辰野駅【長野県】(中央本線辰野支線、飯田線。2011年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
長野県中南部、伊那谷の北端部に位置する辰野町の中心部にある中央本線辰野支線と飯田線の接続駅でJR東日本とJR東海の境界駅、そして中央本線の新線が開通後はこちらの辰野支線区間【大八廻り】が支線に転落し、優等列車も消滅してしまい駅も駅前も寂れてしまった感のある、
辰野駅 (たつのえき。Tatsuno Station) です。
 
尚、訪問は2011年で古く、現在は車両をはじめ駅名標など変化している部分があります。ご了承下さい。
 
 
駅名
辰野駅 (JR東日本の管理駅。駅番号なし)
 
所在地
長野県上伊那郡辰野町  
 
乗車可能路線・系統
JR東日本:中央本線 【辰野支線】  
JR東海:飯田線 (路線記号:CD。辰野駅では表示が一切なし)  
 
隣の駅
中央本線
岡谷方・東京方………川岸駅 
塩尻方・名古屋方……信濃川島駅  
 
飯田線
飯田方・豊橋方………宮木駅  
 
訪問・撮影時
2011年12月、2022年5月  
 
 



辰野駅は地平駅で、南側に1983年完成の駅ビル「リュシオール辰野 (Luciole Tatsuno)」が立地しています。
駅の規模に対して立派な駅ビルですが、これは塩嶺トンネル・みどり湖駅経由の新線が開通してほぼ全数の優等列車が辰野駅を経由しなくなる事から、利便性低下に対する見返りとして建て替えられました。駅ビルは2階建てで、1階に駅舎機能があります。出入口前には飲料自動販売機が設置されています。尚、駅外と駅舎内の間に段差があり、階段しか設置されていませんので車いすでは自力で駅に出入りできません。バリアフリー非対応です。
駅ビル新築当初は書店、レンタルビデオ店、ドムドムハンバーガー、立ち食いそば・うどん店等が入居していましたが、やはり乗降客数の減少が著しかったため後に全テナントが撤退し、今はテナント部分が閉鎖されてしまっています。
また、駅舎前にはロータリーはないもののアスファルト敷の駅前広場があり、バス停留所とタクシー乗り場が設けられています。
写真は北を望む。
 
 

駅前の様子です。南東を望む。後方に辰野駅ビルがあります。
駅周辺は辰野町の中心市街地の北端部に当たり、南側にかけて市街地が広がっています。
かつて駅前は「鉄道の町」として栄えていたと思われますが、今は店舗も少なくすっかり寂れてしまい、住宅街と化しています。かつては駅前食堂や駅前旅館もあったと思われます。
また、写真左奥には天竜川の対岸にあった味噌製造メーカー「ハナマルキ」の旧本社工場の一部が写っていますが、撮影した2011年の翌年(2012年)に伊那市へと移転し、現在、工場跡は更地になっています。
また、反対側の駅北側は民家も少なく農村風景が広がっています。ちなみに辰野駅に北口はなく、駅を利用するには離れた東側の踏切か離れた西側の陸橋へ迂回しなければならず、不便です…。
 
 

駅前です。南西を望む。右手が辰野駅です。

辰野町役場や中心市街地はこちら側になります。

 

 

改札口の様子です。北を望む。後方に出入口があります。
辰野駅は有人駅(業務委託駅)です。JR東日本が管理しています。
自動改札機も改札ラッチも設置されておらず、またICカード『Suica』のエリア外なので(中央本線岡谷以遠~塩尻以遠の通過利用はOK)、簡易Suica改札機もありません。また、寒冷地であるため改札口には扉があります。この扉は車いす対応幅ですが、改札外の出入口と改札内の跨線橋がバリアフリー非対応のため、車いすで辰野駅をご利用の際は介助が必要です。ご利用時は事前にJR東日本への連絡が必要です。
改札口の右手前には『みどりの窓口』が写っていますが、2018年に廃止となりました。現在は通常の出札窓口になっているのか、それとも窓口自体が閉鎖されたか、不明です。
窓口のさらに右手前には自動券売機が2台ありましたが、『みどりの窓口』の廃止により1台は指定席券売機に変わっている模様です。
そして改札口の先は1番線ホームで、改札と1番線ホームの間に段差はありません。1番線に出て左側には切欠式の0番線があり、島式ホームである2・3番線とを結ぶ跨線橋(階段のみ)もあります。
駅舎左側は待合室になっており、ベンチと飲料自動販売機が設置されています。
トイレは改札外右側に設置されています(多機能トイレなし)。改札内にトイレはありません。
尚、辰野駅構内と駅前に売店・コンビニはありません。ご注意下さい。

 

 


2022年再訪問時に撮影した改札口・駅舎内です。

『みどりの窓口』は廃止されて、跡地は板で塞がれています。

代わりに指定席券売機が設置されています。

 

 

改札内より改札口を撮影。

左手にきっぷ回収箱があります。

   
   

ブレてしまっていますが、1番線に設置されている吊下式駅名標です。電照式で、バックライトは蛍光灯です。
辰野駅はJR東日本の管理駅なので、駅名標も当然JR東日本仕様となっています。
2011年当時は旧デザインの駅名標が設置されていました。現在は変更されていると思われます。
尚、辰野駅に駅ナンバリングは導入されていません。
 

 

駅名標です。2022年撮影。

やはり新タイプに取り替えられていました。この駅名標のバックライトはLEDです。

矢印は自社路線(中央本線)がJR東日本のコーポレートカラーである緑色、

他社路線(飯田線)がJR東海のコーポレートカラーである橙色です。

矢印の中央は中央本線のラインカラーである青色が表示されていて、結構カラフルですw

  
  

さらに、写真タイプの駅名標もあります。

辰野はホタルで有名なのでしょうか?

  

  

辰野駅は単式ホーム1面(塩尻方・飯田線豊橋方に切欠式ホームあり)、島式ホーム1面の、計2面4線の地平構造で、北東~南西方向にホームが延びています。
 
右(南)の単式ホームは1番線で、主に飯田線から直通列車が使用しています(中央本線上り岡谷方面、飯田線上り豊橋方面)。1番線の塩尻方・豊橋方(右後方)には切欠式の0番線があり、行き止まり式なので飯田線列車の当駅始発・終着列車しか入線しません。
左(北)の島式ホームは右から2番線(中央本線下り塩尻方面、岡谷方面からの飯田線上り豊橋方面)、3番線(中央本線下り塩尻方面、当駅始発または塩尻方面から直通の中央本線上り岡屋方面)の順です。3番線の北側(左)には留置線が6線あります。
 
かつては幹線の主要駅であったため、ホーム有効長は0番線が6両分、1番線が10両分、2・3番線が12両分と非常に長いです。ホーム幅も主要駅クラスの広さですが、各ホームの跨線橋部分はかなり狭くなっており、1番線の切欠部(0番線ホームとの共有部分)も狭くなっています。
上屋は0番線が終端方の4両分、1番線が岡谷方(前方)の8両分、2・3番線が塩尻方・豊橋方(後方)の9両分に設置されています。現在辰野駅に発着する定期列車は短編成ばかりなので全列車が上屋内に収まります。
各ホームにはベンチが設置されています(0番線・1番線の共用部分は未設置。1番線は改札近くにあり)。2・3番線の跨線橋下には待合室があります(空調は?)。
1番線の岡谷寄り(右奥)に駅舎・改札口があり、0・1番線ホームと2・3番線ホームは階段のみの跨線橋で結ばれています。
写真は1番線より中央本線・岡谷方を望む。

 

 



1枚目と2枚目は2番線より、3枚目と4枚目は3番線より、いずれも岡谷方を望む。

2022年撮影。

  

  

2番線(中)より中央本線・塩尻方、飯田線・豊橋方を望む。

左ホームが駅舎に面した1番線です。

 

 

こちらは切欠式の0番線です。飯田線・豊橋方を望む。0番線は飯田線専用の折り返し線です。
0番線には飯田線下りの当駅止まり最終列車が入線し、夜間滞泊の上で翌日の飯田線上り始発列車として引き返します。この列車しか0番線を使用しません。
そして0番線の向かい側(右)が1番線で、さらに右側に2番線・3番線が見えます。
また、0番線の左側にはかつて行き止まり式の貨物ホームと旧・伊那電気鉄道の辰野駅跡がありましたが、いずれも貨物取扱廃止後に解体・撤去されましたが、少し先(写真左奥)から先は貨物ホームへと至っていた線路の一部が残っています。また、その写真左奥の場所には豊島屋辰野油槽所専用線もありました。
 
 

こちらは3番線より中央本線・塩尻方を望む。
3番線の右側(北)には留置線が6本あり、4番線~9番線の順に番線が振られています。
4・5番線は元々上り副本線で、主に貨物列車が使用していました。6~9番線は側線(留置線)です。
塩嶺トンネル完成前はこの側線も旅客列車や貨物列車で埋まっていたのでしょうね…。
今は広大な設備を持て余していて、余計に寂しさを感じてしまいます…。
 
 

0番線の終端方を望む。左が1番線~3番線、右が貨物ホーム跡です。
車止めの先には駅ビル・改札口があります。
この0番線も辰野支線がメインルートだった頃は飯田線を走る旧型国電が頻繁に出入りしていたと思われますが、今は辰野支線東側(岡谷~辰野)の運転系統が実質的に飯田線と一体になったので、0番線の発着は前述の1往復のみとなりました…。
 
 

上写真は1番線より、下写真は3番線に停車中の列車内より、全て中央本線・岡谷方を望む。
この先、左へカーブして川幅の狭い天竜川を渡り、農村風景が広がる天竜川(左)の谷を北上します。東側にそびえる山の麓には中央自動車道が並走しています。そして山並みが迫ると谷が狭くなり、天竜川の渓谷に沿って北上を続けると岡谷市に入ります。その後は沿線に住宅が増えてきて、徐々に谷が広がってくると川岸駅へと至ります。川岸駅はJR東日本の駅ですが、発着列車の大半が飯田線から乗り入れてくるJR東海の車両です。
 
 

1枚目は1番線より、2枚目は2番線より、3枚目は3番線より、

全て中央本線・塩尻方、飯田線・豊橋方を望む。
左から0番線~3番線~9番線(側線)の順です。すぐ先で両路線が分岐します。
 
中央本線はこの先、すぐに右へカーブして飯田線と分かれ、郊外の農地が混在する住宅地の中を北西へ走ると両側から山々が接近し、天竜川の支流である横川川を渡るとその横川川(右)の谷に広がる田園風景を見て北へ走り、国道153号線(三州街道)が左側を並走するようになります。そして左手に集落が見えてきますが、そこに駅はなく、その集落が途切れて再び田園風景になると信濃川島駅へと至ります。1日平均乗車人員は中央東線で最も少ないです(2011年度…8人)。また、辰野支線西側区間に飯田線直通列車は入線しません。
 
一方、JR東海の管轄になる飯田線はこの先、すぐに左へカーブして中央東線と分かれ、名実ともにJR東海の管理区間になります。その後は市街地を南南東へ走り、辰野町中心部のメインストリートである県道14号線と踏切で交差すると横川川を渡り、農地が混在した郊外の住宅地を走るようになると並木道路と踏切で交差して宮木駅へと至ります。1面1線の小さな無人駅ですが、駅近くには公共施設や学校が複数あり、工場やロードサイド型店舗が点在している事もあり、乗車人員は年度によって辰野駅を上回る事があります(実際には辰野駅の乗車人員がズルズルと減少して両駅が拮抗する形になってしまいましたが…)。
 
 
あとがき
私が辰野駅で駅の外に出たのは2004年、2011年の計2度です。そのほかに乗換や折り返しの際にホームに降りた事はあります。2004年は中央本線辰野支線の西側区間(塩尻方)を乗りつぶした際に、2011年は飯田線~辰野支線岡谷方を乗り鉄時に当駅で長時間停車した際に、改札を出ました。駅構内や駅舎は幹線の主要駅クラスの規模を誇っていましたが、まぁ人が少なかったです。駅前も寂れている印象を抱きました。
 
東京からですと新宿駅から中央東線特急『あずさ』に乗り岡谷駅まで行きます(一部列車は岡谷駅を通過します)。そして辰野支線列車に乗り継いで当駅下車です。じゅうぶん日帰り訪問可能です(最大滞在時間10時間弱)。
一方、大阪からですと新大阪駅から東海道新幹線で名古屋駅まで行き、中央西線特急『しなの』に乗り継いで塩尻駅まで行きます。そして辰野支線列車に乗り継いで当駅下車です。場合によっては岡谷経由の方が先着する事があります(塩尻経由と岡谷経由では運賃が異なるかもしれません。要確認)。じゅうぶん日帰り訪問可能で、その場合の最大滞在時間は新幹線のおかげで東京発と全く同じです。
 
食料・飲料について、駅前にコンビニ、気軽に入れる商店・飲食店はありません。最寄りのコンビニは約600m西の「モンマート」になりますが、三大チェーン店ですと約620m南東の「セブンイレブン」になります。必ず事前に用意して下さい。
  
東京、大阪とも到達難易度がやや高いですが、中央本線辰野支線、飯田線を乗り鉄の際は、辰野駅をスルーせずにぜひ一度は駅の外に出られてみて下さい!
 
(参考:JR東日本のHP、地理院地図、Google地図、Wikipedia)