【入線整備】大井川鐵道スハフ43のボディマウントナックル化
今日の模型弄りです。
大井川鐵道では数多くの旧型車両が維持され、日々運用されていることはよく知られているところです。
それは、大井川鐵道の代名詞にもなっているSLだけでなく、EL、電車、そして客車のどれを取っても「旧型」で、沿線の生活を守るローカル鉄道でありながら、海外の「保存鉄道」のような性格も併せ持っています。
そんな大井川鐵道に数ある客車の中に、「スハフ43」という車両があります。
私がスハフ43に出会ったのは、大井川鐵道に初訪問を果たした2018年の春。お花見SLの先頭に連結されていた客車が、このスハフ43でした。
お座敷客車と展望客車を連結し、車内で宴会をしながら家山駅の桜を見に行くという趣旨の列車で、片道30分程度の運行ながらとても満足度の高い企画でした。コロナ禍がなければ毎年運行されていたものと思います。
この時、お座敷客車と展望客車とともにスハフ43が連結されていたのですが、その時は初大井川鐵道だったことと、お座敷客車や展望客車(どちらも西武改造!)に気を取られていたので、あまり気にしていませんでした。
次に訪問したのは同年7月。家族旅行の際に立ち寄りました。
生憎の土砂降りの中、臨時列車としてホームに停車するスハフ43が非常に絵になる光景でした。
ちなみにこの時の牽引機は元西武E31。E31とスハフ43の組み合わせは、何故かよく見かける気がします。
こうしてスハフ43が気になるようになり、訪問4回目にして乗車が叶いました。
これは2019年の8月。SL不具合によってEL代走となったためか、夏休みの休日ながら比較的閑散としていました。新金谷駅の窓口で「トラスト客車」を指名すれば当該号車の座席を指定してくれました。
ちなみにこの時の牽引機も西武E31。重連牽引でした。
車内はこんな感じで向かい合わせのクロスシートです。この車両ができた時は一方向に固定されたクロスシートで、終点に着くたびに編成ごと方向転換していましたが、ローカル用に格下げされた時点でこのような向かい合わせの座席に改良されています。
かつて「かもめ」「はつかり」等のまだ特急が「特別な急行」だった頃の生き証人が、ほとんどその頃の出立ちのままこうして運行されているのは奇跡と言っていいでしょう。
茶色い客車より動く機会が少ないですが、一時期よりも臨時列車などでの稼働頻度が増しているので、まだ元気なうちに沢山乗っておきたいところです。
さて、ようやく模型の話ですが、このスハフ43は完成品ではマイクロエースが製品化しています。スハフ43とともに日本ナショナルトラストが所有するC12、オハニ36、スハフ43の計4両がセットされています。このうちC12とオハニ36はいずれも非稼働状態ですね。
いつかE31とともに乗車した列車を再現したいと思って買ってあったものですが、買ったまま整備せず放置していました(まるで所属会社のよう……)。まだE31の再生産が発表されていない頃でしたが、SL不調で連日EL代走が行われる中、このスハフ43の稼働頻度が上がっていたために注目されつつありました。中古相場も上がりつつある頃でしたが、手頃な額のものをどうにか見つけて落札していました。
前オーナーの手でTNカプラーに換装されていたのですが、どうも車輪の転がりが非常に悪いです。どうやらTNカプラーに引っかかっている模様。よくある話です。
ひとまずTNカプラーを外し、さらに車輪と軸受の清掃をしたところ通電と転がりがよくなりました。室内灯が付いているとは思いませんでしたね。
外したTNカプラーの代わりを考えます。デフォルトで装備されていたアーノルドカプラーのポケットは根本からカットされていましたので、いつもの自作ボディマウント式でナックル化することにします。
まず床板とボディの段差をプラ板で埋めます。
毎度お馴染みナックルカプラー。ポケットの爪を切除し、首振り角を拡大しています。
このパーツを先程のプラ板に接着すれば完成です。
台車が車端寄りにあってカプラーユニットと支障しそうだったので、連結面間隔は一旦広めに取ってみました。今後様子を見ながら縮めていくつもりです。
あまり似てないな、というのが正直なところですが、雰囲気はそのものです。今後E31や茶色い旧客などと一緒に大井川鐵道ごっこをやっていければと思っています。
ひとまず、今日はこれにて。