皆様こんばんは。ブログおよびホームページ管理人の神@北見です。

 

最近は何故か急に色々なプロジェクトが降って掛かり、とても忙しくなってきましたのでちょっと頭がパンク気味です…。ただでさえ鉄道趣味もキハ58系だけで手いっぱいなのに…。

 

という訳で暫くは多忙で更新が滞るor小ネタばかりになるかもしれませんがご了承願います。

 

キハ58系は製造予算毎に細かな設計変更が行われており、これをまとめた文献としては鉄道ピクトリアル誌の1987年4月号キハ58系特集が最初であると思われます。以降もキハ58系を特集した鉄道ピクトリアル誌は刊行されていますが内容が省略されているものもあり、この1987年のものが最も自分的にはしっくりくる内容になっています。しかしこれも小野田滋先生が「特に重要」と思われる項目を抽出して書かれているので、世に出てきていない設計変更がある可能性もあります。

 

キハ58系の実車を見ているとこういった書籍に記載が無いものの明らかに製造途中で変更されていると思われるものが発見されており、これらに関する記述を探すため、色々資料を集めています。そんな中で先日と今日にある本が届きました。

 

↑先日届いた「キハ65」の説明書と付図です。

 

急行形気動車の図面は1962年に発刊されたものを入手していましたが後期車やモデルチェンジ車に該当する物は無く、キハ65はキハ58系列とは機構が大きく異なるものの後期車に準ずる部分も多く、参考になると思い入手しました。

 

↑これは以前持っていた「図説ディーゼル動車」が比較的古いもの(1963年版)であったので、新しいものを探していたら○○オクで見つけて入手しました。しかし入札バトルになってしまい法外な値段になってしまいましたが…(泣)

 

 

さて、キハ58系実車の形態では、これまで一つ気になる箇所がありました。

 

 

↑キハ58 263 DMH17Hエンジンの前には何やらパーツが付いていたりいなかったり…

 

↑比較的初期のキハ58系では、DMH17Hエンジンの前に横長のカバーのようなものがあり、○継という記号が書いてあります。

 

↑0番台の後期車になると、同じようにカバーの付いたパーツがありますが横幅がかなり小さいものになります。そして配管?配線?も伸びています。

 

↑長大編成用車になるとDMH17H機関の前には何も無くなり、すっきりした状態になります。

 

↑そして長大編成対応車の後期車になってくるとまた何やら箱が現れます。直方体で横長の箱ですが、表面は通気用の鎧戸状になっています。

 

 

↑この鎧戸状の箱はモデルチェンジ車にも付いています。

 

このDMH17Hエンジンの前に付いているパーツの形状はよくよくしらべてみると製造次数と相関関係があり、何らかの設計変更と関係していると思われます。しかしながら鉄道ピクトリアル誌のキハ58系特集にある設計変更の記載の中には、これに該当するような項目は見当たりませんでした。そもそもこの箱って何?と悩んでいました。正体が良く分からないので今まで当ブログでも紹介はしていませんでした。

 

では、早速入手したばかりの資料を見てみましょう。何か関連する記載はあるのでしょうか?

 

↑まずは、「図説ディーゼル動車」には床下機器の記載がり。、これによるとまず1~4次車に「継電器箱」というものが付いているようです。そして更に「充電用整流器」というものも付いているようです。これは次数の記載はありません。

 

そういえば…

 

↑キハ53 502(元キハ56 15)の床下ですが、機関の前の箱?には「継」と書いてあるので、これが「継電器箱」なのでしょう。

 

しかし、資料を読んでいると「継電器」に該当する機器は「~用継電器」というものが沢山あり、ここに配置されている継電器がどれに該当するのか良く分かりません。また、0番代車の途中から形状が変わりますが、これの根拠となる設計変更の記載も見つけられません。

 

ただしここに横長のカバー状の箱があるのは0番代のみで、これはこの書籍中の「1~4次車まで」という記載と内容が一致しますので、とりあえずこれが継電器箱であることは間違いなさそうです。

 

そして長大編成対応番代になると機関の前になにも無くなります。しかし途中から鎧戸状の箱が付くようになります。これが「充電用整流器」なのでしょうか? この鎧戸状の箱はキハ58系の後期車だけではなくキハ65にも機関の前に付いています。キハ65の図面を見ると何か書いてあるでしょうか…。

 

 

↑お、キハ65の図面集の中にありました。図面名称は「整流器箱」と書いてあり、これで間違いなさそうです。

 

これについて本文中に記載が無いかどうか確認すると、

 

↑整流器箱は充電発電機用のもののようです。充電発電機は交流2.5KVAとなっていますが、この頃の一般形・急行形気動車の制御回路は直流24Vなので交流を直流に変換する必要がありました。このため整流器が取り付けられていました。

 

しかし、「図説ディーゼル動車」には整流器についての詳細記載はなく、どの次数からこれが付いたかというのは資料の中からは読み取れませんでした…。

 

 

色々と謎の多いキハ58系ですが、外観が変わっているということは何か変更があったりしている可能性が高いので、今後も調査を続けたいと思います。皆様ももしこの辺りの情報をお持ちでしたらご教示いただけますと幸いです。

 

 

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。それでは次回もお楽しみに!!

 

是非私のホームページ

 

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にもキハ58系各車の解説がありますのでご覧になってください。