▲名古屋駅で並ぶ「ひだ」&「南紀」

 

6月25日にJR東海の子会社であり、車両製造メーカーでもある日本車両製造(以下、日車)がHC85系の量産車64両を受注したことを発表しました

HC85系は、現在「ひだ」及び「南紀」に充当されているキハ85系の後継車両として開発が行われ、19年12月に量産先行車(4両×1本)が完成し、高山本線や紀勢本線で精力的に試運転が行われています

 

ディーゼルエンジンの動力を液体変速機を介して台車に伝達するキハ85系に対して、HC85系はディーゼル発電機とバッテリーからの電力でモーターを駆動させるシリーズハイブリッド方式を採用しています

これに伴い、気動車に特有の液体変速機や推進軸が不要になることから、メンテナンス性が向上するほか、変速ショックとも無縁になるため乗り心地も改善されます

 

JR東海ではHC85系の量産車を2022年度から製造することを発表していますが、このほど日車から発表された資料によると、23年3月期に58両を、24年3月期に6両を納入する予定であることが判明しました

しかし、すでにJR東海の駅窓口に備え付けられているきっぷ入れには、同車が2022年デビューする記載がなされているため、来年の秋頃には量産車の第一陣が搬入されるのではないでしょうか?

 

製造から納品、試運転に営業運転開始まで1年半かかるとして、HC85系の量産車の営業運転開始は22年の11月頃、そして23年春のダイヤ改正で一挙に置き換える青写真が朧気ながら見えてきます

 

ところで、HC85系の製造両数は量産先行を合わせても68両でしかありません

日車のプレスリリースに記載されている製造両数が4で割り切れないことから、量産先行車のようにグリーン車を1両組み込んだ基本編成と、2両モノクラスの付属編成が製造されるのは間違いなさそうです

 

キハ85系が80両在籍していることを考えると、HC85系の製造数は12両も少ないことから、大阪ひだの廃止や富山編成の減車(3両→2両)も考えられます

また、「南紀」についても、利用状況を踏まえるとこのままモノクラス編成が維持される可能性が濃厚です