桐生駅発行 京都市内から 東京都区内ゆき | 菅沼天虎の紙屑談義

菅沼天虎の紙屑談義

交通機関を利用する為の切符・・・一般の方々にとっては使い終わってしまえばタダの紙屑で、最後は係員に渡して終わりになるモノです。
そんな紙屑に夢中になってしまった大馬鹿モノの戯言にお付き合い下されば幸いです。

昭和46年6月に両毛線桐生駅で発行されました、「京都市内から 東京都区内ゆき」の常備片道乗車券です。

 

 

新潟印刷調製の券となります。

 

復路用の常備券ですが、着駅は発行箇所の「桐生ゆき」では無く、「東京都区内ゆき」となりますので、東京都区内~桐生間は東武鉄道線を利用する前提で設備されている券と推察されます。

 

 

 

 

 

券番は00968となります。

 

 

この券の運賃はモノクラス化の昭和44年5月10日改訂の運賃で、発行日は運賃改訂から2年1ヶ月余りが経過しておりますが、単純には1年間で400枚以上が発売されており、発行箇所着とならない復路用の常備券での発売枚数ですから、この券の発売需要は非常に高かったものと思われます。

 

このような常備券が設備されていた事由ですが、発行箇所の桐生駅が所在する群馬県桐生市は、古くから絹織物「桐生織」が特産であり、京都の「西陣織」とは「西の西陣、東の桐生」と並び称される事から、桐生~京都の相互間の往来は少なくなかったもの考えられ、この乗車券は織物業関係者の出張のために設備されていた常備券と思われます。