【トキ鉄413系が始動】国鉄急行色で本線初走行!糸魚川・妙高高原へ試運転

スポンサーリンク

2021年夏のデビューに向けて期待が集まるえちごトキめき鉄道の413系。

甲種輸送後に妙高はねうまラインで使用されているATS-Ps形設置のための改造が実施されていましたが、6月17日より日本海ひすいライン・妙高はねうまラインにて試運転が開始されました。

塗装変更のみを施工して納入された413系

松任を後にする413系

えちごトキめき鉄道では、2021年6月末に“急いで行かない列車”としてJR西日本七尾線で使用されていた413系・クハ455形を使用したツアー形式の急行列車をデビューさせることを明らかにしています。

譲渡対象となったのは、413系B06編成(クモハ413 6・モハ412 6・クハ412 6)の3両と、B04編成に組み込まれていたクハ455 701の4両ですが、このうちクハ412 6については営業運転には使用されず、直江津運転センター内の扇形車庫を活用した鉄道テーマパーク「直江津D51レールパーク」にて展示されています。

残された3両で営業運転を実施されることとなりますが、えちごトキめき鉄道は旧JR東日本信越本線の区間となる妙高はねうまラインがATS-Ps形・旧JR西日本北陸本線の区間となる日本海ひすいラインがATS-Sw形をそのまま使用している関係で、無改造の状態では前者を走行することが出来ない状態でした。

保安装置については譲渡時点で改造が加えられておらず、車体の保安装置表記は白枠のみが記入される中途半端な状態となっており、今日までこれに関連した改造が続けられていた模様です(ATS-PsはSwの上位互換のため、Swは撤去)。

今回はATS-Ps区間である妙高はねうまラインの直江津〜妙高高原駅間の往復が含まれており、保安装置改造(ATS-Ps設置)完了後の試運転が実施されたものと考えられます。

なお、社長公式ブログ等でダイヤのアナウンスも実施されていたように、この試運転は16日より実施される計画となっていたものの、初日は車両不具合により運休となっています。

デビューまでの日程が僅かとなっていますが、乗務員訓練はJR西日本からの職員は413系を、それ以外についても115系の運転経験があることを考えると、最小限の回数で済ませることとなりそうです。

試運転の様子

今回の試運転は、直江津駅から糸魚川駅まで日本海ひすいラインを1往復したのち、直江津駅から妙高高原駅まで妙高はねうまラインを1往復する形態で運行されています。

クハ455 701側にはかつての急行列車で掲げられていたデザインのヘッドマークが掲出されています。

日本海ひすいラインの走行では、列車愛称なしの白地状態です。この状態での運転は急行列車の間合い普通列車などで実績があるものです。

続く妙高はねうまラインの走行では、「越後」が掲出されています。

413系では譲渡前から試運転の方向幕が存在しておらず、今回の試運転では糸魚川・回送などとされています。

臨時回送であいの風とやま鉄道線内にも?

甲種輸送以来のあいの風とやま鉄道線走行が見られるかも?

413系国鉄急行色については営業エリアが妙高高原〜直江津〜市振駅間とされており、妙高高原からしなの鉄道北しなの線・直江津からJR東日本信越本線・市振からあいの風鉄道線へ乗り入れる運行は旅客運用では設定されていません

しかしながら、臨時回送で他社線内を走行する可能性については否定できない状態です。

えちごトキめき鉄道ではJR東日本E127系100番台を譲受したET127系と、JR西日本キハ122形ベースで製造されたET122形が運用されていますが、直江津検修センターで国鉄型の定期的なメンテナンスをした実績はありません。

それどころか、交流線区を走る車両はディーゼルカーとなっているため、交直流電車の整備ノウハウ自体が三セク化で途絶えています。

一方で、お隣のあいの風とやま鉄道では第三セクター化から現在まで413系5編成を運用していましたが、このうちAM04編成が5月で定期運用を引退しており、ちょうど余力が生まれているとも捉えられる状態です。

以上のことを考えると、仕業検査は自社で打ちつつ、交番検査についてはあいの風とやま鉄道に委託する体制が組まれている可能性が極めて高いと言えるでしょう。

この場合は数ヶ月に一度、市振駅以西〜富山貨物駅までのあいの風とやま鉄道線を走行する機会が叶うこととなります。納入時期から、営業運転開始前に早速実施されることと予想できます。

同社の413系との離合・並びが実現するかもしれない……となれば、定期運用以上に珍しい光景となりそうです。

今回の車両譲渡では運用期限は検査切れまでとされており、全般検査・重要部検査は実施しない前提での譲受ですが、運行成果次第では更なる運行の可能性について鳥塚社長が匂わせており、検査が実現する場合は413系のノウハウに長けたJR西日本金沢総合車両所松任本所で施工される可能性が高そうです。

こちらの出場試運転となれば松任駅以西の北陸本線を走行することとなり、夢が広がります。

デビューに向けて準備が進められるトキ鉄413系。今後の動向にも注目したいですね。

関連記事はこちら

画像元ツイート紹介

記事内掲載写真はフォロワーのエルわいぷ様(@SRE485)より掲載許諾を頂いています(甲種輸送時の写真は筆者撮影)。

コメント