【名鉄河和線90周年記念】2000系“ミュースカイ”+9500系の特別運行

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名古屋鉄道河和線が1931年の開業から4月1日で90年を迎えました。

これを記念して、通常は河和線の営業運転で使用されない2000系「ミュースカイ」と新型の9500系を連結した異形式8両で通常列車運用に就きました。6月26日のみのイベントとなっており、中京圏のファンを中心に大きく話題となりました。

河和線90周年とイベント

名鉄河和線は、常滑線から太田川駅で分かれ、河和まで知多半島の東側を南北に貫く路線です。

1931年に知多鉄道として太田川駅から成岩駅間が開業、翌1932年に全通。1943年に戦時統合で名古屋鉄道の路線となり現在に至ります。

河和線の日中時間帯は普通・急行のほか、名古屋駅方面から河和駅間・富貴(ふき)駅から知多新線に入って内海駅まで走る特急がそれぞれ1時間に1本ずつ運行されており、全車一般車の列車を除いて特別車2両+一般車4両の1200系や2200系で運用されています。

今回のイベントでは、名鉄名古屋〜河和間の定期特急列車2往復を“代走”する格好で特別編成での運行が実施されました。

河和駅寄りに2000系「ミュースカイ」4両・名鉄名古屋駅寄りに2019年末にデビューした新型9100系4両を連結した8両編成で運行されています。

名鉄2000系は、中部国際空港発着の全車特別車「ミュースカイ」専用車両です。太田川駅から常滑線をそのまま走り空港線中部国際空港駅まで運行されているものの、太田川駅から河和線方面に運行されることはありません。

また全車特別車の専用形式ゆえに一般車との連結も回送列車などに限られており、一般の乗車機会はありません。

「ミュースカイ」車両の河和線運行も、一般車併結での特急運用も異例となり、名鉄沿線内外のファンから脚光を浴びました。

このほか、これに関連して記念入場券などをセットにした「河和線開業90周年記念 特別編成運行記念セット」も発売されています。

特別編成を見る

今回の特別運行では、河和(豊橋)方の2000系は2005F・名古屋(岐阜)方の9500系は9105Fが使用されました両側ともに「特別編成運行」のサボが内側に掲げられています。

名鉄の「ミュースカイ」は種別名ですので、2000系が「特急 河和」の行き先表示を掲げて走行している姿は新鮮な印象です。

8両編成対応の富貴駅も“ドアカット”

名鉄では旧来より長い編成に対応出来ない駅が点在しており、特に朝夕を中心に運行される8両編成などで“ドアカット”が実施されています。名鉄では「一部締切」と呼ばれています。

河和線では終点河和駅の1つ手前の河和口駅のホームが6両編成までとなっているため、下り列車では後側の一般車2両・上り列車の特別車2両が「締切」です。

さらに、一般的な8両編成の列車が問題なく発着する富貴(ふき)駅についても、上り列車のみ後ろ1両が締切とされています。

経緯については明らかにされていないものの、4両が特別車で組成した場合に編成長が少しだけ異なる点が挙げられます。

名鉄の一般車は18〜19mですが、特別車は約19.5mと僅かに長さが異なります。

本来の8両編成であれば特別車2両+一般車6両となりますが、今回の特別車4両+一般車4両の組成では約1m長くなってしまいます。停止位置は前側に合わせるため、各駅とも最後尾車両が1m後ろに止まる格好です。

各社で多少の停止位置のズレの余裕を持たせることが一般的で、名鉄も多くの駅では同様です。

しかし、富貴駅では河和駅寄りに構内踏切があるため、ホームの長さにあまり余裕がありません。

1m程度であれば物理的にはホームに接しているかと思いますが、構内踏切の通過検知の課題などの安全上の都合から“ホームはあるけど締切”という珍しい対応が取られたものと推測できます。

また、下り列車は停止位置は前側に合わせることから支障がないためか、全車両開扉となっています。

イベントで同様の編成を組むことがない限りは見られない、1日限りの光景となりそうです。

各社がイベント列車運行で奮闘中

2020年度から日本中の鉄道事業者が大幅な減収減益となり、少しでも増収を行うべく各社さまざまなイベントを実施しています。

2020年以降は名鉄についても、1700系引退や1200系の中部国際空港駅発着充当、今回の河和線90周年と鉄道ファン層をターゲットにした様々な催しを行っています。

7000系などのパノラマカー引退関連を華々しく行ったものの、それ以降は2019年ごろまでは新型車両9500系のデビューや旧型車両5300系・5700系の引退などでも一切イベントをせず、従来の名鉄ファン向けのイベントを意図的に避けている会社という印象もありました。

ファンにとっては嬉しい変化であることは間違いないですが、従来からファン向けイベントに積極的だった事業者関連の方、それらの会社のファンの読者の方の中には何となく複雑な思いをしている方もいらっしゃるかもしれません。

我々ファンも引き続きトラブルが起きないよう一層の注意をしつつ、需要が回復した後もこれを機に様々なイベントが実施されることに期待したいところです。

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