私が熱愛して止まないNゲージ用フィギュアの最高峰、「シャツから背中を出して何か拾っている太った男」です。
アメリカのウッドランドシーニックスの製品。「オーディナリーピープル(普通の人々)」と言うアソートの中に紛れ込んでいるのですが、この男のどこが良いのか?
カッコ悪いからです。
ドイツ・プライサー社製のフィギュアは確かに良く出来ているし、ドイツ人らしい「徹底した人間観察(だからこその医学大国)」の賜物とでも言うべき豊かな表情、一流品と見て間違いないでしょう。
しかし、しかしだ!
そこにいるのは皆イケメンばっかり(註)。そんな世界に住みたいか? オレはやだ。
WLS社のぶつけて来た「何か拾う」男はイケてない、はっきり言ってダサい。でも何だろうこの心で感じる親近感。尻ポケットからハンカチをはみ出させて背中を丸出しにしているのに、どこか憎めない惚けキャラ。
これはレイアウト用フィギュアに現れる国民性の違いによるものかと疑っています。
プライサー製品に垣間見えるのは人間礼賛、人間のありとあらゆるポーズを再現した「人間の模型」です。
一方のWLS製品が醸して来るもの、それは「人間とはシーンを構成する要素である」と捉え、一体一体のフィギュアを役者と見做すアメリカ特有の「銀幕文化」が背後にあるせいではないだろうか? つまり「場面の模型」。
この辺を詰めて行って「鉄道模型民族論」にでもまとめてみたいと思うのはタダです。
「ハイ!」
「よう、シンディ。珍しいな、親孝行か?」
「何言ってんの、新しいダーリンよ」
最初に上げた水色のワンピースを着た女性、背中丸出しおじさん、それに上の画像の4人の計6体でワンセットになっています。
註:プライサー製品でも、同社社長をモデルにしたジャバザハットや、市場の人々にセットされている体脂肪率100%の座ったおばさん、パン屋の人々に含まれる転んでパンをぶちまけている若いの等が存在する事は承知している。