雪組公演 ル・ポァゾン 愛の媚薬-Again- | 続アメマのおとしもの

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2021年6月2日~6月15日 雪組全国ツアー公演

 

芝居がなんだかぁ・・・で消化不良でしたので、レビューに期待したいところなんですが、岡田敬二のロマンチック・レビューシリーズの再演。しかも何回やるねん?の「ル・ポァゾン」。それにサブタイの「Agein」がコレマタ野暮ったい(笑) 「ル・ポァゾン」も星組の中日でやったあたりは良かったけど、その後の花組全ツで「また?」でしたし、他にも「ナルシス・ノアール」「シトラスの風」「Amourそれは・・・」とか再演しまくり。たしかに90年代の岡田作品はノッてましたし好きでした。どうも「Asian Sunrise」あたりから、「あれ?どうした?」という感じで、最近の新作はたしかに宝塚らしい感じですが、ゆったりしすぎてる感も否めませんね。

今回も、自身作のリバイバルを入れながらの作品のようです。

 

愛媛県県民文化会館メインホール

6月7日13時30分公演、1階24列目で観劇。

※ネタバレ注意。

●ロマンチック・レビュー「ル・ポァゾン 愛の媚薬-Again-」 作・演出/岡田敬二

 

1990年に剣幸、こだま愛を中心とした月組で初演、2011年には星組中日劇場公演、花組全国ツアー公演で再演されいずれも好評を博した、岡田敬二によるロマンチック・レビューの代表作の一つ。

 

◆愛の媚薬

吟遊詩人の諏訪さきが「愛の媚薬について」を歌い、レビューの幕開きを告げます。比べてはいけませんが、やはりここは涼風真世の印象が強くて、序章でのレビューへの期待のボルテージを上げるのですが、諏訪の歌唱ではちょっと難アリ。

 

◆プロローグ

希良々うみのソロから主題歌「ル・ポァゾン 愛の媚薬」となり、テンポアップしたところでトップコンビが登場。彩風咲奈が赤い衣装で歌い始めます。やっぱこの主題歌は印象的で、いまだに時々口ずさんでしまいますね。続く朝月希和もバッチリ歌えてますが、お次の綾凰華がコレマタどうした(笑) かっこいいんですがねぇ。華やかで艶があって、優雅で品のあるプロローグは今のライブ感覚なショー作品とはやはり一線を画します。

 

◆愛の歓び

導入は朝月が侍女の星南のぞみ、有栖妃華と「カヴァレリア ルスティカーナ」を歌います。そこからは「ナルシス・ノアール」の「月とパリス」の場面に繋がり、構成がミックスされてます。夢白あやの「亜麻色の髪の乙女」でパリスの彩風とアルテミスの朝月がファンタジーな世界を繰り広げます。

素直に「ル・ポァゾン」初演の「愛の戯れ」でいいのに、なぜに違う作品を繋げるのか疑問です。

 

◆愛の誘惑

エデンの園でパラダイスの歌手諏訪が「Another Day In Paradaise」をリンゴを持って歌い始め、中詰的な章に入ります。ここは結構歌えていましたね。

リンゴを受け取った彩風がガイズを従えて、「BAD POWER」でスーツで踊りまくります。ここはオリジナル振付の喜多弘の男役クサさ満開ですね。しかしここの手拍子はイラナイ、邪魔です。

ラメのスリットの入ったセクシー朝月が登場し、「Zigolo」でさらにアダルティな雰囲気になり、今のお祭り的な中詰と違った90年代タカラヅカって感じ。ラストは再び諏訪の「Another Day In Paradaise」のリプライズ。

 

◆若さ、スパークリング!

出たよ、過去作挿入。眞ノ宮るい、彩海せら、一禾あお、聖海由侑、紀城ゆりやの5人が「Amourそれは・・・」から「若さ、スパークリング!」を歌いますが、歌詞がダサダサ(笑)

 

◆愛の葛藤

「ナルシス・ノアール」の「アンダルシアの孤独」。闘牛士の光と影。なんか作品のコンセプトが入り乱れてますね。彩風と綾がマタドールとなって、ダンスがカッコいいです。楽曲は「Sevilla」「Mosaique」、最後は彩風と綾が「Un Amour」で締めますが、二人のデュエットはキツイ。

 

◆ナルシス・ノアール

喪服の貴婦人朝月が闘牛士の死を悼み歌いますが、もう別作品の主題歌やん。

 

◆愛のロマンス

白燕尾の紳士綾が登場し「愛の夢-3つの夜想曲」を歌い始め、クライマックスへ突入。もう歌には触れないでおきます(笑) なにかと総踊りで無理に盛り上げがちな昨今のショーにはない、ホント上品な感じです。「ワルソーコンチェルト」「悲愴」と選曲もいいですよね。アイドル的なK-POPやJ-POPとは違いすぎます。

 

◆ジュテーム

まぁ初演時もあったから仕方ないけど、フィナーレ前の導入でまたもや別作品の主題歌。三組の男女が青い衣装で「ジュテーム」を。ここ欲を言えば、三組衣装の色を変えて欲しいところ。

 

◆ロケット

主題歌でのロケット。16人の割にはフォーメーションとかも良くて、全ツとは思えぬ出来栄え。

 

◆フィナーレ

「ザ・レビュー'99」で愛華みれと大鳥れいがやった「アマポーラ」。新トップコンビの柔らかいムードにピッタリで、薄いグリーンの衣裳も映えて、ここ結構好きでしたね。

有栖のエトワールでパレードへ。

やはり地元愛媛の初日とあって、羽根を背負って登場した彩風への拍手はかなり大きかったです。念願の凱旋公演ですもんね。

 

カーテンコールでの挨拶では、母校の生徒も招待されていたようで、かなり盛り上がってました。またこれを見て宝塚を目指す人が出てくれるといいですがね。

まぁなんやかんや文句は言いながらも、「ル・ポァゾン」は好きな作品で、55分楽しんでしまいましたわ(笑)

ただショーはやはり生徒の個性が直球で出るので、現雪組の体制の現実も見えてしまいましたね。とにかく前トップほどは歌えなくても、ストレスの少ない歌唱力を頑張っていただきたいです。

 

 

このような状況下で、愛媛県は「まん延防止等重点措置」が解除となっていました。会場では間隔を空けての入場、検温、手指の消毒、チケットに緊急連絡先の記入などさせていましたが、45分前にはロビーに入れたものの、客席には30分前の入場。結局ロビーが密状態。

客席内もおしゃべりが凄くて騒がしいのなんの・・・。スタッフも「会話はお控え下さい」と言うだけで、なんの注意もしません。地元観客も大声でしゃべってますし。やっぱ地方だとこういう状態なんですかねぇ・・・エンタメ慣れしてないというか。テンション上がってしまってますからね。

 

初日でも空席は多く見られ、たぶん全体で7割ぐらいの入りだったと思います。母校生徒の招待もそれでかな?あと地方会館が主要駅から離れていることが多くて、ここもご多分に漏れずその類。JR松山駅から伊予鉄市内線で約20分。しかも路面電車で単行だから、輸送力が低く、開演前終演後の混み方が半端ナイ。私みたいな鉄ちゃんは、それを見越した行動をしてるつもりなんですが、やっぱジモティでないので、なかなかそれが出来ないのがツライところでした。