JR西日本の保線車両を見る | よしひろ よしちゃん 鉄道写真館

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みなさんこんにちは!よしひろよしちゃんです。 


今回はJR西日本の保線車両をご紹介します。


前回の続きですので投稿をご覧になられていない方はぜひご覧ください!

鉄道輸送に欠かせないレール

今回紹介する車両は少し特殊な車両です。私たちが普段乗っている列車は車籍(列車の戸籍のようなもの)があり国土交通省の許認可を受けた車両です。つまり自動車と同様、決められた設備や車検が必要です。

しかし保線車両は日本の法規上では車籍のない作業用の機械の扱いとなっており鉄道車両ではありません。つまり国土交通省の許認可を鉄道扱いで受けていません。そのため最高速度は45km/hに制限され本線上を走行には線路閉鎖が必要です。

線路閉鎖とは列車または車両の運転に支障を及ぼすとき、またはそのおそれのある工事及び作業・保守用車の使用の際に行う取扱であります。

一定の区間・時間に限り、その区間の入口にあたる信号を停止現示()にして列車を進入をしないようにします。道路工事などによく見る区間の通行止めとほぼ同じと考えていいかと思います。


ですので保線車両はほとんど夜に活躍する車となっていて普段私たちが鉄道を利用するときにほぼ見かけませんよね。

吹田保線区

高槻保線区

鉄道に乗っているとレールなど線路に関わる部品が置いている資材倉庫のようなものや工事車両を置いている場所を見たことはないでしょうか?

こういった設備が保線基地です。

前回紹介したレールやバラスト、枕木などが各保線区(保線基地)に輸送されます。

モーターカー

先程紹介しました。鉄道車両扱いでなく機械扱いとなっている車両です。

資材(レール、バラスト、枕木など)を保線区から作業現場に持っていく際に牽引します。

モーターカーには除雪用機器を取り付けることができ冬季は除雪車として活躍することもあります。

レール運搬車を牽引するモーターカー

レールセンターから工臨(工事臨時列車)として鉄道車両扱いの機関車(EF65DD51など)が保線区まで輸送。引き渡され保線区の資材置場にはモーターカーが牽引します。ちなみにモーターカーは機械扱い、レール運搬車(チキ6000)は鉄道車両扱いです。

保線区にて鉄道車両扱いのレール運搬貨車から保線区のレール運搬車(機械扱い)にレールを輸送する光景


保線区のレール運搬車にはレールを持ち上げるクレーンがあるのでそれで移し替えます。

また保線区のレール運搬車に移し替えずに、クレーンで保線区内の資材置場にレールを卸すこともあります。


保線区のレール運搬車(機械扱い)を牽引するモーターカー(機械扱)

レールを積み替えたら列車の走らない時間帯に作業現場に運び積んだ時と同じ、保線区のレール運搬車にあるクレーンで卸し輸送完了です。保線作業時にクレーンなどを利用し交換します。

高槻保線区 資材置場

前回にも少し紹介しましたが、写真にも見えます。バラストや枕木は直接、工場などから保線区(または現場)にトラックで輸送し重機で積み込みます。

バラストを保線区のバラスト運搬車(機械扱い)に積み込む作業の様子

これも前回に少し記載しました。バラスト砕石・砂利はレールと違い小さい物でトラック輸送も可能です。近年は鉄道扱いの貨車(ホキ800)使われることが減り京阪神などでは、保線区のバラスト運搬車(機械扱い)が支流になっています。


保線区の枕木運搬車(機械扱い)を牽引するモーターカー


枕木もかつてはトラ25000など無蓋車と呼ばれる鉄道車両扱いである荷物を載せる用の貨車に積まれ運んだそうですが、現在はほほ見かけなくなりました。


トキ25000 無蓋車(鉄道車両扱い)

話が逸れますが、嵯峨野トロッコ列車の客車は当車両を改造して造られた車両となっています。


鉄道扱いの車両よりメンテナンス面などでコスト削減できるようで、近年は機械扱いの保守作業車が増え残念です。


ここまでレール、バラスト、枕木、線路をつくるのに、なくてはならない物を紹介しました。ここからは、上記3つの物などの工事(改良)などを行う保線車両をご紹介します。










マルチプルタイパンパー(機械扱い)

レールのゆがみを矯正するために使われる機械扱いの車両です。

バラスト軌道では列車が走行すると枕木が沈降してレールがわずかにゆがんでいきます。このゆがみは列車の乗り心地を悪化させるほか高速走行を阻害するなどの原因にもなり定期的なメンテナンスが必要です。

当車が導入されるまでは、保線員がつるはしやタイタンパーで保線作業を行い大量の人員がいるほか長時間作業となっていたそうです。










レール削正車(機械扱い)

列車の重量を受けたレール表面は波状に摩耗するので当車両(機械扱い)を使用、回転する砥石で削正していきます。

レール探傷車(機械扱い)

レールに傷がないかを走行しながら検査するほかレールの摩耗も測定する車両です。


前回からレールの輸送方法などをご紹介しました。上記3つの保線車はレールの寿命を伸ばすことができレール交換など保線作業を減らすことができています。


なお線路以外にも鉄道設備はたくさんあります。信号機や架線などそれぞれ作業にあった保線車両を使用します。


電気保全車(機械扱い)

線路の点検はもちろん。保守など高所作業(架線交換など)に使用します。

構造物作業車(機械扱い)

トンネル点検や修繕に使用します。


このほか新幹線には特殊保線車両があります。

逸脱防止ガード敷設運搬車(機械扱い)

逸脱防止ガード(線路の内側に敷設し車両が脱線しても車輪がガードにあたり大きな事故を防ぐものです。)を敷設する車です。

道床安定作業車(機械扱い)

線路を安定させるために振動を与えてバラスト同士の空隙を少なくする車です。

新幹線用電柱建替車(機械扱い)

架線柱を交換する車です。



レール運搬車(東海道新幹線) (機械扱い)

前回に紹介したロングレールを輸送し現場に敷く車です。


ほかにも枕木を自動で交換する新幹線用まくらぎ交換機やバラストを撒くバラスト更新車などがあります。紹介したのは一例でこのほかにも保線車両はたくさんあります。





ここまで紹介してきたのは車籍のない作業用の機械の扱いとなった車両でした。ここからは保線用自動車などをご紹介します。

軌陸車(鉄道博物館のもの)(機械扱い)

自動車用の車輪(タイヤ)と鉄道用の車輪がついており自動車道でも鉄道線路でも走行が可能です。ちなみに保線用自動車も鉄道車両扱いではないので機械扱いとなります。

架線作業車(機械扱い)

保守など高所作業(架線交換など)に使用します。先程紹介した電気保全車でも行えますが道路およびレール上を走行できることから保線基地のみならず、駐車場などにも留置できるため場所に困らず大変便利かと思います。

クレーン車(機械扱い)

電柱の交換や高所作業時に使用します。かつては操重車という貨車(鉄道)扱いの車両がありましたが、現在はありません。JR東日本では鉄道扱いから機械扱い化された新型機があります。


パワーショベル(機械扱い)

線路の修理など土を入れ替える際に主に使用します。


また線路内を走れる自転車、軌道自転車というものがあります。




★軌道自転車

災害時線路巡回、夜間等軽作業時の移動(運搬)に使用します。


いかがだったでしょうか?

たくさんの保線車両がありました。保線工事は線路などの検測(点検)などを定期的に行い異常があるまたは部品の寿命などを考え行われます。次回は線路などを検測(点検)する車両をご紹介します。


ご覧いただきありがとうございました。

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