さて、グルメに街歩きにと小樽を満喫したところで、本日のお宿がある札幌まで戻ってきました

 

 

 

札幌駅に戻ってくると、5番のりばに17時49分発の「スーパー宗谷」3号稚内行きが停車していました

 

 

 

この時、既に車両へ軌道への負担を軽減させる目的で、キハ261系の車体傾斜装置は使用を中止していましたが、”Tilt261”のロゴは健在でした

いまでは、このロゴがHET261…Hokkaido Express Train…に改められていますが、1000番台は全車塗装が変更されたため、このロゴは0番台車でしか見ることができません

 

 

見慣れない車両に、旅情を誘う行先、そしてJR北海道特有の6点誘導チャイムは、旅人を非日常の世界へ誘ってくれます

 

 

とりあえず、今晩のお目当ての急行「はまなす」が入線してくるまで時間があるので、本日のお宿にチェックインしました

この日泊まったのは、R&Bホテル札幌北3西2で、方角+数字で場所を表すのが何とも札幌らしいですね

 

 

いったんホテルで休んだ後に、急行「はまなす」を撮影するべく再び札幌駅の構内へ足を踏み入れました

 

 

 

 

 

DD51形が牽引する14系客車が毎晩のように札幌駅を発着していた現実も、いまや遠い過去のものになってしまいました

 

 

新函館まで新幹線は開業したものの、札幌・青森のいずれも早朝6時台に到着していた「はまなす」の利便性を超えることは陸路はもちろん空路でさえもできておらず、両都市間の移動は当列車の廃止に伴い、かえって不便になった感が否めません

 

 

B寝台車となる1号車の側面には、”SLEEPING CAR HAMANASU”のロゴが掲出されています

 

 

ちなみに、この「はまなす」で運用されていたスハネフ14形の550番台車は、もともと14系として誕生したわけではなく、24系25形として生を受けたものです

オハネフ25形300番台車に発電用エンジンを搭載して生まれ変わった…14系に編入された…のがこの車両の正体となっています

 

 

車内にずらりと2段ベッドが並ぶ”Bハネ”

いまやいくらお金を積み上げても乗れない車両になってしまいましたね

 

通路側の折り畳みイスを広げて、夜の車窓を眺めながら、缶ビールを飲むのが最高だったんですけれども、それも遠い過去の記憶になりつつあります

 

 

 

 

”のびのびカーペット”車両を筆頭に多彩なアコモを誇っていた急行「はまなす」ですが、コスパのよさではドリームカーと呼ばれる指定席も負けていませんでした

なにせ、こちらはキハ183系のグリーン車から転用されたR27形座席が使用されており、フットレストが設置されている上にリクライニング角度もたっぷり確保されていて、一晩を快適に過ごせるようになっています

 

この「はまなす」のドリームカーは東武鉄道に譲渡され、姿を大きく変えることなくSL「大樹」号でいまも現役を貫いています

185系が引退したため、この車両が本邦に残る最後のR27形座席となっているため、機会をうかがって日光まで行きたいものですね

 

 

 

 

指定席がラグジュアリーな一方で、自由席は14系がデビューした当初からのR51形座席が並んでいます

その動きから、俗にバッタンシートとも呼称される簡易リクライニングシートで、古き良き国鉄の雰囲気を伝える存在として貴重な車両でした

 

きちんとメンテナンスは行き届いているものの、シートピッチは910mmと狭く、これで一晩を過ごすのはしんどそうです

急行「きたぐに」のまったくリクライニングしないボックスシートの自由席で一晩を過ごしたことがあるのですが、それもしんどかったですからね


 

晩年には、定期運行を行うJRグループ最後の急行列車であり客車列車となっていた「はまなす」も北海道新幹線開業前のダイヤ改正で廃止され、およそ四半世紀に及ぶ歴史に幕を降ろしました

 

次回、北海道漫遊記③~札幌駅撮影記2014~につづく