NO.2478 「BRT」化へと動き出した日田彦山線の現状(その2、大行司駅周辺~宝珠山駅間編) | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 平成29年の「九州北部豪雨」によりまして寸断されまして、令和2年にバス高速輸送システムであります「BRT」化が決定、そしてそれに向けた工事等が始まっております、JR日田彦山線の筑前岩屋~夜明間の現状を前回NO.2477よりご紹介しておりますが、その前回では筑前岩屋駅から隣の大行司駅までにあります3つの橋梁間の現状に関しましてご紹介しました。

 

 日田彦山線は、平成29年7月に発生しました「九州北部豪雨」によりまして添田~夜明間が寸断しておりましたが、この区間では先述のように令和2年に「BRT」化が決定しておりまして、決定後は直ちに工事がスタートしております。そして、彦山~宝珠山間が日田彦山線の線路・トンネル・橋梁を活用する事になっておりまして、使用されなくなり廃線となります添田~彦山間、宝珠山~夜明間よりも活用する事になります区間でより工事が進行しているのが現状となっております。

 

 このうち、上の画像2にもありますように湧水も流れております筑前岩屋駅に関しましては、平成30年の訪問時には以下画像のようにホームが崩壊したままでもあったなど正直残念かつショックな姿が見られておりましたが、

 

 工事スタート後はホーム・線路が撤去されておりまして、大きく様変わりしております。このうち枕木に関しましては再活用(?)される所ではこの後ご紹介する場所に集められる事になるようではありますが、その下の画像にもありますように状態が良くないものに関しましてはこの後廃棄される事になるようであります。

 

 (廃棄されるものに加えまして、画像右端にも再活用されるものも見られます)

 

 

 一方、こちらがバスが通る事になりました、筑前岩屋~大行司間のコンクリートアーチ橋3橋であります。これらはいずれも昭和13年製の橋と言う事で80年以上が経過しておりますが、それでも今回の豪雨災害にも負けず頑丈さを見せております。本当に、これまでは列車が通っていたこの区間も、バスが通る事で高さが20メートルあるこれら橋がどれだけ様子が変わる事になるのか気になる所でもありましょうか。

 

 (栗木野橋梁(全長71.2メートル)) 

 

 (宝珠山橋梁(全長79.9メートル))

 

 (第二大行司橋梁(全長54,9メートル))

 

 

 さて、ここまで前回までの内容を改めましてご紹介しましたが、今回は同じく線路等が「BRT」化によりまして活用される事になります大行司駅~宝珠山駅までの現状を、4月25日訪問時の模様から皆様にご紹介してまいります。

 

 

 まずは、大行司駅であります。この大行司駅は、東峰村でも旧宝珠山村でありました所の中心地にあたる所でありまして、近くには東峰村宝珠山庁舎も設けられている場所でもあります。ちなみに東峰村は、平成17年に宝珠山村・小石原村と合併してできた村でありまして、九州でも数少ない村同士の合併となっておりますし、引き続き村を名乗っている所でもあります。

 

 この大行司駅は、令和元年12月に復旧を願いまして新たな駅舎が村によりまして建てられております。しかし、現在運行されております代行バスは駅前までやってこない事もありまして、現在も待合室は閉じられておりまして、建てられましても現在まで使用されておりません。画像は昨年訪問時の駅内でありますが、待合室や駅員室と思われる場所が復元されておりまして、それでもいつ列車が来てもおかしくはない事が伺わせておりました。

 

 (駅員スペース?)

 

 (待合スペース)

 

 この大行司駅は、現在はホーム・線路の撤去工事が行われておりますので、立ち入りは禁止されております。したがって今回の訪問時は駅周辺を収めておりました。以下画像が立ち入り禁止の看板・柵でありますが、その下の画像が以前からありましたホームへの通路でありまして、現在は作業車両が通る道となっております。

 

 (作業車両の出入口)~柵の外側より撮影

 

 今後、この大行司駅の乗り降りに関しましてはどうなるかはわかりませんが、私としましてはこの作業用車両の道路の幅を拡大しまして、駅へ直接バスを乗り入れる形にすればいいのではないかと思っております。やはり、ホームまで77段にも及びますので、高齢者を中心に利用しやすい形にすれば一番いいのではないかとも思いますので・・・。

 

 

 その77段の階段を上った所にありますホームです(令和2年訪問時)。この時にはどうなるかがハッキリされていない時でもありましたので、まだ線路・枕木は撤去されておりませんでしたが、現在は線路・枕木の撤去が行われているそうでありまして、「BRT」化へ向けた動きが見られております。ちなみに、画像に写ります軽トラックは上の画像の車両の出入口から来たものでありまして、2番ホーム側にあります墓地の作業にあたっていたものであります。

 

 (軽トラックも見られます)

 

 この大行司駅からは、高い位置にある事もありまして、ホームの所からは宝珠山地区の街並みを望む事ができております。画像中央にありますグラウンドが、以前は以下画像のように仮設住宅の姿も見る事ができておりましたが(平成30年訪問時撮影)、現在は別の所に新たな住宅を設けた事もありまして、現在はこれからご紹介します姿に変わっております。

 

 (アップ)

 

 

 こちらが、今回訪問時のグラウンドでありますが、ここには日田彦山線で使用されておりました枕木が集められておりまして、今後も各地から集められる事にもなるようでもあります。この枕木を見ますと、いずれも状態がいいものばかりでありますので、今後売却を行いまして、何らかの形で再利用へと至る事になるのではないかと思われます。確かに、ガーデニングでは特に人気があるそうですので、そう言った形で再活用されればと思う所でしょうか。

 

 (別の位置より)~枕木の状態は良かったです

 

 

 場所は変わりまして、宝珠山駅であります。この宝珠山駅の特徴は、九州で唯一の県境の駅となっているのが特徴でありまして、大分県日田市と福岡県東峰村との境がこの駅構内で見られております。またこの駅は、駅舎の日田方は集会所となっておりまして、駅としての姿は以下画像の右側部分のみとなっておりました。

 

 (駅の裏側)~令和2年撮影

 

 現在、駅前には画像のように新たな橋が建設されております。現在ある橋も、この豪雨災害で老朽化が見られているようでありますので、そう言った事を思いますと新しい橋が設けられるのもわからなくもないでしょうか。それとともに、今後「BRT」に使用するバスも通る事にもなりますので、その姿までも浮かんでしまう所でもありましょうか。

 

 

 ここでは、令和2年撮影時の宝珠山駅の姿です。この宝珠山駅のホームは、かつて1面2線でありましたが、現在は1面1線となっておりまして、かつての賑やかであった頃からは残念な印象さえも感じさせられておりました。それに加えまして、駅周辺でも大きな被害を受けておりまして、ホームの線路も雑草が見られておりまして、まさに追い打ちをかけられたような姿が見られておりました。

 

 また、小倉方では線路が流されておりましたので、この姿からもまさに廃線跡のような感じさえも見られておりましたし、日田方でも、いわゆる大分県側では雑草が大きく生い茂っておりまして、もう線路の姿さえも見る事ができなくなっておりました。それほど、手入れもなさっていないようでもありましたし、かつ災害も起こっていましたのでより残念な姿かなと思ってならない所でもありましたでしょうか。

 

 さらに、ここは九州で唯一の県境の駅となっているのが特徴でありまして、大分県日田市と福岡県東峰村との境がこの駅構内で見られているのが特徴となっておりまして、駅舎自体は福岡県東峰村にあたる部分に設けられておりますので、駅舎・駅名標(駅板)は福岡県東峰村となっていた事がわかりますが、駅の日田方へと進みますと県境を表す柱が設けられておりますし、同じく東峰村でつくられております小石原焼の陶板を使いました境界線が福岡県と大分県との境である事を伺わせておりました。

 

 (線の部分が小石原焼の陶板)

 

 

 そして、こちらが今回訪問時の宝珠山駅内であります。「BRT」化では、この宝珠山駅までの間にバスが入って来る事にもなるようでもありますので、そう言った事からこの宝珠山駅が既にホームの一部・線路が撤去されておりまして、駅内はまっさらな姿が見られておりました。

 

 (別の位置)~小倉方

 

 

 それでもこの宝珠山駅は、先述のように「県境の駅」でありますが、現在も日田方には「県境の駅」のポールが残されておりまして、それとともにホームも残されております。やはり、大分県・福岡県境目の駅でもある事を引き続きアピールするためではないかと思われますが、先述のようにポールの下には小石原焼の陶板によりますラインも残されておりますので、そう言った事からホームも残されるに至っているようでもあります。

 

 (現在も日田方にはホームが残されています)

 

 

 今回は、その2としまして大行司駅周辺から宝珠山駅までをご紹介しましたが、「BRT」化が決定となりました以降、ホームや線路も一部撤去されている所もありますので、動きもあわただしく見られている事もお分かりいただけるのではないかと思います。それにしても、活用される所もあると言うのはありがたい所ではないかとは思いますが、それでも面影が見られなくなる所も見られているのも残念かなとも思う所ではあります。次回最終回では、残念ながら活用されなくなります夜明駅までの現状をご紹介しますので、最終回もご覧になっていただきたいと思います。