KATOのEF66後期形ブルートレイン牽引機(品番3047-2)は、寝台特急牽引用にヘッドマークを装着できますが、その特異な車体形状からKATO製の他機種に見られる磁力式のクイックヘッドマーク仕様にはなっていません。そこで、EF66にも磁石を装着することで、クイックヘッドマークに対応できるように加工してみました。

 

購入時の状態では、添付のヘッドマークを装着することができません。

 

製品添付のヘッドマークは、他機種の様な磁性体部品ではなく、プラスチック製部品です。

 

KATO製品のヘッドマークを裏返して比較してみました。

車体内部に装着された磁石との結合で容易に着脱できるクイックヘッドマークは、当初はプラスチック製のヘッドマークの裏面に薄手の鉄板を嵌め込む構成(左側)でしたが、後にヘッドマーク自体を磁性体材料とする構成(中央)に変更され、現在に至っています。EF66に関しては、磁力とは無縁で裏面にヘッドマークと一体成型されたプラ製突起がある構成(右側)となっています。

 

添付のヘッドマークを装着するには、前面飾りの中央に角穴が開いた別パーツ(添付品)に交換する必要があります。

 

EF66専用のヘッドマークの裏面にある突起を、前面飾りの角穴に挿し込むことで、ヘッドマークを装着することができます。従って、EF65-1000番台などの磁気式のクイックヘッドマークは、装着することができません。

 

この製品に添付のヘッドマークは、「はやぶさ」と「あさかぜ」のみ(生産時期により、「富士」と「あさかぜ」)で、「さくら」「富士」「みずほ」等のヘッドマークは、別売の「ヘッドマーク 九州ブルートレイン用(JR/EF66・ED76・EF81対応)」(品番11-353)を購入する必要があり、かなり高価です。

 

添付のヘッドマーク「はやぶさ」を装着したところを側面から見ると、裏面全体が車体に接しておらず浮き上がった様な状態で装着されています。これでは、車体内部に磁石を装着しても、ヘッドマーク迄の距離があることから磁力が弱くなり、クイックヘッドマークを保持することができません。

 

そこで、車体の外側に磁石を設置することを試みました。

使用する磁石は、右側に置いた直径4.5mm×厚さ0.5mmの円形のネオジム磁石(美軌模型店製)です。EF66に添付のヘッドマーク(左上)の裏面にある突起は、幅1.2mm×厚さ0.5mm×長さ1.5mmで、円形磁石の裏面にもプラ板を貼り付けて同じ様に突起を作ることにします。突起用のプラ板(左下)は、0.5mm厚のプラ板を幅1.2mmで切り出したもので、長さは作業性を考慮して長目の7mmとしました。

 

ゴム製のカッティングマットに両面テープを貼って、その上にネオジム磁石を置いて、作業時に動かないようにしてから、プラ製突起(取付脚)を中心より僅か上方の位置に瞬間接着剤で接着しました。十分に固着してから、突起の長さが3mmとなる箇所をニッパーで切断します。

 

取付脚の付いたネオジム磁石を、前面飾りの角穴に挿し込みました。銀メダル覇者の完成です。

 

ネオジム磁石を車体外側に準備できました。

 

 

EF65-1000番台用の磁性体で出来たヘッドマークセット(品番11-351)です。これに含まれる「彗星」「あさかぜ」を切り出して、ネオジム磁石を取り付けたEF66に装着してみることにします。

 

磁性体で出来たヘッドマークが、しっかり貼り付いています。

 

磁性体ヘッドマークの裏面に形成された上下の突起により、磁石面から少し浮き気味ですがズレたりすることはありません。上手く行ったようです。

 

ところが、裏面に鉄板を嵌め込んだ初期のヘッドマークを装着すると、問題が生じました。

ヘッドマークが反発して磁石の中心から逃げてしまい、少しずれた位置でしか止まってくれません。磁力が強すぎるのが原因でしょうか。それとも他に理由があるのかは判りません。

 

初期品の裏面に嵌め込まれた鉄板を取り去り、代わりに磁性のある薄手のステンレステープ(美軌模型店製、ネオジム磁石とペアで使用する素材で、片面に接着剤付き)を貼り付けて検証を続けます。

 

左側が初期の鉄板嵌め込み品、右側が鉄板の代わりにステンレステープを貼り付けた(上部に突起があり、この部分を避けて貼っている)ものです。

 

ステンレステープの貼り付け品は中心に装着できました。解決方法が見つかりヤレヤレです。

 

EF65-1000番台用の磁性体ヘッドマーク「あさかぜ」を装着してみました。この写真をアップしてから気が付いたのですが、ヘッドマークを切り出す際に側面の白色塗装が剥がれ、焦げ茶色の地肌が見えています。後程、タッチアップで修復しておくことにします。

 

これで、EF66にも磁力式のクイックヘッドマークが使用できるようになりました。

 

 

 

 

 

 

 

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