現代では当たり前となった、車両の側面に設置される表示装置。
昔は前面のみという車両が多く、小田急で側面に初めて表示装置を装備したのは5000形でした。

最初はランプ切換式を採用した小田急でしたが、これは少数で終わることとなり、その後は側面に大きく種別を表示する幕式のものとなりました。

インパクトが絶大だった種別のみの側面表示

側面にも幕式の表示装置が装備されるようになった当初、小田急では種別のみを表示するものが採用されました。
小田急は種別と行先を組み合わせた場合のパターンが多く、種別と行先をセットにした幕とすることが困難だったのでしょう。

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このように見た目のインパクトは絶大で、その車両の種別が何であるかは瞬時に分かるようなものでした。
後に種別と行先が別々に動作するタイプが登場しますが、しばらくはこの種別のみのタイプが採用されていました。

このタイプは基本的に種別を表示するものでしたが、一部に折り返し運転を想定した表示が用意されており、意外とバリエーションは豊富でした。



一時期は主流となったデカデカ表示の種別幕でしたが、種別と行先が表示できるタイプに交換された車両も多く、最終的には2600形だけで見ることができるものとなりました。
2600形は廃車まで交換されなかった編成が多く、最後まで残った2670Fもデカデカ表示の編成でした。

デカデカ表示を採用した車両

最終的にはほとんど見ることができなくなったこの表示装置ですが、どのぐらいの車両に採用されたのでしょうか。
形式ごとにどの編成が装備し、交換がどのように行われたのかをまとめると、以下のとおりとなります。

【2600形】
2661F:種別のみ
2662F:種別のみ
2663F:種別のみ
2664F:種別のみ⇒種別行先(8両化された車両のみ)
2665F:種別のみ
2666F:種別のみ⇒種別行先(8両化された車両のみ)
2667F:種別のみ
2668F:種別のみ
2669F:種別のみ
2670F:種別のみ
2671F:種別のみ
2672F:種別のみ

【5000形】
5063F:種別のみ⇒種別行先
5064F:種別のみ⇒種別行先
5065F:種別のみ⇒種別行先
5251F:種別のみ⇒種別行先
5252F:種別のみ⇒種別行先
5253F:種別のみ⇒種別行先

【9000形】
9001F:ランプ切換式⇒種別のみ⇒種別行先
9002F:ランプ切換式⇒種別のみ⇒種別行先
9003F:ランプ切換式⇒種別のみ⇒種別行先
9004F:ランプ切換式⇒種別のみ⇒種別行先
9005F:ランプ切換式⇒種別のみ⇒種別行先
9006F:ランプ切換式⇒種別のみ⇒種別行先
9007F:種別のみ⇒種別行先
9008F:種別のみ⇒種別行先
9009F:種別のみ⇒種別行先
9401F:種別のみ⇒種別行先
9402F:種別のみ⇒種別行先
9403F:種別のみ⇒種別行先
9404F:種別のみ⇒種別行先
9405F:種別のみ⇒種別行先
9406F:種別のみ⇒種別行先
9407F:種別のみ⇒種別行先
9408F:種別のみ⇒種別行先
9409F:種別のみ⇒種別行先

このように、5000形と9000形は最終的に全編成が交換され、2600形のみにデカデカ表示が残っていました。
意外なことに、全編成が装備した時期があったのは9000形のみで、5000形については少数派でした。
2600形は冷房化が行われた時期によって異なっており、後期に改造された編成は種別と行先を表示するタイプとなっていました。

おわりに

2600形のイメージが強いデカデカ表示ですが、昔は9000形のほうが編成数としては多い時期がありました。
5000形にも採用例はあったものの、4両と6両でたった3編成ずつしかなく、どちらかというと珍しい存在でしたね。