100円バス最後の日 | 風かおる 鉄の路

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主に私が乗車した乗り物関連(鉄道中心)、その他気になったことを綴っていきます。稀にお絵かき。

2021年6月30日…交通関係でさまざまなものが終わりを迎えるこの日、西鉄バスでもある制度が終了となりました。
それは…福岡都心や駅近区間で行われていた100円運賃制度。
翌日から150円に値上げされます。
これはもちろんCOVID-19の影響で収支が悪化したための苦肉の策。
福岡空港国際線~天神間のバスが消え、nimoca乗車ポイントが無くなり、そしてここまでも…
 
西鉄バスの代名詞とも言える「100円バス」の終焉。一つの時代の終わりを感じます。
せっかくなので最後に100円バスの歴史を振り返ってみます。
 
「100円バス」が始まったのは1999年7月1日。天神~博多駅間の運賃と主要13駅周辺の運賃を100円に値下げし、同時に「100円循環バス」を福岡都心で運行開始しました。

 

(見れない場合はこちら)

 

(見れない場合はこちら)

 

100円循環バスは博多駅を起点としてキャナルシティを通って天神に向かい、明治通りから大博通りを通って博多駅に戻ってくる路線で、内回りと外回りの2種類が存在していました。

当初は博多駅を出発して2周して終点となる便もありましたが、後に1周で終点となるものに統一。博多駅をまたいでの乗車はできなくなりました。

 

運行開始時には宣伝のため「天神からキャナルまで100円~♪ キャナルから博多駅まで100円~♪」という歌が制作され、福岡ローカルのテレビCMとして放映。

県民なら誰もが口ずさめるというレベルにまで浸透しました。

 

 

2011年には九州新幹線鹿児島ルート全線開業に合わせて快速便となる「天神ライナー」を運行開始。2015年に「100円ライナー」と名前を変え、土休日のみ運行を行っていました。

 

福岡の玄関口・博多駅、商業の中心・天神、大型商業施設のキャナルシティ、博多座など観光スポットを結ぶ形で運行されてきた100円循環バス。

初見ではわかりにくいとされる西鉄バス路線網の中でダントツのわかりやすさを誇り、福岡に遊びに来た観光客の方にも多く利用されてきました。

 

しかしながら、そんなドル箱路線の100円循環バスは突如廃止されることになります。

その理由は当時悪化していた運転士不足。

郊外と都心部とを結ぶ路線の減便を避けるため、他の系統で補完可能な100円循環バスが廃止されることになったのです。

2018年3月16日。この日を最後に「100円循環バス」「100円ライナー」は廃止され、博多駅→キャナルシティ→天神→キャナルシティ→博多駅を運行する「キャナルシティラインバス(CCLB)」に姿を変えました。

CCLBは従前の循環バスとは異なり、明治通りと大博通りを経由しない小回りルートとなり、運用数の減少に貢献しました。

その後、連節バス(都心循環BRT)の影響もあり、本数が年々減少。2020年には快速便が廃止となってしまいました。

 

 

さて、100円循環バスが姿を消したあとも100円運賃は継続されました。

 

天神から博多駅へ向かう便の側面には「博多駅まで100円」、
 
その逆の便の側面には「天神まで100円」と表示され、100円運賃をアピールしていました。
地下鉄(天神~博多間:200円)との兼ね合いもあり、このまま継続されるか…と思いましたが100円循環バスの廃止から3年、ついに「100円バス」は完全に姿を消すことになってしまいました。
 
一時期キャナルシティのユナイテッドシネマで上映前に流れていた「天神からキャナルまで100円~♪」の歌に親しんだ私としては寂しい限りです。
 
この運賃改定によって地下鉄への利用客の移行はどれだけあるのでしょうね?
 
それでは。
 
 
【おまけ】
こちらは2018年の博多祇園山笠追い山当日に運行された臨時2番博多駅行きの表示。
2番は普段天神~博多駅の運行はありませんので相当珍しい表示になります。
そんな臨時バスにも「博多駅まで100円」表示があったので驚きました。
おそらく「100円バス」の中では一番運行頻度が少ないものと思われます。
 
※2019年から山笠臨時バスは運賃が通常の2倍となったのでこの表示は見られなくなりました