NO.2477 「BRT」化へと動き出した日田彦山線の現状(その1、筑前岩屋駅~3つの橋梁間編) | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 これまでも当ブログでもご紹介しておりますように、日田彦山線の添田~夜明間は、平成29年の「九州北部豪雨」におきまして大きな被害を受けまして、それによりまして寸断を余儀なくされておりました。

 

 この寸断区間には、添田・夜明各駅を除きますと、歓遊舎ひこさん・豊前桝田・彦山・筑前岩屋・大行司・宝珠山・大鶴・今山の各駅が存在しておりまして、特に歓遊舎ひこさん駅に関しましては平成20年に開業した駅でもありまして、開業しましてからわずか9年ほどで駅としての機能が休止となっておりました。

 

 また、特に筑前岩屋駅に関しましては後述のようにホームが流出するなど大きな被害を受けておりましたし、それ以外の区間でも橋梁流出などの被害を受けた所もありまして、それだけ「九州北部豪雨」の被害が大きかった事が伺わせておりまして、そう言った被害、そして元々利用者が少なかったこの路線に関しましては大きな痛手となっておりました。

 

 

 そして、令和2年になりまして、日田彦山線はようやく動きを見せる事になりまして、これまで鉄道としての営業を訴え続けておきておりました沿線自治体でもあります東峰村の村長が鉄道としての営業を断念した事に伴いまして、既にそれ以外の自治体が賛成しておりましたバス高速輸送システム「BRT」が日田彦山線の添田~夜明間で導入される事になりまして、この年の末より「BRT」化に伴う工事が始まっております。

 

 

 それとともに、上の画像・以下画像にあります寸断区間で最も立派な駅でもありました彦山駅が4月に解体が始まっておりまして、築80年以上になる事もありまして老朽化が進んでおりましたし、「BRT」の鉄道であった区間の発着点にもなる事で新たな駅としての姿を見せようとしているようでもあります。私自身も3月にこの駅を訪問しておりましたが(NO.2457他参照)、この時点では解体の発表がなされていなかった事もありまして、まさかこの画像が貴重な姿となってしまった事が残念な所でもあります。

 

 (駅員室であった部分)

 

 こちらが、ホームの部分でありますが、この時点でも線路・枕木の撤去がなされておりまして、既にまっさらな姿が見られておりました。この後この部分はホームの整備がなされまして、舗装される事になるようでもあります。それにしても、以下画像の姿からも駅舎自体も大きかった事が伺えるのではないかとも思います。

 

 (ホーム(1番ホーム)部分)

 

 (ホーム(2番ホーム)部分)~画像7が小倉方、画像8が日田方

 

 尚、現在寸断区間では画像のように代行バスが運行されておりまして、添田~彦山間、日田~筑前岩屋間の区間便の他、全区間運行も4往復存在しております。また、3月の改正からは南側で停留所が増えておりまして、新たな停留所の部分では一部便が停車するようになっております(詳しくは後日ご紹介します)。

 

 

 さて、今回からご紹介しますのは、彦山駅から南側にあります画像の釈迦岳トンネルの南側の出入口でもあります筑前岩屋駅より南側の夜明駅までの現状を4月25日に訪問しまして収めておりました。今回はその筑前岩屋駅、そしてその大行司駅までにあります橋梁部分の現状を皆様にご紹介してまいります。

 

 

 画像が、筑前岩屋駅であります。この筑前岩屋駅は、先述のように鉄道としての営業を最後まで訴え続けておりました村長がいらっしゃいます東峰村の駅でもありますが、この駅も後述のようにホームが損壊するなど大きな被害を受けた駅でもありました。

 

 画像が、平成30年訪問時の筑前岩屋駅であります。この時も、災害からは1年を超えていた訳でもありましたが、それでもホームの部分はそのままの姿が見られておりまして、小倉方では横の山から流出した土砂によりましてホームが崩壊されておりましたり、被害がなかった日田方の線路上でも線路が覆いかぶさるほどの雑草が生い茂っていたほどでもありました。

 

 (ホーム小倉方)

 

 (ホーム日田方)

 

 こちらは、全景を望む道路側から撮影したものですが、先述のように土砂流入が見られておりまして、それに伴いましてホームも崩壊している姿も見られておりまして、それだけこの災害の怖さを感じさせる姿がこの時見られておりました。

 

 

 そして、今回訪問時の同位置でありますが、重機の姿からもわかりますように、ホーム・線路の撤去がこれらによって行われている事がわかるのではないかと思います。この姿からも上の画像とは見た目が変わっている事もお分かりいただけるのではないかと思います。

 

 撮影位置の反対側にあります釈迦岳トンネルの出入口です。この長い釈迦岳トンネルも、「BRT」化ではバス専用道として活用される事になっております。したがって、今後は列車ではなくバスが通る事にもなりますが、それでもこのトンネルが活用されるだけでもいいのではないかとも思う所でしょうか。

 

 

 駅舎の裏手に移動してきました。この姿からもわかりますように、ホームの撤去は完了しておりまして、あとは線路・枕木の撤去が行われておりました。この部分も、「BRT」化ではバスが行き合うような場所になるのではないかと思われますが、最終的にはここに新たなホームが設けられまして、舗装された道が姿を現す事になるようでもあります。

 

 (別の位置より)

 

 枕木は、この駅構内の複数箇所に集められておりまして、状態がいいものあれば状態が悪いものそれぞれが見られておりました。状態がいいものに関しましては、この後後日ご紹介します場所に集められるようでありますが、画像のように状態が悪いものに関しましては廃棄される事になるようでもあります。

 

 

 筑前岩屋駅を出まして、大行司駅へと向かいますが、これまでもご紹介しておりますように、この区間には3つのコンクリートアーチ橋が設けられておりまして、いずれも昭和13年に建設されました橋でもあります。これら橋にも今後列車に変わりましてバスが通る事にもなりますが、それでも活用されるだけでもいいのではないかとも思う所ではあります。

 

 (栗木野橋梁(全長71.2メートル))

 

 栗木野橋梁そばの線路跡の部分を収めたものであります。その下のアップ画像からわかるのではないかと思いますが、こちらでも枕木が集められている所がありまして、今後状態が良ければ枕木が集められる場所へと送られる事になるようであります。

 

 (アップ)~中央に枕木が集められています

 

 

 こちらは3つの橋梁では最も長い79.9メートルの宝珠山橋梁であります。ご紹介しておりますように、昭和13年製と言う事で83年にもなるこの橋梁ではありますが、この姿からも頑丈に建てられた橋である事がお分かりいただけます。それほど頑丈であるからこそ列車が通らない中でもきれいにしていると言ってもいいかとも思います。

 

 (アップ)

 

 

 そして、第二大行司橋梁であります。こちらは全長54,9メートルと3つのコンクリート型橋梁の中では短い橋梁ではありますが、それでも3つの橋を共通して高さが20メートルあります。ご紹介しておりますように、今後バスがこの橋を通る事にはなりますが、どんな眺めになるのか気になる所ではありましょうか・・・。

 

 

 今回は、その1としてこれまでの概要、そして筑前岩屋駅~3つの橋梁までの現状をご紹介しましたが、既に「BRT」化に向けて線路・枕木の撤去が進んでいる事がお分かりいただけるのではないかと思います。確かに、列車が通らなくなってしまった事に関しましては正直残念ではありますが、それでも再活用される事に関しましては逆にいい事ではないかとも思う所ではあります。次回は、こちらも「BRT」化によりまして線路跡が再活用される事になります大行司駅から宝珠山駅までの区間を中心にご紹介してまいりますので、次回もご覧いただきたいと思います。