みなさんこんにちは。前回からの続きです。

 

府南部、和泉市(いずみし)の「弥生文化博物館」で開催されていた「泉州を貫く軌跡 阪和電鉄全通90周年」という、特別展の訪問記をお送りしています。

 

 

ただいま「鳳駅(おおとりえき、堺市西区)」です。博物館最寄りの「信太山駅(しのだやまえき、大阪府和泉市)」に向かう途中、ここで各駅停車に乗り換えようというところです。

 

 

ところで、朝日大阪朝刊 2021(令和3)年5月23日付 19面(大阪 東部・河内地域面)より。


奇遇にも二つの鉄道にまつわる、気になる記事が載っていたのですが…そのうちの右側です。

 

 
グーグル地図より。

前回の記事では、この「鳳駅」から分岐する「東羽衣線 東羽衣駅(同高石市。開業当初は阪和電気鉄道 阪和濱寺駅)」、隣接する「南海電車 羽衣駅(同)」にまつわる阪和、南海両社の激しいライバル関係について、当地の「濱寺海水浴場」を例に挙げ述べました。
 
 

せっかくですので、朝日の記事になっていたその「南海羽衣駅」から分岐する、路線延長わずか1.5kmの「高師浜線(たかしのはません)」についても取り上げたいと思います。

 

 

本線の高架化工事に合わせて「高師浜線」は全区間の運転を休止。同線の高架線が完成するまでの約3年間、全区間でバスによる代行輸送を行うことになった、というものです。

 

 

「羽衣駅」をはさむ南海本線は、下り線(岸和田・泉佐野・関西空港・和歌山市方面)の高架化(2016年)に続いて、上り線(堺・天下茶屋・新今宮・なんば方面)が先月、22日の始発電車から高架化されました。

 

 

長年にわたって推進されて来た、大規模な工事だったといいますが、これにより、交通量の多い「開かずの踏切」を含む13箇所の踏切が除却され、運転保安度の向上が図られたとのこと。

 

 
 
 
 

ただし、この駅から分岐している「高師浜線」については、地上の上り本線を経由して車両基地につながる連絡線(画像中央付近)が上り本線の高架化により、使用不可能になったことなどから、同時の高架化が出来ませんでした。

 

 

具体的には、バス代行を行っている間に地上線を撤去、そこにあたらしい高架線を建設、従来線と接続させる工事がなされるのだとのこと。

 

 
 

「羽衣駅」南端のホームで、ひっそりと発車を待つ「高師浜線」電車。上り線の高架化工事が進行中だった頃。いずれも2018年9月撮影。


大都会の路線、さらに、支線においては、これは珍しい事例のように感じます。

 

 
終着の「高師浜駅(同)」。
洋風で瀟洒な、モダンな装いがたまりません。

 

短い距離だとはいえ、一定の利用客が存在している証左といえる、3年あまりの休止をはさんだ工事です。

完成後は、どのような姿になるのか大変気になるところです。気長に待ちたいと思います。

 

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さて、快速はさっさと発車して行きました。
隣のホームで発車待ちをしているのは、4両編成の「普通 日根野ゆき(同泉佐野市)」。
 
 
 
阪和線はこのように、快速と普通の待ちあわせが比較的、スムーズなダイヤが設定されています。このように「待ちあわせや通過列車の待避の出来る駅がこまめに設けられている」というのは、まさに私鉄路線の名残そのものです。
 
 
 

だいぶ寄り道をしましたが…「鳳駅」を発車。

 

すぐ左手に、たくさんの車両が並ぶ車両基地が見えて来ました。 先ほど、快速ですれ違った、ハローキティの「特急はるか」もここで待機中のようです。

 

 

再び、グーグル地図より。
 

駅の和歌山方、南西に広がるこの車両基地は「吹田総合車両所 日根野支所鳳派出所」。

かつては「鳳電車区」と呼称されていました。


阪和線車両の重要な車両基地として存在しているとともに、この駅始発・終着の列車が多数設定されているのは、ここへの入出庫が必要なためです。いずれにしても、交通の拠点です。

次回に続きます。

今日はこんなところです。