画像は山陽本線支線、通称 「和田岬線」 を行く103系の普通列車。

兵庫-和田岬間わずか2.7kmをピストン輸送していますけど、乗客のターゲットは海っぺりにある工場の従業員なので、運転されるのは朝夕だけです。このため、地元住民からは 「要らねぇんじゃないの?」 という声もあり、実際に神戸市も沿線の兵庫運河を中心としたウォーターフロント計画において、 「和田岬線が邪魔」 と決めつけてJRに廃止の要望書を提出しています。

 

和田岬線が無くなれば、兵庫区の和田岬地区は “陸の孤島” になる・・・わけでは無くて、神戸市営地下鉄海岸線がありますし、そっちの方がダイレクトに神戸市中心部に行けることから、地元住民は専ら地下鉄を利用するんでしょうね。だから 「和田岬線が無くても別に困らない」 という感覚なのかもしれません。実際、昼間は列車が走っていないし、その気になれば兵庫駅まで歩けるし。因みに私も何回か和田岬線に乗りましたけど、後述する川重訪問の兼ね合いで大体、和田岬からは歩いて兵庫駅に戻ります。

 

でも、活用方法があるような気がしますよね。

和田岬線がウォーターフロント計画の足枷になっているのであれば、それを逆手にとって、鉄道と融合させた計画に変更するとか、LRTへの切り替えを考えるとか、様々な案が浮かびます。LRTなら、兵庫駅以東で一般道と融合させて神戸市中心部へ延ばしても良いかなとは思ったんですが、どの主要道路にも鉄道 (神戸高速鉄道や神戸市営地下鉄西神山手線) が走っているから、さすがに無理か。

 

その後、廃止運動がどうなっているのかはわかりませんけど、和田岬線沿線にはマニアにはお馴染みの川崎重工兵庫工場がありまして、ここで製作された鉄道車両は和田岬線を介して甲種輸送されますので、和田岬線には重要な使命があるわけですが、兵庫駅から工場への引き込み線部分だけ残しておいてJR西日本も廃止を含めた去就を検討している可能性はあります。でも、和田岬線は黒字らしいですよ。 “お荷物” 的な赤字なら廃止もやむを得ずなんですけど、黒字ですからねぇ~。

 

神戸市も 「廃止ありき」 じゃなくて、 「あるものは有効活用しよう」 を前提にした計画の見直しを期待します。