相模原線で待避設備がある構造の駅は京王多摩センターと若葉台の2駅で主に京王多摩センターで緩急接続が行われています。

 

しかしこの路線にはもともと2面4線を想定した駅が2つあります。それが京王よみうりランドと南大沢です。この2駅の共通点としては一時期終着駅だったということです。今回はこの2駅を

見ていこうと思います。

 

京王よみうりランド

相模原線の最初の延伸区間であるこの区間は1971年に京王多摩川から延伸され同時に京王よみうりランド駅が開業しました。その後1974年に京王多摩センターまで延伸され同駅は中間駅になりました。

↑京王よみうりランドを通過する7000系。上屋が島式ホームを想定したV字型となっている

 

開業した当時から2面2線構造であるがこのように屋根がV字型であり外側にも線路を設けられるスペースがある。

当初ホームの長さは7両分であったが後に10両対応するために新宿方にホームを延ばした。その時分岐部分のスペースをホームが塞ぐ格好となり2面4線化になることはなくなってしまった。

←新宿方の延伸されたホーム

 

2面4線にしなかった理由として考えられるのは多摩ニュータウンが当初の計画人口に至らずこの駅で緩急接続をとるほど本数を増やす必要がなかったことが1つあるのではと推測されます。また輸送力増強する際に10両化を推し進める方針にしたことも理由の1つであり、待避設備ではなくホーム延伸を整備するということになったのだろう。

現在下りの待避線のスペースの一部が駐輪場になっている。

↑上りホームに待避線スペースがある

南大沢

相模原線の当初の予定では1987年3月に京王多摩センターから橋本まで一気に開業する計画であった。そして当駅までの駅や線路の建設工事も順調に進んでいたようだが橋本付近の用地取得に手間取り開業に遅れが生じてしまった。そのため1988年5月に京王多摩センターから南大沢まで暫定開業した。

そして南大沢もまた2面4線分のスペースがあることが随所にみられる。そしてホームも広々としているが建設当初からホーム後方に壁が設置されている。

また京王よみうりランドと異なる点としては2面2線用の相対式ホーム用の上屋が用いられていることである。現在は待避線部分のスペースが商業施設支柱や建物の一部に使われている。特に上りの待避線スペースは駐車場や駐輪場になっている。妙な形状が待避線スペースだったんだなとうかがえる。

 

 

当初は橋本から先津久井湖畔の相模中野まで延伸することを見据えて当駅が2面4線を想定した構造になったと思われる。しかし南大沢開業前の1988年3月に橋本~相模中野の延伸を断念し免許を返上している。このことが南大沢が2面2線になる一因のように思える。

ただ計画当時京王多摩センターから橋本まで中間駅を南大沢(計画当時は由木平)のみの設置としていたがとなると駅間が長いとはいえ京王多摩センター、南大沢と連続して2面4線の駅が続くことになる。橋本が現在のように1面2線しかスペースが取れなかったとしても相模中野まで延伸した際のダイヤをどうするつもりだったのかがすごく気になることである。

あまり関係ないが2020年2月のダイヤ改正で京王多摩センター~橋本間の日中ダイヤで減便が行われている。南大沢を2面4線することは不要であったということが結論付けられる。

↑南大沢に到着する8000系。待避線用地があることがわかる。

下りホームの待避線スペース

 

まとめると郊外路線の終点付近に待避線スペースそんなにいらないということがわかる。同じ京王の高尾線めじろ台も当初の2面4線から2面2線にされていたり多摩ニュータウンを走る小田急多摩線の栗平も2面4線を想定していた構造になっているが2面2線のまま現在に至る。

多摩ニュータウンが計画時の人口に至らず開業当時利用者が伸び悩んだことももしかしたら一因にあるかもしれない。

 

参考文献です。2013年の本ですが読みごたえはあります。