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1977年の大晦日、紅白を聴きながら一大決心で完成車体にニッパーの刃を入れた改造サハ57の現物です。

 

前段で流転を重ねたクモハ40とは対照的に、1980年頃に湘南色を施したまま41年の歳月を経たサハ57です。大火災ですね。元の色は一度も落としていません。

 

 

ディテールはほぼ潰れ、バス窓状態になった上窓に注目して下さい。

 

室内にはみ出た旧塗装が胸を打ちます。改めてこの塗装を見ると、窓から虫の啼くのを聴き、テレビで欽どこを見ながら手を動かした、43年前の今頃の静かな晩を思い出します。

 

 

この塗装チャートが如何に欺瞞に満ちたものか、これでお分かりいただけるでしょう。C~Dの赤や黄色、Gの水色、E~Fのオレンジ(全て原色)が確認できます。

 

一方これは、1977年購入のクハ47の側板を切り継いだ「西武鉄道モハ20もどき」の現在の姿です。

 

 

1981年頃のグリーンマックス改造コンテストで堂々の選外に選ばれた(でもスタッフはかなり面白がっていた)車両で、クハ68の正面、オハ31の屋根、キハ02の動力と組み合わせ、ランナー引き延ばし線の先端にゴム系接着剤の玉を付けたポールを振りかざしていました。関水DD13のライトユニットを室内灯代わりにした意欲作ではあった訳です。

 

 

3年前に何とか復元しようとシンナープールに漬けてはみたものの、どれだけ漬けても剥がれない塗膜に心が折れて、片方だけ露になった旧塗装の残骸。これを見る限りGまではクハ47のままでいられたと思われます。

 

このサハ57と西武モハ20は現存し、今でも手元にあります。44年(44年と言ったら函館陥落から明治帝崩御までと同じ)の歳月を経てなお留り、自分の成長(そして老化)と共にあり続けたり忘れられたりして来た模型たちに、

 

心から敬意を表し、また詫びたいと思います。

 


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