こんばんは。
早いことに大学の定期試験のご案内が舞い込んできました。昨年はオールオンラインだっただけに、対面でのテストというのは初めてでございます。うーんやっぱ緊張感が違いそうですよね、ますます単位が不安になってきました。
さて本題へ。今回は原点に立ち返って超地元に関するプチ話題をお届けしようと思います。鈴鹿どころか三重自体を蔑ろにしてましたからね中の人は…
こちらは近鉄鈴鹿線の鈴鹿市駅でございます。鈴鹿市としての代表駅は近鉄名古屋線の白子駅(特急停車)にあたるわけですが、こちらのほうがより市街地に位置しており、市役所の最寄駅にもなっています。
乗車人員は1935人(2019年)と、終点の平田町駅(3248人/2019年)の3分の2程度。立派な駅ビルを有しているように見えますが、1階のファミリーマート以外は全て空きテナントという悲惨な状態になっています。昭和チックな雰囲気なのがより一層哀愁を漂わせますな。
駅周辺をぐるりと見渡してみます。ちょうど朝ラッシュ時間帯なので通勤・通学客とその送迎と思わしき自家用車でそこそこ賑わっています(写真からは想像がつきませんけどね…)。下の写真の、奥にちらっと見えるガラス張り&茶色の建物が鈴鹿市役所です。
この2枚を見て頂くと、駅前から道路があらゆる方向に向かっていることにお気づき頂けるでしょうか。上下の写真ともに4方向に進むことができ、とくに下の写真は小学生が歩いていく道路、緑色のフェンスを分岐点として市役所方面へ向かう2本の道路、そして右手前からの道路が不自然に交差しております。
字面だとあれなのでGoogleマップの力を借りました。赤矢印の「上」「下」は先程の写真を、黄矢印は交わる道路の方向を、青点線が線路で、中央の薄赤が鈴鹿市駅ということですね。いや余計に分かりにくくなってねえか…?
何となく「車だと通りにくそうだな」といった印象を感じて頂ければ幸いです。動線は「神戸八丁目」交差点と「神戸九丁目」交差点の往来が圧倒的多数なのですが、踏切待ちで滞留する車がごっちゃになると、そこそこ危なかったりします。加えて横断歩道も掛かっている、付近には小学校と高校があることも考えると、まあ朝夕は苦労します。
元々は伊勢鉄道(後の伊勢電気鉄道→参宮急行電鉄→…→近鉄)神戸支線の終着駅「伊勢神戸(いせかんべ)駅」として1925(大正14年)に開業。ローカル線として細々と走っていましたが、後に太平洋戦争が勃発。鈴鹿市はその工廠誘致に成功したことで市街地が格段に広がりました。
その結果、既に名古屋線に合わせた標準軌、社名も現在の近鉄とほぼ変わりない状態になっていた1963(昭和38)年に市西部の平田地区まで延伸することになりました。
延伸と同時に路線名を「鈴鹿線」に、伊勢神戸駅を「鈴鹿市駅」に変更。南北を貫くように建っていた木造平屋立ての瓦葺き駅舎を、東西向きのコンクリート駅舎に替えることで現在の形が出来上がったわけです。
確かにあえて南北を貫かせてみると、道路が横方向に伸びておりしっくりくる気がします。とくに南側の宝石店・電器店・とんかつ屋あたりのフィット感が良い感じですな。
長々と歴史の話をしてきましたが、現代に戻ってきましてコンコースを確認。時刻表と運賃表、自動券売機に自動改札機が設置された特段変わりない駅構造です。
肝心の駅員さんはというと、常駐しているわけではなく平日の朝夕ラッシュ時の一部時間帯(それぞれ1時間程度)のみ配置されます。しかも先述の通り通勤・通学客利用が多いため、構内踏切や乗降時の安全確認を主な業務としており、窓口業務はお客さんからの申し出程度に抑えられています。時刻は8時前、改札機横の引き戸が開かれているのが確認できるかと思います。
じゃあその時間帯以外は完全な無人駅なのかと聞かれれば、そうでもないんですね。冒頭でお話した駅ビル唯一のテナントである「ファミリーマート近鉄鈴鹿市駅店」の店員が窓口業務を委託していまして、カウンター横の窓越しに精算や案内を行うという一風変わったスタイルを取っています。
近鉄リテーリングへの簡易委託という扱いなようで、JRではあちこちでやっているものの私鉄ではあまり見ないような気がします。微かに記憶に残っているのが埼玉のニューシャトルくらい?
ただファミマの営業時間が6:00~22:30なので早朝・深夜は無人駅になるものの、必要最低限のサービスを提供してくれるという点では非常に画期的なシステムだなと思いました。名古屋線でも伏屋駅で同じような形式が取られています。
参考までに、当時の記事が残っていました。
出典:「硬券入場券」発売駅の変更について
https://www.kintetsu.co.jp/all_info/news_info/ticket_info0614.pdf
でですね、非常に申し上げにくいのですがここからが本題です。地元オブ地元の面白い話なので気合いを入れすぎた結果、慣れないパワポで図示するにまで至ったんだからこれ如何に…
知られていないようでそうでもない事実なんですが、近鉄ではほぼ全ての有人窓口で通常の「硬券入場券」を発売しています。珍しい扱いをされることもあるものの、他の大手私鉄でも結構売られているようで、その筋には有名だそうな。
自分は別にきっぷ集めを趣味としていないので、そこまで欲しいとも思っていませんでした。しかし6月14日に名古屋地区での発売駅を変更するという発表があり、中でも鈴鹿市駅は先述の通り駅員配置時間が平日のたった2時間だけという収集鉄泣かせ仕様。
あとは「自駅の入場券を他駅で買う」という謎行動が何とも受け入れ難かった(いやまあ今となっては普通ですけどね)ので、記念に買うことにした次第です。
こちらがその硬券入場券。良くも悪くもそのまんまですが、磁気きっぷですらICカードに淘汰されかけているこの世の中に残っていること自体が奇跡なのかも。
駅員さんによるとぼちぼち買いに来る方がいるそうで、ホーム監視業務に専念するため販売に対応できないことも多いそうです。「これ押しときゃプレミアつく…かもよ」と、ご厚意で普段は使わない改札印まで押して頂きました。本当にありがとうございます!
鈴鹿市駅の硬券入場券そのものは伊勢若松駅で販売されるものの、「特別企画乗車券」扱いということで少し名目が違います。改札印も含めて、純粋な入場券を買うことができたので良い記念になったかなと思います。