JR九州787系「36ぷらす3」仕様車(1・2号車) | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

JR九州の電車特急の運用のほとんどに噛み付いていると言える787系、2020年から、「36ぷらす3」という5日間で九州を一周する、壮大な観光列車になった編成が登場しました。

 

運転面では、定期列車を待避しながらではあるものの最高時速130km/hで駆け抜ける、在来線で国内最速の観光列車となっています。

 

全車グリーン車という強気な観光列車で、各車でデザインが異なります。画像が多いため、今回は1、2号車をご紹介します。なおこの2両はいずれもセミコンパートメント(“グリーン個室“と書いてますが、「個室」と言いたくない自分がいます)の車両となっています。

 

まずは2号車から。この車両はバリアフリー対応車両ともなっております。

 

トイレです。配置や形状はそのままに、化粧板や表記を変更しています。…この時代において英語表記が無いのは、この車両を使うメインターゲットを(意図的で無いにせよ)日本人に絞っているからなんでしょうね。一応、ピクトグラムで把握は出来るのでしょうが…。

 

車内です。かつては普通車でしたが、仕切りを追加した上でセミコンパートメント化されています。

 

デッキとの仕切りです。見る人がいないので、LED表示機は無くなっております。通路に面している壁は殺風景になるためか、掛け軸のような飾りが付けられています。

 

反対側です。こちらにはミニ図書スペースが設置されています。

 

天井です。荷棚・照明は全て撤去され、ドーム天井となっております。4号車のマルチカーと異なり、特に装飾等はされていません。が、木で作ってる時点でそれなりにお金はかかっているでしょうね。

 

座席です。ボックス席で、両側で座席のモケットが異なります。どの列車も長時間乗車となるため、座席自体の居住性としては5、6号車と比べて劣ります。「グループでワイワイしてればそんなの気にならねぇでそ?」ですかそうですか。

 

片側3人掛け、真ん中の席は特に肘掛け等も無くちょっとかわいそうですね。また背ズリは直角でやや硬め、それを緩和させるためのクッションも2人分のみ…辛そうです。

 

で、向かい側の座席。こちらは着席区分なのか、モケットの色が3色になっています。

 

テーブルは折り畳み可能な固定式です。引き出すためのツマミは人数分あるんですね。

 

その他のお部屋のカラーパターンです。一番上の座席は4人掛けとなっております。

 

個室というだけあって、目隠しを下げることが出来ます。が、至るところが筒抜けでございます。E261系「サフィール踊り子」のように完全に仕切られている訳ではないので、これを「個室」と呼ぶのが非常に日本的ですね。

 

続いてバリアフリー対応の4D 5D区画です。

 

席は2人掛け席となっており、デフォルトでは窓側を向いています。

 

座席は回転可能、片側の肘掛けは短めとなっております。乗り移りを考慮したものですね。

 

窓は…やっぱり障子。これ、壁を向いてるのと一緒なんですよね、ある意味…(笑)

 

続いては1号車です。こちらは元々グリーン車だった区画ですね。

 

同じくグリーン個室の車両となっております。観光列車になってからも、4色のシンボルカラーはロゴにさりげなく残されています。

 

マルチスペースです。目隠しがされた状態で、通常は使用出来ません。使用の際は車掌さんに申し出ることになります。

 

トイレは男女共用のものがあります。手前には消火器や非常灯があります。

 

その向かい側は…謎の扉があります。

 

車内…に入ると、右側にはズラーっとロッカー。荷棚は全て撤去してるので、荷物はここに、ということですね。一部スタッフオンリーのものもあるようでございます。ちなみに、この車両は6号車と同様に土足禁止です。

 

さて、まずはロッカーの向かいにある個室です。ここのみ、しっかりと扉で仕切れるお部屋となっております。改造前もグリーン個室として運用されており、ここはそのまま残されております。それでも、デザインは大幅に変更されています。この編成の改装は二度目ですね。

 

天井部分です。照明は電球状の直接照明となり、少し明るい印象になりましたね。

 

個室は4人掛け、座席の配置はこの観光列車化前から変わっていません(笑)  が、1人掛け部分はリクライニングシートから可動式のチェアに変わっています。オットマンもありますね。

 

向かい側の固定座席です。3人掛けで、なぜかこちらはクッションが3つあります。いや、「なぜか」っちゅーよりこうあるべきなのですが…。その他、荷物置き場なのか補助椅子なのか、入口横に腰掛けもあります。

 

続いて、元グリーン客室だった区画です。

 

座席は全て撤去され、いくつかセミコンパートメントが設定されています。

 

天井です。ドーム天井は2号車よりも色調が濃くなっています。先程、特に装飾等無いと書きましたが、木目の向きは1枚ごとに違うようになっています。細かすぎて伝わらないこだわり、濃い色調になっていることでようやく伝わりました(^^;;

 

窓です。他の号車と変わりませんが、元のシートピッチの関係で窓は大きいはずです。相変わらず、障子に視界の半分を削られる格好になりますが…。

 

座席です。このように、完全個室では無く壁で仕切る形となっています。声はもちろん筒抜けです。

 

個座席は、従来からある個室に合わせたのか片側は可動するものが置かれています。これ、下は畳と同じような感じなので、動かすことでボロボロにならないか心配になってしまいます。

 

で、色違い。テーブルは固定式のものが付いております。

 

固定席は相変わらず、と言ったところでしょうか。肘掛けがモケット張りで、これは「或る列車」でも同じでしたね。

 

で、可動式座席。ご丁寧に片側の肘掛けが短い訳ですが、長い方も「長い」とは言い切れません。これ、手前の座席なんか、短い方なんかそもそも意味あんの?みたいな。気配りの押し売りするくらいなら、いっそ無くしてもいい様な気はしますが…。

 

そして別の区画。こちらは固定席が窓に被るため、ヘッドレスト部分が張り出しております。日除けの木工細工をヘディング特攻で破壊されたくないですもんねー。

 

最後に各部屋の切り返し部分。ガラスのデザインも、木工細工に合わせたものになっております。

 

さて、ここからは乗車編を少しだけ。今回、二日に分けて、日曜日に大分→博多へ運転される「青の路」、月曜日に博多→長崎へ運転される「金の路」に乗車して来ました。車内販売で購入したものと、特別停車駅でのおもてなしを一部ご紹介。

 

車内販売で購入したコーヒーは、専用のカップに入れて出されます。

 

続いてバニラアイス。この他にもいくつかスイーツがありまして、食後のデザートにもピッタリです。

 

また、軽食としてこのように五島手延べ「七椿」ミニうどんや、この他、オリジナル黒い鶏カレー等もありまして、「“つばめ“のビュッフェ、ここに在り」と言った感じですね。

 

博多駅には乗車位置がありますが、木曜日「赤の路」と月曜日「金の路」で、乗り場は一緒ながら編成の向きが「方転」された状態となっています。そのため、AとBと言った感じで乗車位置を分けています。

 

金の路コースでは、佐賀駅と肥前浜駅で長時間停車となります。各駅ではこのように横断幕でお出迎えしてくれます。

 

肥前浜駅では、ゆるキャラもお出迎えしてくれました。ここでは、昔ながらの町並み散策や、日本酒の試飲・利き酒、杉玉の製作実演等が行われます。

 

肥前浜駅には、駅舎に隣接して日本酒のお店、「HAMA BAR」がありまして、地元の日本酒や、新酒の飲み比べが出来ます。ほろ酔い気分で諫早湾を眺めることが出来ますよ(笑)

 

そうして長崎駅に到着です。この駅も、今線路・車両も様変わりし始め、新たな時代が到来しようとしています。

 

在来線日本最速の観光列車、地域の方との交流も楽しめますし、九州のグルメも各地で頂くことが出来ます。「みどりの窓口」で販売されている車両もありますので、時間とお金(笑)に余裕がある方は、移動のついでに乗車されてみてはいかがでしょうか。