四日市あすなろう鉄道が導入した「公有民営」の「小さな鉄道」再始動から3年

三重県の四日市市内には、かつて大手私鉄の近鉄が経営していた「小さな鉄道」があります。一時は廃止の話も浮上しましたが、「公有民営方式」と呼ばれる新しい経営体制を導入して存続の危機を脱しました。あれから3年がたち、現在はどうなっているのでしょうか。

 

 中京工業地帯の一角を占める三重県四日市市には「小さな鉄道」があります。その名は「四日市あすなろう鉄道」。あすなろう四日市駅(近鉄名古屋線の近鉄四日市駅に隣接)を起点に市内南部の内部(うつべ)駅に伸びる内部線と、西日野駅に向かう八王子線の2路線(内部・八王子線)を運営する鉄道会社です。

 

四日市あすなろう鉄道株式会社は、近鉄グループホールディングス傘下の鉄道事業会社、近畿日本鉄道(近鉄)の子会社三重県北部を走る内部線及び八王子線の運営を行う鉄道会社である。2015年(平成27年)4月1日付けで近鉄より内部線及び八王子線の運営を引き継いでいる。

近鉄が保有・運営していた鉄道路線である内部線と八王子線を、2015年4月1日より、四日市市が第三種鉄道事業者として保有し、四日市あすなろう鉄道が第二種鉄道事業者として運行している。

日永駅は西日野駅と内部駅行きの分岐駅です。

走行中の列車から床下のレールが覗ける!

四日市あすなろう鉄道「シースルー列車」を運行します!

四日市あすなろう鉄道の安全確保および利用環境の改善のため、平成27年度から平成30年度までの4カ年で全車両(14両)を更新しました。 このたび、車両更新の最後を飾る、床面を透明化したシースルー車両という特別仕様の車両を導入。

四日市あすなろう鉄道の更新車両には、初めてエアコン(冷房装置)が設置され、沿線の子供たちの絵画も展示!

最終列車には大勢の人々が乗車!

床面を透明化したシースルー車両という特別仕様車両の試運転!

 

四日市あすなろう鉄道の動画!

会社設立の経緯

2012年6月29日に、四日市市議会は内部線および八王子線の存続問題を審議する総合交通政策調査特別委員会を設置した。 しかし、同年8月21日に地元住民に対して近鉄は、鉄道の運行を廃止してその跡地に建設するバス専用道路でバス高速輸送システム(BRT)を運営する方針を発表した。さらに、同年8月24日に近鉄は翌年の夏までにこのBRT化の方針への是非を決定するように四日市市に求めていることを公表し、老朽化した車両の更新時期を考えて2013年夏を方向性決定の期限とする旨を提案の詳細と共に四日市市に通達したことを同年12月12日に公表した。

これに対して、四日市市が鉄道路線での存続を要望したことから、2013年8月6日には近鉄が、鉄道として存続するためには公設民営方式に移行することが唯一の方策であるとの趣旨と、この方式に移行した場合に車両および施設を無償譲渡する意向を示した。2013年7月に、四日市市はこの返答に対して鉄道路線の保有と運営の両方を別会社に切り離す民設民営方式を近鉄に提案したが、近鉄はこれを断った。その後の2013年9月27日に近鉄と四日市市の両者は、四日市市が施設・車両を保有し、同市と近鉄が出資する新会社が運行する公有民営方式で、2015年春から鉄道路線を存続させることで合意した。

 軌間の寸法は762mm。新幹線や近鉄名古屋線(1435mm)の半分よりは少し広い程度で、JR在来線(1067mm)と比べてもかなり狭くなっています。そこを走る車両も小さく、車内の座席は横1列に2席しかありません。内部駅から通勤、通学時間帯の列車に乗ってみたところ、地方の鉄道としてはまずまずの人数でしたが、車体が小さいため座席はもちろんのこと、立席スペースになっている通路もほぼ完全に埋まりました。

 

車両はリニューアルされ、老朽化が激しい部品を新しいものに交換。座席も背もたれがあるものに変更されました。さらに内部・八王子線では初めて冷房を搭載し、サービスの改善を図っています。車両を保有しているのは四日市市ですから、リニューアル費も四日市市が負担。四日市あすなろう鉄道は大金を出すことなくサービスを向上できました。

2014年3月27日には、合意に基づいて四日市あすなろう鉄道が設立された。同社は、近鉄が75%分を、四日市市が25%分を、それぞれ出資する第三セクター鉄道となっている。社名の「四日市あすなろう鉄道」は、未来への希望(明日にむかって)と、運行する内部線および八王子線が軌間762mmという狭軌(ナローゲージ)であることに由来する。この新体制で2015年4月1日から運行が開始されている。

近鉄日本鉄道の直営時代は、近鉄本線で使用されていた、カラーリングでした。

 

三重県内にはナローゲージ(762mm)の鉄道が、もう一箇所あります!

三岐阜鉄道北勢線軽便鉄道が進化してミニ電車の走る鉄道です。
現在の北勢線は1914年、北勢鉄道の路線として一部が開業し、1931年までに全通。その後は社名の変更や合併を経て、1965年には近畿日本鉄道(近鉄)の路線となった。

しかし、近鉄は経営改善のため北勢線の廃止を2000年に計画。これを受けて沿線自治体の存続に向けた動きが活発となり、同じ三重県内でローカル線を運営していた三岐鉄道が2003年4月1日、北勢線の運営を引き継いだ。

北勢線の2本のレール幅(軌間)は762mmで、JR在来線(軌間1067mm)よりも狭い。旅客営業路線では現在、北勢線のほか同じ三重県内の近鉄内部・八王子線、富山県内の黒部峡谷鉄道のみ762mm軌間を採用している。

西桑名(三重県桑名市)~阿下喜(いなべ市)間20.4kmを結ぶ北勢線が、近畿日本鉄道から三岐鉄道(四日市市)の経営に移って2013年で10周年を迎えた。三岐鉄道はこれを記念して、線路の幅に合わせた記念切符を発行、発売したので線路幅762mmの鉄道車両がいかに小さいか、画像を集めました。

線路の幅も狭いが電車も小さいミニ電車、軌間762mmです。

三岐阜鉄道北勢線10周年記念乗車券762きっぷは線路の幅と同じです。

価格は大人460円(小人230円)

子供が足を広げれば楽々とどく線路の幅です。

車内はロングシートで足を伸ばせば向かい側の人にとどきます。

762m線路幅の電車がいかに小さいか分かりますね。

762mmの線路幅がいかに狭いか比較するために三重県桑名市の桑名駅近くの踏切では左から、三岐鉄道北勢線 (762mm)・JR東海関西本線 (1067mm)・近鉄名古屋線 (1435mm)と、3種の軌間が並ぶ姿が見られる。

(1435mm)は新幹線の線路幅で(762mm)は新幹線の約半分くらいで、線路幅の狭い鉄道であります。

三種類のゲージの電車が走る踏切は全国でもここだけです!

左から近鉄名古屋線の22600系電車1435mm、 中央がJR東海,関西本線の313系電車1067mm、 右が三岐阜鉄道北勢線のミニ電車762mmと3種類の線路が有るのは、全国ここだけです、場所は桑名駅付近。北勢線のミニ電車は何時までも走り続けて欲しいです。

 

 

by   GIG@NET

 

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