 早速購入しました。なんという便利な世の中でしょうか。

 

↑おー特急型気動車特集の鉄道ファンです。これは実は子供の頃持っていたのですが、数多の引っ越しで邪魔になり捨ててしまっていました。。。 懐かしいです。

 

しかし、この中を読んでみても、来訪者様から情報を頂いたキハ81「いなほ」なんて写っていません…。アレと思ったら…。

 

良く見ると特集は「特急気動車 PART2」とあり、実はこの1巻前がその巻のようですね。1月分間違えてしまいました…。

 

という訳で気を取り直してヤフオクで探し直しましたが今度はなかなか出てきません。やっとのことで見つけ出し購入しました。

 

↑気を取り直して買い直しです。

 

↑こちらが「特急気動車」特集の号です。表紙が「荒川線」の花電車なのでこの号であるとは思いもしませんでした…。

 

 

そして、情報頂いた写真を発見しました。

 

↑ヘッドマークは「いなほ」と読めますが確かに屋根上に常磐無線アンテナが載っているようには見えません。1970年2月の撮影との事です。

 

「つばさ」から「いなほ」に転用された際に間合いで「ひたち」に運用されている筈ですので、まずこの「いなほ」時代のキハ81に常磐無線アンテナが載っていないという事自体が私には理解できない現象でした。しかし、この写真が全てを物語っています。アンテナが付いていないか、もしくは583系用のような目立たないアンテナが付いていたという事も考えられます。

 

なお、ここに写っているキハ81は、正面窓上に手すりのようなものが見えるため、恐らくキハ81 6であると思われます。

 

なお、このキハ81 6については他誌も含めて写真が確認されました。

 

↑2003年8月号の鉄道ピクトリアルには「はつかり」時代のキハ81 6が写っており、これを見ると通常の常磐無線アンテナが載っています。またこの時代には正面窓上の手すりは無いようです。

 

↑1978年7月号の鉄道ファンには「くろしお」時代のキハ81 6が写っており、通常タイプの常磐無線アンテナの痕跡が残っています…。

 

もう訳が分かりません。「はつかり」時代に付いており、「くろしお」時代にも残骸が残っているのに、「いなほ・ひたち」時代に付いていないというのは不思議でなりません。

 

他車の例も見ると…

 

↑番号不明ですが「つばさ」時代のキハ81に常磐無線アンテナが載っています。

 

↑こちらは1965年の「はつかり」ですが、こちらもアンテナが載っています。

 

↑「ひたち」運用時です。これもアンテナが載っています。

 

Tomixさんは冒頭の「いなほ」の写真を見つけ、常磐無線アンテナ取付の真偽が分からなくなり、「つばさ」時代は常磐線経由しませんし「無し」で生産したのかもしれませんね。私もこの状況を見ると正直言って良く分かりません…。

 

ただ、「つばさ」時代のキハ81にアンテナが載っている写真は多く残っており、また一口に「つばさ」時代と言っても、「はつかり」から転用された直後と半年後では姿が異なっていた可能性もあります。なのでここは皆様の判断で取り付けをされると良いのかもしれませんね。

 

↑「つばさ」製品のままの、アンテナの無い屋根上。

 

 

↑常磐無線アンテナを取り付けた屋根上

 

どちらも真実であったのでしょうかね。そもそも私が生まれる前の事ですし、既に50年以上も前の話です。断片的な情報は入りますが、「○○年××月△△日 アンテナ取付」のような情報は今となっては探り出すのは非常に困難です。当時に思い入れのある姿を再現するのが良いのでしょう。また、もしこの辺りについて情報をお持ちの方がいらっしゃいましたらご教示いただけますと幸いです。

 

 

ということで、大昔の車両を時系列で追うのは非常に難しい事を感じました。今は「○○○系の××編成が□□工場に~のため入場」なんて情報が溢れる時代となりました。まさに隔世の感というところです。

 

 

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。それでは次回もお楽しみに!!