武田尾駅【兵庫県】(福知山線【JR宝塚線】。2019年ほか訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
兵庫県宝塚市北西部の山間部、武庫川の渓谷に位置する福知山線【JR宝塚線】の駅で、春や秋には多くのハイキング客が利用する、
武田尾駅 (たけだおえき。Takedao Station) です。
 
 
駅名
武田尾駅 (JR-G 59)
 
所在地
兵庫県宝塚市 
 
乗車可能路線
JR西日本:福知山線【愛称:JR宝塚線】   
 
隣の駅
尼崎方………西宮名塩駅  
福知山方……道場駅  
 
訪問・撮影時
2017年12月、2019年7月
 
 

武田尾駅は橋梁上とトンネル内にわたってホームが設置されている駅で、橋梁北側の直下に改札口が設置されています。
尚、武田尾駅には駅舎と呼べる建物は存在せず、橋梁下のスペースを利用して室内に近い空間を作り出しています。
改札口は駅前道路より高い位置にあるため、駅外と改札口の間はスロープ(東側)と階段(西側)で結ばれています。
ちなみに武田尾駅では改札階とホーム階の間にエレベーターやスロープが未設置のため、バリアフリー非対応です。
写真は東口で、このスロープを登れば改札口に到達します。
後方にはバスが何とか転回可能なスペースを有する駅前広場があり、バス停留所が設けられています。宝塚市北部の西谷地区などへ向かう路線バスが設定されています。
また、左には武田尾地区を東西に結ぶ道路が延びていますが、この道路は1986年まで福知山線が通っていました(後方に東側に旧・武田尾駅がありました)。改良工事により左に見える橋梁を渡る別線の新線へと切り替えられ、電化・複線化が達成されました。旧線の廃線跡は武田尾駅付近については道路に転用されました。
写真は西を望む。
 
 

上写真のスロープを登り切ると、改札口にたどり着きます。後方が東口、前方が西口です。
手前の黄色い構造物は改札と2番ホームを結ぶ階段で、階段の側壁に駅名が記されています。
各ホームへの階段の中間右側に改札口があります。
写真は西を望む。
 
 

上り2番のりばより駅前(東側)を望む。左側に東口と改札口があります。
左下には駅前広場と阪急バスが見えます。
駅東側は、ご覧の通り武庫川の渓谷になっています。駅前に民家・商店は見られません。武庫川を境に左(北)が宝塚市、右(南)が西宮市です。
左の宝塚市側の道路が福知山線の旧線跡で、約350m先には旧・武田尾駅跡があり、駅跡は月極駐車場や公衆トイレ(車いす対応トイレへ移設)になっています。旧駅跡近くには武庫川を渡る橋もあり、西宮市側へ行けます。
旧駅跡からさらに300mほど進むと武田尾稲荷神社と飲食店があり、ここから道路は廃線跡と分かれて北へ向かい、旧線跡は枕木などが残る名実ともに「廃線跡」区間になり、生瀬駅の近くまで続きます。この旧線跡は長らく無断立入禁止でしたが、2016年に遊歩道として整備され、人気のハイキングコースになっています。
 
 

こちらは西口です。東を望む。
改札口との段差は階段しかありません。
出入口の手前から橋梁下にかけての道路沿いには宝塚市が設置した有料駐輪場があります。この山間部に有料駐輪場の需要があるのか気になりますが、周辺の道路は結構平坦なのでしょうか? また近くに民家はなく、遠くから自転車で来ているのでしょうか?
また、右側の前後方向の道路は旧線跡で、線路があった事を彷彿させるようなカーブの描き方をしています。
尚、この道路が現役の線路だった頃は、対岸の西宮市側に延びる道路が駅西側にある武田尾温泉へ行くことができる唯一の道路でした。
 
 

下り1番のりばより駅前(西側)を望む。右側に西口と改札口があります。
駅西側も武庫川の渓谷になっています。こちらも駅前に民家や商店は見られません。武庫川を境に右(北)が宝塚市、左(南)が西宮市です。
右の宝塚市側の道路が福知山線の旧線跡で、約300m先のトンネル内まで通行可能ですが、トンネル内で左への迂回路が造られて、左折地点から直進はできなくなっています。左への迂回路に入るとすぐにトンネルを出て、写真奥にある吊り橋の右側に出ます。橋の手前で右へ曲がると宝塚市側の、吊橋を渡ると西宮市側の、両市にわたって広がる武田尾温泉の各旅館にたどり着きます。足湯は宝塚市側にあります。いずれの旅館も武田尾駅から1km以内にあり徒歩移動可能ですが、途中のトンネルは道幅が狭く自動車も通行するので注意が必要です。
尚、この先は廃線跡を通れませんが、一般道路も途中で行き止まりになっているため徒歩で道場駅方面へ抜ける事はできません。
 
 

橋梁下に設置されている改札口の様子です。北を望む。 
右が東口、左が西口です。
武田尾駅は無人駅なのですが、行楽シーズンの土休日は多くのハイキング客が乗降するため、係員用の窓口が左側に設置されています。普段は窓口のシャッターが下ろされていて、窓口部分に改札内外共用のインターホンが設置されています。
改札口には交通系ICカード『ICOCA』などに対応の簡易型自動改札機が2通路設置されています。窓口に面した左側は幅広通路です。ICカードは入場・出場とも対応していますが、磁気券は入場にしか対応しておらず、出場時は改札機の右前方にあるきっぷ回収箱に乗車券を投入します。また、簡易型改札機はゲート機能がありません。但し、カメラは設置されていますので不正はできません。
改札機の右側には簡易型の自動券売機が設置されていて、『ICOCA』のチャージも可能です。
尚、自動精算機はありませんので乗り越しの場合は乗車列車の車掌へ申し出て下さい。ICカード残高不足の場合は自動券売機でチャージしてから出場処理をして下さい。
そして改札を通って左手に下り新三田方面1番のりばへの階段が、右手に上り大阪方面2番のりばへの階段が、それぞれ設置されています。エレベーターなど車いす対応設備はありませんので、車いすで当駅をご利用の場合は事前にJR西日本への連絡が必要です。
改札口の手前左側にトイレがあります。改札口の手前右側には飲料自動販売機と待合所があり、待合所にはベンチとカウンターテーブル席があります。
尚、武田尾駅周辺に売店・コンビニは一切ありません。廃線跡探訪やハイキングにお出かけの際は必ず事前に食料を用意して下さい。
 
 

下り1番のりばに設置されている建植式駅名標です。電照式ではありません。
JR西日本の標準デザインで、下部はJR宝塚線および福知山線のラインカラーである黄色に塗られています。
駅ナンバリング (JR-G 59) はこの駅名標には併記されておらず、柱などに掛けられている縦型の駅名標にのみ併記されています。
また、トンネル内には電照式の駅名標も設置されています。
 
 

 

武田尾駅は相対式ホーム2面2線の構造で、武庫川の橋梁と第一武田尾トンネルにまたがってホームが設置されています。南南東~北北西方向にホームが延びています。
左(西)が1番のりばで下り新三田・篠山口・福知山方面、右(東)が2番のりばで上り尼崎方面・大阪・北新地方面です。
ホーム有効長は8両分で、ホームドアはありません。ホーム幅は橋梁部が狭く、トンネル部は広いです。
橋梁部に上屋は階段との接続部分にしか設置されておらず、尼崎方(手前側)の約2.5両分が雨ざらしになります。雨天時に当駅で下車される場合は福知山方の車両に乗れば大丈夫ですが、改札との距離が若干遠くなります。
各ホームのトンネル部分にはベンチと空調完備の待合室が設置されています。
そして各ホームの尼崎寄り、トンネル出入口付近には橋梁下にある改札口との間を結ぶ階段が設置されています。
上写真は1番のりばより、下写真は2番のりばより、それぞれ篠山口方・福知山方を望む。
 
 

 

2枚とも2番のりばより尼崎方・大阪方を望む。右が1番のりば、左が2番のりばです。
トンネルの結構奥までホームが延びていますが、上写真の地点からですと階段まで結構遠いです。
そしてトンネル出口の少し先には改札口とを結ぶ階段があります。出口から階段までの間は上屋が設置されています。
階段の先は武庫川の橋梁部分で、そこから見える景色が素晴らしいです。
 
 

2番のりば橋梁部より尼崎方・大阪方を望む。
この橋梁で武庫川と旧線跡を跨いでいます。武庫川の中央部が宝塚市と西宮市の境界ですが、ホームは武庫川の中央部手前で途切れており、全て宝塚市内で収まっています。
この先、西宮市に入って武庫川橋梁を渡り終えるとすぐに全長2,970mの名塩トンネルに入り、右へカーブして山の中を南下します。途中、よみうりカントリークラブ(ゴルフ場)の直下を走行します。その後は西宮名塩ニュータウンの地下を走り、深い谷でトンネルを出ると快速停車駅である西宮名塩駅へと至ります。この付近で旧線跡は相当離れており、1km以上もい東の武庫川渓谷沿いを走っていましたが、西宮名塩駅に対応する駅はありませんでした(武田尾駅の次は生瀬駅でした)。
 
 

2番のりばのトンネル部より篠山口方・福知山方を望む。
ホームが途切れても第一武田尾トンネルが続きます。各ホーム端には機器室や配電盤が設置されています。
この先、左へカーブしながら概ね武庫川に沿って第一、第二の武田尾トンネルを抜けると左に武庫川を見ながら川下川を渡り、神戸市北区に入ります。その後は第一~第三の道場トンネルで山間部を一気に西へ走ります。第二道場トンネルと第三道場トンネルの間では新名神高速道路をアンダーパスします。そして武庫川を渡ると右手に武庫川と旧線跡を見て走り、旧線跡が現在線に合流するともう一度武庫川を渡って道場駅へと至ります。道場駅は神戸市内の駅ですが、他の神戸市の駅と相当離れているため、特定都区市内制度における神戸市内駅に指定されていません。
 
 
あとがき
私が武田尾駅で下車(乗車)したのは2011年、2017年、2019年の計3度です。2011年は福知山線旧線跡を探訪した際に利用しました。そして2017年は兵庫県の全駅を訪問する目的の一環で下車しました(2019年6月全駅制覇済)。しかし訪問時に霧が出ていたため、2年後の2019年にリベンジ訪問しました。ホームが武庫川の橋梁とトンネルに跨る近代的な駅で、風景に似合わず『ICOCA』が使えますが、駅前には民家がなく、新線になっても山奥の駅でした。
 
東京からですと東海道・山陽新幹線で新大阪駅まで行き、JR神戸線方面の普通・快速・新快速に乗り換えて大阪駅で下車。そして大阪駅始発のJR宝塚線下り区間快速・新三田以遠行きに乗車して当駅下車です。快速や丹波路快速にご乗車の場合は、西宮名塩駅までに普通に乗り換えて下さい。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと大阪駅から上記と同じルートで到達できます。昼間は丹波路快速の運転はなく、区間快速は宝塚駅から先の各駅に停車していきます。余裕で日帰り訪問できます。
 
食料・飲料について、駅前にコンビニや気軽に入れる商店・飲食店は一切ありません。必ず事前に用意しておいて下さい。
 
東京からの到達難易度はやや高いですが、
JR宝塚線を乗り鉄される際は、ぜひ一度は武田尾駅でも途中下車されてみて下さい!
また、ハイキングや温泉で武田尾を訪問される際はぜひJR宝塚線をご利用になり、武田尾駅も観察されてみて下さい!
 
(参考:JR西日本のHP、Google地図、Wikipedia)