番外 令和4年の「西九州新幹線」開業後は肥前浜~諫早間が非電化へ、長崎線「有明線」区間の現状紹介 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 長崎線の肥前山口~諫早間の通称「有明線」と言いますと、主に画像の特急「かもめ」が多く運行されておりまして、上の画像の885系電車・787系電車によって運行されております。

 

 この「有明線」区間では、「かもめ」に関しましては肥前山口~肥前鹿島~諫早の3駅が停車駅となっておりまして、この区間での利用者が見られる事が伺わせておりますが、以前は多良・湯江各駅にも停車した事もありますし、全区間単線区間でもありますので、途中駅や信号場(里・土井崎)では「かもめ」同士もしくは「かもめ」と普通列車などと交換する姿も見られております。

 

 しかし、多く運行されております「かもめ」に対しまして、普通列車の運行は極端に少なく、駅によりましては数時間に1本しか運行されない列車がありましたり、駅の最終列車が18時台で終了する駅(肥前大浦駅・下り18時台)さえありまして、沿線の需要はそう多くはない事が伺わせております。

 

 

 そんなこの「有明線」と呼ばれます区間は、令和4年の「西九州新幹線」開業後は、JR九州として「並行在来線方式」として維持されるものの、特急列車も博多~肥前鹿島間で、電化区間も江北(←肥前山口)~肥前浜間(当初は肥前鹿島駅でしたが要望によりこのほど延長が決定)に短縮されまして運行されるようになりまして、肥前浜~諫早間は非電化区間として運行される事になる事が決まっております。しかも、運行水準は今までの運行水準を維持するとの事でありまして、普通列車は後述のような本数で維持される事にもなるようであります。

 

 

 さて、今回ここからご紹介しますのは、現在の「有明線」内における普通列車の系統・運行本数をご紹介するとともに、「有明線」内の現状も併せて皆様にご紹介してまいります。

 

 

 現在の「有明線」における系統・運行本数を以下に出します。この中で佐賀県~長崎県をまたいで運行されているのは上下合わせて14本で、あとは佐賀県内・長崎県内完結で運行されております。ちなみに、長崎県内完結は上下合わせてわずか8本しかなく、先述の14本を入れましても22本しかありませんので、それだけ本数が少ない事もお分かりいただけるのではないかと思います。

 

 【佐賀県~長崎県間】

 鳥栖~長崎    下り4本・上り2本

 佐賀→長崎    下り1本

 肥前山口~長崎 下り1本・上り5本

 肥前大浦→長崎 下り1本

 

 【佐賀県内完結(鹿児島線直通も含みます)

 鳥栖~肥前鹿島    下り2本・上り1本

 鳥栖~肥前浜      下り2本・上り2本(2往復)

 鳥栖~多良       下り1本・上り1本(1往復)

 鳥栖~肥前大浦    下り2本・上り1本

 福間→肥前浜      下り1本

 門司港←多良      上り1本

 肥前山口~肥前大浦 下り3本・上り2本

 肥前山口←多良    上り1本

 

 【長崎県内完結】

 小長井~長崎     下り2本・上り2本(2往復)

 湯江~長崎       下り1本・上り2本

 湯江→諫早       下り1本

 

 

 この区間で代表的に運行されております車両は画像の817系電車でありまして、鳥栖~長崎間の運行列車の中では「かもめ」よりも所要時間が長い列車も運行されておりまして、基本的にワンマン列車で運行されております。

 

 また、鳥栖・肥前山口~長崎間や、長崎県内完結列車では画像の415系電車も運行されております。このうち2往復運行されております小長井~長崎間の列車は、住民の要望の上で運行されるようになった列車でありまして、当初は6月末で引退するキハ66・67系気動車でも運行されておりましたが、現在は415系電車で運行されるに至っております。

 

 (「小長井」行先)

 

 

 けれども、「並行在来線」方式となりますと、この「有明線」で運行されております列車も先述のようにほとんどの列車で気動車化される事になります。それでも、運行水準も維持されるとの事でもありますので、今後運行系統は佐賀・鳥栖方面から肥前鹿島・肥前浜各駅へは電車が乗り入れるようになるようでありますが、それ以外は乗り入れないようになると思われますので、諫早駅および肥前山口駅から改称されます江北駅、もしくは電化区間の末端であります肥前浜駅を中心に乗り換える形になるのではないかと思われるようであります。

 

 この区間の使用車両も、画像のYC1系気動車が「有明線」の非電化区間の中心となるようであります。現在も長崎線の諫早~長崎間、大村線・佐世保線の佐世保~早岐間で使用されておりますが、今後運用拡大となるようであります。

 

 

 さて、このほど新聞等でも話題になりましたが、これまで電化維持区間として肥前山口~肥前鹿島間が上げられておりましたが、画像にもありますように隣駅の肥前浜駅まで延長される事が決まりました。この駅は、画像のように無人駅ではありますが観光協会による観光案内所がこの駅に入っております。

 

 この駅の近くには「肥前浜宿」と呼ばれる観光名所がありますし、酒蔵なども設けられておりまして、数キロ先には「祐徳稲荷神社」もありますので観光客もこれまで見られておりました。そう言った事や後述の件もありまして観光協会による観光案内所がこの駅に入るに至っておりました。

 

 またこの駅の別棟には、画像のように鹿島市内にあります酒蔵で造られましたお酒や、それ以外の県内産の日本酒を扱います「HAMA BAR」と呼ばれる酒造バーが県をあげまして昨年オープンしておりまして、観光客の姿も見られております。

 

 

 そして、この延長の要因となりましたのが、画像の787系電車「36ぷらす3」の入線でもあります。この運行が毎週月曜日に行われておりますが、電化維持によりましてこの駅への乗り入れも引き続き行われる事が現実的となっております。やはり、会社をあげまして改造されました電車でもありますし、上の画像の「HAMA BAR」の存在もこの「36ぷらす3」の利用者につながっておりますので、この点を考えますと良かったのではないかと思う所ではあります。

 

 (肥前浜駅停車時)

 

 ただ、「有明線」の肥前浜~諫早間の非電化となります令和4年の「西九州新幹線」開業後は長崎駅へ乗り入れる事になるのかはわからない所ではあります。SNS上では、肥前浜~諫早間がディーゼル機関車で牽引して長崎駅へ行くと言った声あれば、この駅で折り返しまして佐世保駅へ行くと言った声もありまして、今後この行先も「西九州新幹線」開業後どうなるのかと言う所でしょうか。

 

 

 そんな観光面の維持のための動きも見られているこの「有明線」ではありますが、県境区間となりますと画像のようにがらんとした姿も見られているのが現状でもあります(1月利用時撮影)。それほど上の表にもありますように佐賀県内完結・長崎県内完結の列車も見られる事にもつながるのもわからなくはない所でもありましょうか。

 

 

 今回は、令和4年の「西九州新幹線」開業後大きな変化を遂げる事にもなります「有明線」の系統を含めました現状に関しましてご紹介しましたが、やはり特急中心となっている事もありまして、普通列車のみで考えますとローカル感が否めない所ではないかとも思う所ではあります。しかも、この区間が肥前浜~諫早間が非電化区間に変わる事になりますが、このほど明らかになりました肥前浜駅まで延長となった事に関しましましても現在の系統や「36ぷらす3」の存在も大きいようです。本当に、新幹線開業により影響が出る事は否めない所ではありますが、沿線の足を思いますと水準維持は不可欠ではないかと思ってならない所でもあります。