民鉄の覇者 東京急行電鉄 93、伊豆・箱根戦争について | 犬と楽器と鉄道模型

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さて、伊豆・箱根戦争について盛り上げる為、東急と西武の立場を書いて来た。

しかし実際の所、東急と西武はとても互角の規模ではなかったのである。
良く例えられるが当時、東急を横綱とした場合、西武は精々前頭なのである。
この伊豆半島の鉄道建設は、当時の西武には実際は無理であった。

1、ノウハウが無い。
起伏の激しい地形を建設して来た東急とは異なり、西武は平地が多い。
その上、池袋線・新宿線共乗っ取りで手に入れた様なものだった。
その西武が難儀な鉄道建設のノウハウを手に入れるのは、西武秩父線の建設に依ってであった。

2、規模が比べ物にならない。
多角化経営にグループの固定資産、金融機関からの格付け優良の東急に対し、西武は土地だけだった。
伊豆半島に鉄道建設は当時の西武ではとても建設出来る規模では無かったのである。
実際、伊豆箱根は自社線の狩野川に橋を架けるのを躊躇った位であった。

3、金融機関からの融資が受けられない。
株式の透明性・配当金等、社会や金融機関からの信頼度があった東急。
対する西武は、過小資本と複雑な資本構造で実態の分からない企業グループを構築した。
更に株式は公開せず、又極力税金は払わないと言う態度を貫いていた。

銀行も趣味や道楽で経営をしているのでは無い。
返済出来るか解らない様な企業に貸し出す程、銀行は御人好しでは無いのである。

規模も東急と比べると小さい。
その上、株式は未公開で資本構造も不明では莫大な金を融資等とても出来る訳は無い。
これで何処の金融機関が融資するのだろうか?

実際、東急でも伊豆急建設は予算を超えてしまい、昇が三菱銀行頭取の宇佐美を軽井沢に訪ね、追加融資を要請した程である。

この戦い、企業体同志の戦争とした場合、最初から戦いにならない程、規模の差があった。
この事は当時の財界人であれば、誰でも解った事だったのである。

 

 

 

この記事は2015-03-31
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