大歩危駅発行 急行券 阿波池田→100kmまで | 菅沼天虎の紙屑談義

菅沼天虎の紙屑談義

交通機関を利用する為の切符・・・一般の方々にとっては使い終わってしまえばタダの紙屑で、最後は係員に渡して終わりになるモノです。
そんな紙屑に夢中になってしまった大馬鹿モノの戯言にお付き合い下されば幸いです。

昭和55年8月に土讃本線大歩危駅で発行されました、「阿波池田→100kmまで」の普通急行券です。

 

 

高松印刷調製の券で、乗車駅の「阿波池田」は印刷となります。

 

当時の大歩危駅には普通急行列車の停車がありましたが、土讃本線上りの定期運行の普通急行列車10本のうち、半数の5本は大歩危駅には停車しなかったため、この列車に普通列車から阿波池田で乗り継いで利用する場合や、阿波池田始発の徳島ゆき急行「よしの川」号に乗車する旅客のために設備されていた券と考えられます。

 

当時の時刻表を見ていて思ったのですが、大歩危から高知方面への土讃本線の最終列車は、18時24分の高知ゆき普通列車が最終列車で、後続の高知ゆき急行「土佐9号」、「土佐11号」とも大歩危駅は通過となるため、高知ゆき最終列車に乗り遅れた旅客が、19時47分の阿波池田ゆき普通列車から、阿波池田で「土佐11号」へ折り返し乗車すれば、その日のうちに大杉、土佐山田、後免、高知へ到着する事ができ、この普通急行券はそのような折り返し乗車でも発売が可能ではあるものの、些かレアケースでありますので、常備券を設備する理由としては考えにくいと思います。