わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【ミステリートレイン!?】横浜→立川を乗り換えなしで移動できる列車がありました!

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は横浜から立川まで乗り換えなしで移動できる列車が運行されたということで、その様子をご紹介していきます。

 

2021年6月12日(土)

さて、今回もいつもの横浜駅からスタートしていきます。これより、横浜から立川へと移動していきます。

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最低でも1回は乗り換えが必要

横浜と立川というのはどちらも多数の路線が乗り入れる主要駅です。しかし両駅間を乗り換えなしで結ぶ路線というのは意外にも存在せず、上の図のように最低でも1回は乗り換えが生じます。大概の人は横浜線・中央線を利用する八王子乗り換えのルートか、横須賀線南武線を利用する武蔵小杉乗り換えのルート、または東海道線南武線を利用する川崎乗り換えのルートのいずれかを選択すると思います。いずれにせよ大ターミナル駅での乗り換えというのはなかなか大変なもので、人混みをかき分けて乗り換えるのは首都圏在住者でも避けられるものならなるべく避けたいというものでしょう。

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見慣れない列車名が

しかし! この日は珍しく横浜から立川まで乗り換えなしで移動できる列車が運行されるようなのです。それがこちらの「鎌倉あじさい号」。毎年6月の週末に運行される臨時快速列車で、あじさいが見頃を迎えた鎌倉方面への観光客を運ぶ目的で運行されています。運行区間は青梅~鎌倉駅間で、主に東京の多摩地域から鎌倉への日帰り観光客をターゲットにしているものと思われます。始発駅の鎌倉は横須賀線の駅ですが、ここ横浜では東海道線のホームに入線するようです。

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余命僅かの185系が入線!

まもなくすると、横浜駅の7番線ホームに列車が入線してきました! オレンジ色のライトを照らし、前面には「臨時快速」の文字を表示した国鉄特急車両185系です。今年3月に特急踊り子号としての定期運用から退いた後も「あしかが大藤まつり号」「鎌倉あじさい号」そして7月に運行される予定の「谷川岳山開き号」等多数の臨時快速列車に充当されています。やっぱりカッコいい! 横浜駅185系は似合いますね。

横浜駅での停車時間はわずかということで、さっそく乗り込んでいきます。定刻通り17:55に発車していきます。

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全車指定席のリクライニングシート

185系といえば5~15両の多彩な編成があることでも知られていますが、今回列車は6両編成での運行です。前から順に6号車、5号車…の順で一番後ろが1号車となり、今回私は1号車に乗車しています。全ての車両が普通車指定席の運行で、今や貴重となった185系を満喫すべく車内は多くの鉄道ファンで賑わっています。

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列車間隔を保ちながらゆっくりと走る

横浜駅を出発した列車は、ゆっくりと東海道線の線路を走行していきます。この列車のすぐ前には横浜駅を17:52に出発した上野東京ライン籠原行が走っているため、この鎌倉あじさい号も快速とは言いながらあまりスピードを出すことはできず、ゆっくりと走行していきます。

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鶴見で運転停車

京急花月総持寺駅付近で列車は東海道線の旅客線の線路から二つ右側の線路へと転線し、普段は旅客列車が走ることのない貨物線へと入ります。そしてその先の鶴見駅では何とホームのない線路上で運転停車。どうやらここで乗務員交代が行われているようです。線路上での乗務員交代とはなかなか貴重な瞬間ですよね。

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横須賀線の線路を眺めながら横須賀線と同じ方向に進む違和感

まもなくすると列車は高架区間へと入り、川崎方面ではなく新川崎方面へと進んでいきます。ただし横須賀線の線路ではなく武蔵野貨物線の線路を通るため、車窓左手に横須賀線の高架を眺めながら自分自身も横須賀線方面へ進んでいくという不思議な体験を味わうことができます。

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新鶴見機関区へと入っていく

まもなくすると列車は再び地上に戻りますが、引き続き横須賀線の旅客線と合流することはなく、貨物線の一番左側の線路を走行していきます。この辺りはかつて広大な貨物の操車場がありましたが、現在はその規模が大幅に縮小され、跡地にはマンションや大企業のオフィス、公園等が整備されています。

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たくさんの機関車が見えてきた!

「大幅に縮小」とはいってもかつての鉄道用地が広すぎただけで、今でも新川崎駅付近には十分広大な貨物のターミナルが存在しています。これが新鶴見機関区です。新川崎駅のホームから多数の機関車が並んでいるのを見たことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、この機関区の一番左側を抜けていきます。車窓右手には多数の機関車が並んでいるのがわかりますが、新川崎駅のホームはこれよりもさらに東側にあるということになります。

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武蔵小杉の手前で地下へ

そして左から東海道新幹線の線路が合流してくる、そのまさに直前で列車は何と地下へ潜っていくことになります。ついに横須賀線と合流することはなく、また武蔵小杉駅をかすめることもなく、いよいよ本格的にミステリートレインの様相を呈してまいりました。

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道なき道を進む(Googleマップを元に作成)

実はこれより、列車は長いトンネルの区間へと入ります。これがまさに横浜~立川を乗り換えなしで結べる最大の秘訣ともいうべき線路で、Googleマップ等で見ても地図上に線路は表示されていません。ただし概ね上の図の赤い線のようなルートを進んでいるものと思われます。現在定期的な旅客列車の運用はありませんが、今回のこの「鎌倉あじさい号」のほかにも週末を中心に頻繁に運行される「ホリデー快速鎌倉号」でもこのルートが使用されています。

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梶ヶ谷貨物ターミナル

5分ほどトンネルの中を走ったと思ったら、突如再び地上に出てきました。車窓右手に多数の線路とコンテナが並ぶこの場所は、JR貨物の「梶ヶ谷貨物ターミナル」です。東急田園都市線梶が谷駅の南方約1kmほどの場所に位置し、住宅街の中に突如として現れる鉄道用地といった印象があります。ここでは特に運転停車などはせず、多数の線路を横目に再びトンネルへと入っていきます。

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しっかりと検札が来る

この辺りでは、ちょうど検札が回ってきました。JR東日本の新幹線や特急の指定席では検札をすることはめったにない今日この頃ですが、今回の列車は臨時列車ということもあってかしっかりと指定券の確認がなされました。もっとも、車内は鉄道ファンや鎌倉からの観光客でほぼ満席なので、指定券をもたずに乗り込んだとしても座れることはまずなさそうな気がします。

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車内の随所に古さを感じる

また車内を見渡してみると、随所に古さ(レトロさ?)を感じる表示や文字があります。客室内の「指定席」の表示は今どき電光表示で済ませてしまいますし、デッキのゴミ箱のことを「くずもの入れ」と表現することも珍しくなりましたよね。またくずもの入れのところに「たばこのすいがらは入れないでください」という表示があることからもわかる通り、かつて車内での喫煙が当たり前だった時代からこの列車が長く活躍していることがよくわかります。

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京王相模原線を跨ぐ

梶ヶ谷貨物ターミナルを出てから約10分ほどで、列車は再び地上へと出ます。そしてすぐに2本の線路の上を跨いでいく様子が見えました。こちらは京王相模原線で、どうやら稲城若葉台駅間と交差しているようです。この辺りは地形の起伏が激しいこともあり、列車はトンネルに出たり入ったりを繰り返します。

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多摩川を渡る

そして最後のトンネルを出ると、列車はすぐに南武線と並走し、多摩川を渡ります。18:30過ぎですがまだ明るく、6月らしく日の長さを実感します。

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南武線といよいよ合流

そして府中本町駅に到着する直前、武蔵野貨物線の線路が南武線の上り線と下り線の間に割って入る形で合流し、そして列車は南武線へと転線していきます。ここから立川まではいよいよ南武線の線路を走っていくことになります。

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府中本町に到着

18:36、列車は定刻通り府中本町駅南武線ホームに到着です。横浜を出てから何と約40分間もノンストップで運行されていたことになります。そういえば横浜駅のホーム上のアナウンスでも「この列車は横浜を出ると府中本町までとまりません、ご注意ください」と繰り返しアナウンスしているのを思い出しました。

府中本町を定刻通り出発し、次は立川まで停車しません。南武線の快速さえも停車する分倍河原を通過するということで、これはなかなかできない体験です。

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南武線ホームに到着

そして18:48に定刻通り立川駅へと到着です。立川では南武線ホーム(8番線)へと入線しました。

これまでの歴史を振り返っても立川に185系が入線する機会は決して多くなく、況や南武線ホームをやといったところでしょうか。横浜から立川までの所要時間はわずか53分ということで、1時間を切って移動できる手段はまさにこの鎌倉あじさい号くらいではないでしょうか。

列車はしばらく停車した後、定刻通り発車して青梅線へと入っていきました。

 

というわけで、今回は横浜から立川まで乗り換えなしで便利に移動できる列車をご紹介いたしました。

「便利に」とはいうものの、この列車は季節の臨時列車ですので年中を通じて運行しているわけではなく、今シーズンの運行は6月20日(日)が最後となります。

185系に乗車できる機会も今後限られてきていますので、乗られる方は是非お早めに!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。