美濃市駅【岐阜県】(長良川鉄道越美南線。2012年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
岐阜県中部、美濃市の中心市街地に位置する長良川鉄道越美南線の主要駅で、美濃市の代表駅でもある
美濃市駅 (みのしえき。MINOSHI Station) です。
 
 
駅名
美濃市駅 (駅番号:11)
 
所在地
岐阜県美濃市  
 
乗車可能路線
長良川鉄道:越美南線  
 
隣の駅
美濃太田方……松森駅  
北濃方…………梅山駅  
 
訪問・撮影時
2012年1月
 
 

美濃市駅は地上駅ですが、ホームは駅舎から見て高い位置にあります。
駅北西側に駅舎が設置されていて、反対側に駅舎・出入口はありません。
駅舎はおそらく1923年の開業時からのものと思われます。積雪する事もあり、屋根は瓦ではなくトタンになっています。
出入口前には丸ポストと電話ボックスがあります。駅外と駅舎内の間に段差はありませんが、駅舎とホームの間には階段しかなく、バリアフリー化されていません。
駅舎の右側には駐輪場とタクシー乗り場があります。駅舎の左側には小さなトイレがあります(多機能トイレなし)。
尚、駅前広場、ロータリーは整備されていません。自動車で送迎の際はターンが必要です。バス停留所は左後方にあります。
 
 

駅前の様子です。北西を望む。後方に駅舎があります。
右側の区画はロータリーではありません。その区画の向こう側にバス停留所があります。
駅前は美濃市街の南東端に相当します。かつては商店が存在したと思われますが、2012年の時点で駅前に商店はありませんでした。
右奥に延びる駅前道路(県道296号線)を道なりに250mほど進むと名鉄美濃町線の美濃駅跡に到達します(後述)。さらに250mほど進むと美濃市街の中心部に到達します。
美濃市街にはうだつのある町並みが残っており、観光地にもなっています。また、美濃市は和紙が特産品です。
 
一方、駅舎と反対側の駅南東側は郊外の住宅地になっており、桜井グラフィックシステムズ岐阜工場もあります。
駅南東側へは約250m南の踏切へ迂回しなければなりません。
 
 

美濃市駅の約250m北西には1999年まで名鉄美濃町線の終着駅・美濃駅がありました。開業は1911年で、美濃市駅より12年も早いです。
1999年の廃止後も駅舎・ホームは撤去されずに保存されています。ホーム部分には美濃町線で使用されていたモ590形、モ510形、モ600形が静態保存されており、モ870形はカットボディが保存されています。
美濃町線は新関~美濃で越美南線の関~美濃市と並行していましたが、その並行が仇となり、1999年に新関~美濃が廃止され、越美南線を代替路線にするため、新関駅から越美南線の関駅まで新線を開業させた事は記憶に新しいです。その後、美濃町線の残された区間も2005年に廃止されてしまいましたが…。
 
 

改札口の様子です。南東を望む。後方に出入口があります。
美濃市駅は有人駅です(朝と夜間は無人)。改札ラッチがありますが、車いすが通れる幅ではないです。
自動券売機は未設置で、きっぷは全て窓口での発売です。
なお、長良川鉄道では交通系ICカードが全く使えませんが、QRコード決済「PayPay」は使えます。但し、「PayPay」が使えるのは車内精算のみで、窓口では使用できません。「PayPay」でご乗車になる際は係員にその旨を説明してそのまま入場し、乗車時に必ず整理券をお取り下さい。
改札の先は線路の下をくぐる地下通路で、突き当たりを左へ曲がって階段を登るとホームに到達します。前述の通り階段のみの設置で、バリアフリー非対応です。
トイレは駅舎を出て右側にあります(多機能トイレはありません)。
改札外、右側は待合室で、ベンチと飲料自動販売機があります。レンタサイクルの自転車も置かれています。
左側は喫茶店がありましたが閉店となり、現在は事務所として使用されています。
尚、美濃市駅と駅前に売店・コンビニはありません。ご注意下さい。
 
 

吊下式駅名標です。電照式と思われます。
国鉄型を踏襲したレイアウトです。左上には長良川鉄道のマークが描かれています。
駅番号は「11」ですが、今は駅名標に併記されているかもしれません。
 
 

 

美濃市駅は島式ホーム1面2線の地平構造ですが、地形の関係で駅舎は低い位置にあります。南西~北東方向にホームが延びています。
左(北西)が1番線で下り郡上八幡・北濃方面、右(南東)が2番線で上り関・美濃太田方面です。
1番線の北濃方左側(写真左奥)には貨物ホーム跡があります。廃止された貨物側線は保線用へと転用されています。
ホーム有効長は4両分で、越美南線は元よりローカル線規格で建設されています。ホーム幅は利用者数を考えるとまあまあ広いです。
上屋は美濃太田方(手前側)の2両分に設置されています。
ホームにはベンチ、飲料自動販売機、待合室(空調なし)が設置されています。
そしてホームの美濃太田方の端(後方)には左側にある駅舎へ下る階段があります。
写真は2枚とも北濃方を望む。
 
 

2番線より美濃太田方を望む。ホーム端には右側にある駅舎へ下る階段があります。
また、2番線の先には構内踏切がありますが、これは係員用で、左側には詰所があります。
この先、左側にそびえる松鞍山に沿って左へカーブしながら住宅地の中を南下します。松鞍山が接近すると東海北陸自動車道をアンダーパスして、さらにカーブを続けて進路を南南東に変えると松鞍山は遠ざかり、松倉駅へと至ります。かつては道中右側を名鉄美濃町線が並走していました。
 
 

1番線より北濃方を望む。左手に貨物ホーム跡と保線基地があります。
また、これより先は社名と同じく長良川の渓谷に沿って北上していきます。
この先、左へカーブして左手に美濃市街を遠望しつつ郊外風景の中を北へ走り、進路を北に変えて右から山が接近すると程なくして梅山駅へと至ります。梅山駅は美濃市街の北端部に位置しており、駅前に岐阜県立武義高等学校があります。高校生の利用が多く、乗降人員は美濃市駅を上回っています(両駅とも減少傾向ですが、特に美濃市駅の減少幅が大きいです。以前は美濃市駅の方が多かったです)。
 
 
あとがき
私が美濃市駅で下車(乗車)したのは1999年、2012年の計2度です。1999年は廃止間近の名鉄美濃町線末端区間を乗りつぶした際、帰りは長良川鉄道に乗ってみたくて美濃市駅を利用しました(この時美濃町線を往復利用しておけば…と後悔していますw)。そして2012年は長良川鉄道を乗り鉄した際、名鉄の美濃駅跡の鉄道保存施設を訪問するために下車しました。美濃市駅は古い木造駅舎が現役で、昔の雰囲気を味わえます。また駅前は市街地なのですが地方都市共通の問題として中心市街地が寂れており、人通りもほとんどありませんでした…。
 
東京からですと東海道新幹線で名古屋駅まで行き、在来線で美濃太田駅まで行くのですが、東海道本線~高山本線の岐阜経由ルートと中央本線(中央西線)~太多線の多治見経由ルートがあります。所要時間は大差ありませんので、気分やダイヤによりルートを選択して下さい。そして美濃太田駅で長良川鉄道線(行先不問)に乗り換えて当駅下車です。じゅうぶん日帰り訪問可能です(最大滞在時間:10時間程度)。
一方、大阪からですと新大阪駅から名古屋駅まで東海道新幹線を利用して、以降は上記と同じルートで到達できます。在来線(東海道本線)をご利用の場合は岐阜駅で高山本線に乗換です。こちらもじゅうぶん日帰り訪問可能です(最大滞在時間:11時間弱)。
 
食料・飲料について、駅前にコンビニ、気軽に入れる商店・飲食店はありません。最寄りのコンビニは北へ約1kmの「ファミリーマート」で、最寄りのスーパーは南西約850mの「ザ・ビッグ(イオンタウン美濃内)」ですが、いずれも遠いです。必ず事前に用意しておいて下さい。
  
東京、大阪とも到達難易度が高いですが、長良川鉄道越美南線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は美濃市駅でも途中下車されてみて下さい!
 
(参考:地理院地図、Google地図、Wikipedia)