新京成電鉄 特別補充券~2 | 菅沼天虎の紙屑談義

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交通機関を利用する為の切符・・・一般の方々にとっては使い終わってしまえばタダの紙屑で、最後は係員に渡して終わりになるモノです。
そんな紙屑に夢中になってしまった大馬鹿モノの戯言にお付き合い下されば幸いです。

昨日のエントリでご紹介いたしました、「くぬぎ山駅」の特別補充券と同じ日に、「鎌ヶ谷大仏駅」で発行されました特別補充券です。

 

 

くぬぎ山駅発行の券と比較しますと、冊番号と券番号の記載方が異なっています。

 

購入した2019年10月の時点では、冊番号と券番号の表記方の違いで2種類の特別補充券が存在しており、同社の特別補充券は裏面には何も印刷されておりませんので、裏面記載事項による調製時期の想定は出来ませんが、冊番号を見る限りでは「鎌ヶ谷大仏駅」発行の券の方が番号が進んでおり、今回ご紹介いたしました券の方が「くぬぎ山駅」発行の券よりも後に調製された券と思われます。

 

 

 

 

 

この特別補充券には、左上の事由欄の下部と右下に数字が記入されています。

 

これを踏まえて仔細に見ますと、新京成電鉄の特別補充券は、この数字の書かれた部分が、微妙に色が変わっているのが認められます。

 

 

赤丸の付けた2箇所に、四角形に色が若干変色している部分があります。

 

 

 

 

 

新京成電鉄 旅客営業規則より、(一般用特別補充券の様式)第225条です。

 

 

例示されておりますのは、特別補充券の丙片(駅控用)で、規則の様式見本でも原券記入欄は「から通用」、通用期間記入欄は「発売日共 日間通用」となっており、図示いたしませんが、(常備片道乗車券の様式)第189条の第1項金額式の第2号、乗車券発売機用に掲げられた様式は「発売当日限り通用」となっており、現在では他社では余り見られなくなった「通用」の表記方は、新京成電鉄では旅客営業規則で定められた正式な表記方と言う事になります。

 

この丙片には甲片の四角形に色が若干変色している部分に、甲片には印刷されていない記入欄が設けられており、事由の下には券種、右下には発駅、接続、着駅、発行駅、窓口を記入するようになっています。

 

丙片が(駅控用)で、甲片が旅客片となりますから、この間には乙片(報告用)が綴られた、甲、乙、丙の3券片複写式の券であるものと推察され、甲片には印刷されていない記入欄への丙片の記入は、恐らくは乙片(報告用)にのみ複写され、甲片には複写されないように、この部分の乙片の裏面と甲片の表面にはノーカーボンの薬剤が塗布されていないか、複写されないような処理がされているものと思われ、これにより甲片の表面の一部に色が若干変色しているように部分が見られるものと思われます。

 

そうなりますと、鎌ヶ谷大仏駅の特別補充券は、本来は甲片には複写されない記入が写っている事になりますが、これは発行時にノーカーボン複写式の券にカーボン紙を挿入したか、ノーカーボンの薬剤が本来は複写しない部分にまで塗布されていたものと考えられます。

 

 

 

 

 

本来ならば甲片には複写されないハズの数字の記入を見ますと、事由欄の下には「1010」と記入があり、これは丙片の券種記入欄の4ケタのマスに記入されたものと推察され、同社の片道乗車券の券種コードが「1010」となるものと考えられ、右下の「下車前途無効」の記載の下の部分は、発駅の鎌ヶ谷大仏の駅コード「1112」、着駅の初富の駅コード「626 1111」が記入されているものと考えられます。

 

日本国有鉄道連絡運輸取扱基準規程別表より、(55)新京成電鉄線の駅コードです。

 

 

これによりますと、鎌ヶ谷大仏の駅コードは「626 1112」、初富の駅コードは「626 1111」となっており、発駅は新京成電鉄線発となりますので、新京成電鉄線を表わす上3ケタの「626」を省略して下4ケタを記入するようになっており、、鎌ヶ谷大仏を表わす下4ケタの「1112」が記入され、着駅は連絡乗車券で他社線の駅となる事もあるため、路線名を表わす上3ケタを省略せずに6ケタの番号を記入するようになっていて、「626 1111」と記入されているものと推察され、JR東日本線連絡乗車券として発売する場合には、発駅コードと着駅コードの間に設けられた接続コード欄に、松戸接続は「4553」、新津田沼~津田沼接続は「4554」の4ケタの接続コードを記入するものと思われます。