今回引退が発表されましたこのキハ66・67系気動車は、昭和50年の山陽新幹線全線開業を見越して、筑豊地区の輸送を目的として15ユニット30両が旧直方気動車区に導入されておりまして、440馬力と言う強馬力を生かしまして筑豊線・篠栗線・日田彦山線・久大線などで活躍しておりまして、日田彦山線に関しましては「BRT(バス高速輸送システム)」化される事が決定しまして、工事が始まっております、彦山~筑前岩屋間にあります「釈迦岳トンネル」など勾配区間にも対応した形で運行されておりまして、快速「日田」・「はんだ」などと言った列車にも使用されておりました。
しかし、この強馬力エンジンでは故障が見られていた事もありまして、平成5年から新たなエンジンに換装されまして、馬力も420馬力に下げまして筑豊地区で引き続き運行されておりました。尚、平成12年の「ミレニアム」記念で上の画像1の1番ユニットが「国鉄急行色」に塗り替えられておりまして、一際目立つ姿が見られるようになっておりました。
そして、平成13年に筑豊線の桂川~折尾間、及び篠栗線の電化に伴いまして、「福北ゆたか線」が形成される事になった事から全車旧長崎運輸センターに全車転属しまして、「シーサイドライナー」として使用されておりましたキハ58系気動車を置き換えまして、1番ユニットを除きまして当時の塗装でありました「九州近郊色」から上の画像2(2番ユニット)の青の「SSL塗装」に順次塗り替えられまして、長崎線(諫早~長崎間)・佐世保線(早岐~佐世保間)・大村線で運行されておりました。
また、旧長崎運輸センター→旧長崎車両センターでは、広告挿しに乗客にも画像のように貴重な車両である事をアピールして運行されておりまして、キハ66・67系気動車が現役で運行しているのは世界で本県だけである事や、馬力があり、傾斜も力強く登ることができる事などをアピールしておりました。
さらに平成22年には、佐世保市にありますハウステンボスをアピールすべく、12番ユニットが「ハウステンボスライナー」として橙と白・黒のカラーで運行開始、平成23年には10番ユニットの推進軸が滑落する事がありまして運用を離脱しておりましたが、この年台車交換によりまして運用に復帰しまして110番ユニットとなりまして(キハ67 110は平成25年に台車交換)、1番ユニットとともに「国鉄急行色」に塗り替えられまして運行されるに至っております。
(12番ユニット「ハウステンボスライナー」)
(110(10)番ユニット)
そして、平成26年には、長崎駅構内の九州新幹線(長崎ルート)の工事に伴いまして、長崎車両センターから佐世保線早岐駅構内におきまして建設されておりました佐世保車両センターに全30両が転属しておりまして、このキハ66・67系気動車にとりましても2回目の転属を経験するに至っておりました。
その後、この気動車も40年以上経過している事もありまして老朽化が出始めるようになりまして、平成27年には4番ユニットが廃車となっておりまして、令和2年3月改正では、次世代気動車でもありますYC1系気動車の導入に伴いまして9・13~15番各ユニットが廃車に、さらに8月には5番ユニット・11番ユニットが定期運用を離脱→廃車に、12月には3・7・12番ユニットも離脱しまして、5ユニットで運行されておりました。
(平成27年、最初に廃車となった4番ユニット)
(令和2年廃車、5番ユニット)
けれども、今年3月改正で佐世保車両センターに所属しておりましたキハ200系気動車が全車熊本車両センター・大分車両センター・鹿児島車両センターにそれぞれ転属となりまして、その結果導入されておりましたYC1系気動車の導入両数から車両不足になる事もありまして、昨年12月に離脱しておりました3ユニットが復活を果たしまして、その結果現在は1~3・6~8・12・110番各ユニットが運行されるに至っております。
この「キスマイ ☆ ライナー」は、平成29年の10月から大晦日の12月31日まで、JRグループと長崎県が共同で開催されておりました、「長崎デスティネーションキャンペーン」、そして平成30年の3月31日までは「KISS MY NAGASAKI」キャンペーンが行われていたためでありまして、連携及び相乗効果を図るために、アイドルグループ「Kis-My-Ft2」を起用しまして行われていたものでありまして、「キスマイ ☆ エクスプレス」と称されておりました「かもめ」・「ソニック」に使用します885系電車、そしてキハ66・67系気動車において車体にラッピングが施されている列車が運行されていたものでありました。
緑 二階堂 高嗣さん
水 千賀 健永さん
橙 横尾 渉さん
桃 藤ヶ谷 太輔さん
紫 宮田 俊哉さん
黄 玉森 裕太さん
この車内の吊り広告では、メンバーそれぞれが長崎県内各地の観光地に出向きまして、その模様を収めた姿が見られておりました。やはり、この「キスマイ ☆ ライナー」こと快速「シーサイドライナー」自体が長崎~佐世保間で運行されている訳でもありますし、この区間を運行している気動車自体が長崎県内のみでしか運行されていない訳でもありますので、より存在が大きい事も伺えたのではないかと思います。尚、この全体の吊り広告は「キスマイ ☆ ライナー」編成しか見られず、他の車両はそれ以外の広告が入っておりました。
(左、藤ヶ谷太輔さん(軍艦島)・右、横尾渉さん(波佐見焼))
(左、千賀健永さん(長崎スイーツ)・右、宮田俊哉さん(小浜温泉))
(二階堂高嗣さん(外海、教会めぐり))
さて、この時私はこの列車(3232D(当時))に長崎駅から喜々津駅まで乗車しておりました。当時この列車は快速「シーサイドライナー」の割には各駅で数分ほど停車するなど、長崎~諫早間で約25分ほどで行く事ができるのが、この列車に関しましては38分もかけて運行されておりました。尚、現川・肥前古賀・市布・西諌早各駅は通過する列車でもありました。
(喜々津駅に到着)〜上の画像にもありますように撮影画像もあります
そして、先述のように令和2年8月に5番ユニットとともに定期運用を離脱、廃車(廃車登録日・令和2年11月30日、ちなみに5番ユニットは令和2年10月2日)となっておりまして、最終運行も長崎支社をあげて8月5日に行われておりました。画像からもわかりますように、この時は「SSL塗装」ではありましたが、過去にはご紹介した姿も見られていた訳ですので、由緒ある車が廃車になった事を伺わせる所ではなかったかと思っております。
(早岐駅4番ホームに到着、246D)~後方に11番ユニット、この後佐世保駅へ向かいます
(早岐駅4番ホームに到着、6924D)~先頭はキハ66 11
今回は、引退が発表されました、キハ66・67系気動車の現在までの姿、そして「キスマイ ☆ ライナー」も見せておりました11番ユニットに関しましてご紹介しましたが、この「キスマイ ☆ ライナー」に関しましては長崎県内であります長崎線・佐世保線・大村線の長崎~佐世保間でしか見る事ができない列車でもありましたので、ファンの方々も足を運んだなど効果は良かったようであります。残念ながら、その11番ユニットは廃車になりましたし、現在運行されております8つのユニットも引退のフラッグが上がりましたが、これらも元気に最終運行を迎えていただければと思っております。